顔のあざのレーザー治療と子供への負担の心配


子供の顔にある消えないあざ
治療したいけど、レーザー治療で消せるのか? 治療費、子供への負担を考えると心配でしょうがない。

このまま治療しなでいいのでしょうか。

あざで命が脅かされることはありません。

しかし、見た目からくる悩みで苦しんだり、人に会うことを嫌がり、ひきこもりになったりすることがあります。

また、将来的仕事が制約されたり、遺伝のことが心配で結婚に躊躇するされることもあります。


あざは、生まれつきの局所的な皮膚が正常に構成できなかったためにできると言われます。

皮膚を構成している表皮・皮膚付属器・血管・リンパ管・色素細胞などの要素が、単独あるいは組み合わさって種々のあざができ上がります。

あざには、赤あざ・黒あざ・青あざ・茶あざ・いぼ様あざなどがあり、またその経過も、生まれた時からあるもの、しばらくしてから現れてくるもの、自然に消えるもの、消えないものなどさまざまです。

あざは患者さん本人ばかりでなく、親御さんも大変悩まれています。

命には問題ないあざ、しかし心の負担になっている患者さんが多くいらっしゃいます。。


1.子供のあざは私に原因があると思われているお母さんへ あざの原因に遺伝性はありません。

あざの原因としては、多くの説が唱えられてきましたが、現在でも、その明確な原因は解っていません。

なかには、母親が妊娠中に火事を見たり、転倒して腹部を打ったために赤あざや青あざができたとか、子供の祖先が猟師で動物を殺したり、故意に動物を虐待したため、その報いとして子供に毛のはえた黒あざが生じたりすると言われることもありますが、全く科学的根拠のないものばかりです。

また、遺伝性を心配される方もおられますが、これも明確に認められてはいません。
特に、ご主人のお母さまより遺伝のことを言われ悩まれている子供さんのお母さんからのご相談がたくさんありますが、遺伝性はありませんのでご心配ありません

2.お子さんのあざは年齢に応じて変化していきます

「あざは生きている」と言われます.

これは、あざそれぞれに異なった生活史が存在しているためで、次の三つに分けることができます。

(1)生後一定の時期まで成長・増殖を続け、そこで休止期に入り、ほとんどそのままの状態で生涯変わらないもの。

(2)休止期より自然に消えていくもの。

(3)ある時期にあざの一部から他の腫瘍が生じ、それが徐々に変化していくもの。

そこで、あざの診断と治療は、それぞれのあざの生活史を十分に理解したうえで行わなければなりません。


3.あざにはいろいろな種類がありその特徴もさまざま

2-1.赤あざ

赤あざは、皮膚の血管が異常に拡がったり、増えたりしてできるあざですが、代表的なものが、皮膚表面から盛り上がらない単純性血管腫と、盛り上がってくる苺状血管腫です。
単純性血管腫は皮膚表面に平坦に拡がっていてるものは 部位によっては自然に消えるものもあれば、長い経過で少しずつ盛りあがるものもあります。

いちご状血管腫は、生まれてからすぐに盛りあがってきますが、様子をみていれば自然に小さくなるため、治療されないこともありました。しかし、生まれてすぐに急速に大きくなるものもあり、特に目のまわりのものでは視力低下をきたすなど様々な障害を生じる可能性がある場合は早めの治療を必要とすることがあります。

治療は単純性血管腫の場合はレーザーが適応ですが、いちご状血管腫の場合はステロイドを用いた治療が必要になることもあります。また、特に大きくなることが予想されるものには、早めの積極的な治療が必要となります。


2-2.青あざ

青あざは、色素細胞(メラノサイト)が皮膚の深いところ(真皮)に集まって出来るあざで、生まれつき・生まれて間もなく出来るものや大人になってから出来るものなどがあります。

2-2-1.太田母斑

目の周りや頬を中心とした片側顔面に出来る青あざです。
思春期以降の女性に多いのが特徴ですが、乳児期から濃くなっていくものや両側に出来るものもあります。
治療はレーザー治療です。

2-2-2.青色母斑

青色母斑細胞というメラニンを持っている細胞が増殖して生じた母斑で、多くは乳幼児期に生じ直径1cm以下のやや硬い青色から黒色のしこりとして見られます。青色母斑でやや大きいものは悪性化する可能性がありますので、早めの治療がです。

