ピアスホールトラブル4つの症状 治療は形成外科専門医


最近は、多くの方がピアスをされるようになりました。それに伴ってピアスホールトラブルも増えてきています。

最初はわずかな炎症症状だったものが、徐々悪化してできものにまでなることもあります。

症状はピアスホールの穴開けをしてから2~3週間程で起きるものから、2~3年たって初めて起きるものまでさまざまです。

これらの症状を知っていると、早めの対応ができます。


1. 意外と多いピアスホール炎症
その原因と治療


 1-1. 分泌物

ピアスホール穴開け直後より出てくることがあります。これは穴を開けたために、皮膚の組織から一時的に出る分泌物で、1週間程で出なくなります。
化膿による分泌物ではありませんので、心配はありません。


1-2. アレルギー性接触性皮膚炎

ピアスホールの穴を開けて3週間程しても分泌物が治まらず、赤みや痒みなどが起きてきたら、使用しているピアスによるアレルギー性接触性皮膚炎が起きたことになります。

患者さんは「ジュクジュクしていつまでも治らない」とよく言われます。これは使用しているピアスの金属が長期間皮膚の内部と直接接触したために生じるアレルギー性接触性皮膚炎です。

特にニッケル、コバルト、クロムなどを使用しているピアスに多く見られます。

治療は装着しているピアスを取り外すことで、「しばらくすれば治るから、もったいないから外せない」との思いから、無理して装着を続けル方が多く、そのために症状が悪化してしまいます。


1-3.ピアスホールの損傷による炎症


1-3-1. ピアスの再挿入による

穴開けで出来上がったピアスホールに、好みのピアスを挿入する時、ピアスの尖端でホールの壁を傷つけてしまい、そこから炎症が起こります。

対策:1ヶ月程では充分なピアスホールは出来ませんので、可能なら「最初のピアス」を3ヶ月間挿入し、完全にホールが出来るのを待つことです。

また、ピアスを取り替える時に、家族の方やお友達に新しいピアスを挿入してもらうと損傷を避けることができます。挿入する時のコツは、耳たぶを少し外側に引っ張ると穴が広がって挿入しやすくなります。


1-3-2. ピアスが寝具にかかる

横向きに寝ていて、寝具にピアスが引っかかると、ピアスがホールの中で強く移動してホールが傷ついてしまいます。

朝起きたときに、枕などに血液がついていたり、ピアスホールがひりひりしていたら、まずこのことを考えてください。

寝る前にピアスをテープやカットバンなどで覆ってしまうと、寝具にピアスが引っかかることが予防出来ます。


1-3-3. 消毒薬による炎症

意外と多いのが、消毒液により炎症です。市販されているピアスホールキットには必ず、ピアス挿入後に使用する消毒液が入っています。しかし、これを頻回に使用すると炎症が起こります。

これは、消毒液は細菌に対しての働きがありますが、正常な皮膚にも損傷を与えます。またホールから皮膚の中に浸透してしまうと炎症が強くなります。

 消毒液による炎症

私は、消毒の必要はないと思っています。綿棒に水道水を浸して、それでホールの前後を綺麗に拭くか、入浴の時にシャワーのお湯で軽く洗い流すだけで十分だと思います。

炎症が強い場合は抗生剤・抗アレルギー薬の内服が考えれられますが、実施はほとんど効果は見られていません。

一番確実な方法は一旦ピアスを外す事です。


2. ピアスの埋没 その原因と治療

ピアスヘッドや留め金の皮膚への埋入してしまうことがあります。


ピアスヘッドが皮膚の中に埋没しています。

2-1.原因


2-1-1.横向きに寝てピアスが圧迫されたため

寝具に尖端が引っかかり、寝返りをしたときに片方が引っ張られたために反対側が皮膚の中に入ってしまうために起こります。

予防:就寝時にピアスをテープで覆うことで、寝具がピアスにひっかっかのを防ぐ事が出来ます。


2-1-2.  厚い耳たぶに対してピンの短いピアスを使用したため

ショップで購入したピアスのピンの長さが耳たぶの厚さより短いか同じかの場合に起こります。

予防:ご自分でされる場合は、耳たぶが厚い場合は、ロングタイプのピアスを購入されてください。医療機関では耳たぶの厚さを測定してから、穴開けを行いますので心配ありません。