2-2-3.蒙古斑

日本人の赤ちゃんのお尻から背中にかけた青アザを蒙古斑といいます。蒙古斑は生後2歳頃までには青色調が強くなりますがその後徐々に薄くなり、10歳前後までには大部分が消失します。しかし、約3%が成人になって残ることがあります。この場合はレーザー治療を行います。

2-2-4.異所性蒙古斑

稀に腕や足、お腹や胸などに蒙古斑が異所性蒙古斑と呼ばれ、年をとっても完全に消失しません。レーザー治療が適応です。


2-3.黒あざ

色素性母斑

色素性母斑といわれ、ほくろといわれる小さいものから全身におよぶものまであります。
特に広範囲のものでは悪性化の可能性が強いため、一部を切り取って組織の検査をする必要があります。
小さいものでは 炭酸ガスレーザーを用いて傷あとも目立ちにくく取ることができます。

2-4.茶あざ(扁平母斑)

扁平母斑
出生時ないし、生後早期に見られる茶色(しみみたい)のあざです。
扁平母斑は悪性化することはありませんので、治療の目的は見た目を良くすることにあります。
治療の原則はレーザー治療で、キズが出来難いことが大きな特徴です。使われているレーザーは、Qスイッチ付きルビーレーザー・アレキサンドライトレーザー・ヤグレーザーです。ただ、残念ながら全ての方にレーザーが有効ではなく、1~2回のレーザー治療で、直ぐに再発する場合には、手術療法を考える必要があります。

2-5.脂腺母斑

ザラザラ触れる表皮母斑と、黄色く禿げのようにみえる脂腺母斑があります。

出生時または幼少時から見られる表面が凹凸で黄色調の母斑(あざ)です。
頭部に発生するとハゲとして気づかれることがあります。
脂腺母斑は自然になくなる事はなく、体が大きくなるのに比例して大きくなります。

治療は積極的は外科的治療です。
理由はハゲや盛り上がって汚いといった見た目の問題ばかりでなく、その割合は少ないのですが悪性に代わることがあるからです。

残念ながら手術後は必ず傷あとが残りますが、形成外科は傷あとをより目立ちにくくする切除・縫合方法で治療を行います。

2-5.表皮母斑

脂腺母斑とよく似た母斑に表皮母斑があります。
出生時または幼少時から見られる皮膚表面である表皮の過形成によるあざです。

原因は不明で新生児1000人に約1人の発生頻度とされています。悪性化は見られません。
自然に消退することはなく、他の母斑と同様に体が大きくなるのに比例して母斑も大きくなります。
治療は見た面を重視して傷あとが少ない炭酸ガスレーザー治療ですが、再発がある場合は手術となります。


4.早く治療を受けさせたいお母さんに知ってもらいたい あざの治療時期

あざの子供さんのお母さんは心の中で「私が代われるものなら代わりたい」と思っておられるのではないでしょうか。そして、少しでも早く治療を受けさせたいと。

そのようなお母さんに知っていただきたいあざの治療時期を

4-1.自然に消えてきくあざ

新生児に見られる蒙古斑は8歳頃までに、また、苺状血管腫は4~7歳ぐらいまでに消えるのがほとんどです。
自然に消えていくものに対しては、特に積極的な治療を必要せず経過を見ていきます。

4-2.早目の治療が必要なあざ

・急に大きくなった苺状血管腫
本来は徐々に小さくなる苺状血管腫ですが、時に大出血を起こしたり、目の回りに生じた場合は、目を塞いで視力を悪くしたりする事があります。早目の治療が必要です。

・悪性へ変化する可能性のあるものには、早期に治療を行い、手遅れにならないように注意します。

4-3.小学校に入る前の時期(精神的ストレスとなる前)

・生涯そのままの状態で変化しないものに対しては、整容上および機能上の問題がある場合に治療を考えていきます。
・手術の時期としては、精神的ストレスとなる前に行うことが原則で、一般的には小学校入学までに行います。しかし、あざの種類にとっては成人まで待つ場合もあります。
例えば、おしり以外の場所にある異所性蒙古斑は消えないこともありますので、レーザー治療が必要となります。


5.お母さんが一番知りたいあざの治療法とその結果

自然に消えていかないあざに対しては積極的治療を必要とします。

アザの治療法としては レーザー療法、手術、療法、放射線療法、電気凝固療法などありますが、ファーストチョイスはレーザー治療です。

以前は大学病院や総合病院にしかレーザー機器はありませんでしたが、最近は形成外科や皮膚科の個人クリニックにもあり、治療が受けやすくなりました

5-1.レーザー治療が適応となるアザと治療費

このうち、レーザー療法は、最近盛んにおこなわれているもので、とりわけ、赤あざに対しては大いに期待が持てます。これはレーザーが赤い色に選択的に反応するという特性を利用して、皮膚に照射するだけで赤あざを破壊するもので、照射部に傷痕を残さないという大きな特徴がありま

 

治療はあざの種類、範囲などにより異なりますが、一般的には手術により切り取り直接縫い縮めたり、体の他の部分から皮膚を移植する皮膚移植術が多く行われます。
また、皮膚の浅い部分にある場合は、皮膚を削り取る方法もあります。手術以外には、レーザー療法、凍結療法、放射線療法、電気凝固療法などがあり、それぞれの症例に応じて行われています。

 

あざやほくろの悪性化については、そのすべてが悪性化するわけではありませんが、急に大きくなったり、黒いほくろのまわりが少しずつ赤みを帯びてきた時や、結膜、口唇、外陰部、足の裏のほくろなどには十分な注意が必要です。

6.やっぱり気になるあざの治療費

あざの治療は一部を除いて健康保険で治療が受けられます。

保険診療 3割負担 2割負担
初診料 850円 560円
再診料 220円 140円

 

保険適応 レーザー治療 

6-1. 青あざ

青あざ 使用レーザー 治療間隔と回数 3割負担 治療費
異所性蒙古斑

(青あざ)

太田母斑

(青あざ)

・Qスイッチアレキサンドライトレーザ
・Qスイッチアレキサンドライトレーザー症例に合わせて使い分けます。
通常3ヶ月以上の間隔で
3〜5回程度の照射で改善します。
6,000円~

大きさに治療費が異なります

麻酔料・処方箋料は別途必要

6-2.赤あざ

赤あざ 使用レーザー 治療
赤あざ

3種類

1.いちご状血管腫/乳児血管腫

2.単純性血管腫(ポートワイン斑/毛細血管奇形)

3.海綿状血管腫(静脈奇形)

血管腫の状態により、薬剤治療・レーザー治療・手術などの方法があります。必要に応じて適切な医療機関をご紹介させていただきます。
ご相談ください

 

6-3.茶あざ  一部健康保険適応

茶あざ
扁平母斑
・Qスイッチアレキサンドライトレーザー

・Qスイッチヤグレーザー

 

あざの状態に合わせて2種類のレーザーを使い分けたコンビネーション治療
3か月間隔で何回も受けられます。
結果は照射回数に比例する場合が多いです

1回/1万円(別)
3cmx3cm
麻酔込み

*現在、健康保険ではQスイッチルビーレーザーが3カ月間隔で2回までは保険適応となっていますが、それ以後は保険外診療となり、2cm x 2 cmで20,000円となります。

当院で使用している2種類のレーザー機器は保険適応外ですが、あざの状態に合わせて2種類のレーザーを使い分けたコンビネーション治療で効果がみられます。

保険外診療ですが、保険に近い料金でのレーザー治療を行っています。

6-4.黒あざ 手術は健康保険の適応となります。

大きさや部位 また手術方法により治療費は異なります。診察時にお尋ねください。

まとめ

あざは生涯を通じて変化し、それに応じた治療が必要となます。
そのためにも、あざの専門医である形成外科医にご相談ください。



ご質問のある方は、ご遠慮なく下記のフォームよりお問い合わせください。


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眼瞼下垂治療
*クリニック院内
保険が適応できるものはできるだけ保険で治療を行います((形成外科・皮膚科)。
保険であっても、美容(見た目)を配慮した治療を行います。
形成外科医としてケガ、傷あと、まぶたのトラブル(眼瞼下垂・逆さまつ毛)、皮膚腫瘍の治療は専門的治療を行っています。
また、子供の外見的な形態異常、ケガ、傷あとの治療には特に力を入れています。
当院の診療には保険診療と自由診療がございます。美容治療はすべて自由診療となっております。

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