2-1-3.長期に皮膚炎が続いた場合

炎症が長期に続くと、ピアスホールの皮膚が柔らかくなり、少しの力でピアスが皮膚の中に入ってしまいます。

予防:長期の皮膚炎も最初は軽度の皮膚炎から始まりますので、その時点でピアスを取り外してください。

折角入れたのですから、外したくない気持ちも解りますが、炎症がひどくなると将来、シコリやケロイドが発生することがあります。


2−⒉治療

ご自分で引っ張り出す事は出来ませんので、医療機関で取り除いてもらってください。私のクリニックでは局所麻酔下に摘出しています。

なお、新しいピアスホールを希望される場合は、炎症が治癒する3~4か月後に行うことが可能です。


3.ピアスホールの裂傷

ピアスホールの裂傷とは、ピアスによりホールが外側に裂けてしまう事を言います。

これには急性の場合と陳旧性の場合とがあります。


3-1.急性のピアスホールの裂傷

ピアスホールの場所が耳たぶの縁に近すぎ、ピアスが何かに引っかかりその勢いで穴が裂けることで起きます。セーターを脱ぐ時によく起こります。

最近は少なくなりましたが、一時期、耳たぶの縁ぎりぎりにピアスホールを開ける事が流行しまいた。そのため、ピアスの重さや、ピヤスが何かに引っかかって直ぐに切れてしまう事が多かったです。

私のクリニックでは、そのような場所を希望される方には、簡単に裂けてしまい、その後の治療も大変である事を説明した上で、縁から離してピアスホールを作っています。


3-2.陳急性のピアスホールの裂傷

長期に重みのあるリング状のピアスや、装飾の多いぶら下げタイプのピアスを使い続けたために、ホールが少しずつ縁の方に広がり、裂けていきます。

少しずつですので、患者さん本人は、ピアスホールが広がっていることには気づかず、自然に裂けて初めて気付かれます。


ピアスホールをたくさん開けている方でそれが全て裂けています。


3-3. 治療

裂けている穴の両サイドの皮膚を切り取り縫い合わせます。


3-4. 予防

3-4-1. 飾りの多いピアスの使用を避けること。

飾りが多いと色々な物に引っかかり、また重さも重くなるからです。


3-5-2. 重いピアスの使用を避けること

ハードなタイプのピアスはかなり大きく重いです。


3-5.3 ピアスホールを耳垂縁近くに空けない
こと。

ピアスホールの場所は患者さん希望の位置に行いますが、
出来れば縁から少なくとも5mmは離してもらいたいと思います。


4.ピアスホールに出来るシコリ

ピアスホールのトラブルは皮膚炎から始まり、リンパ球様腫瘤・表皮嚢腫そしてケロイドという特殊な腫瘍となることがあります。

腫瘍は薬ではなくなりませんので、摘出手術となります。


4-1.リンパ球様腫瘤

アレルギー性接触性皮膚炎が長期間続くと、しこりができてくることがあります。リンパ球様腫瘤と言われています。

このしこりは、最初は皮膚の中だけ存在するのですが、次第に表面にも現れてきます。放置していると少しずつ大きくなってきます。自然になくなることおありますが、長期間ある場合は摘出術の適応となります。手術は局所麻酔下で短時間で行われます。


4-2. 表皮嚢腫

開けたばかりのピアスホールの中側には、皮膚の表面にある表皮はまだなく、真皮あるいは皮下組織のみがあります。

しかし、時間とともにピアスホールの両外側から表皮が作られて、ホール壁を表皮が覆うことでホールが完成されます。

その期間は約1か月ですので、その間はピアスは装着し続けなければなりません。

ところが、1か月以内に炎症など生じ、ピアスを取り除かなければならなくなりピアスホールの両側が閉じてしまいます。その場合、ホールの中には表皮は残ったままです。

通常、人の皮膚のターンオーバー(生まれて死んでいくまでの期間)は4週間程で、死んだ皮膚は垢となって剥がれ落ちていきます。

ところが、ピアスホールの中に取り残された表皮からの垢は 外に出ることができずその中にたまったままとなります。

それが少しずつたまってできたのが表皮嚢腫です。

小さいうちは放置しても構いませんが、大きくなったり、感染を起こしたものは治療しなければなりません。

治療は摘出ですが、表皮嚢腫が大きい場合は、単純に摘出すると耳たぶに変形が起きることがありますので、専門の医師によると特殊な治療が必要となります。


4-3. ケロイド

しこりがさらに大きく盛り上がってくるとケロイドになります。

ケロイドとは赤く盛り上がった硬いできもので、自然になくなる事はなく、徐々に大きくなります。発生理由はまだ分かってはいません。


耳たぶの前後にできたケロイド

安易な外科的切除は90%以上の再発を起こしますので、かなり専門的治療が必要です。

私はこれまで多くのピアスホールに生じたケロイドの治療を行ってきましたので、ケロイドの摘出だけではなく、手術後の再発少なくする工夫も行っています。

具体的な治療は(ピアスケロイドの治療 学会発表)をお読みください。


5. まとめ

1.ピアスホールトラブルの原因は、ご自身でピアスホールの穴開けを行ったり、医療機関以外で受けられた場合がほとんどです。

2.ピアスホールのトラブルは早期対応が重要です。

3.ピアスホールに炎症が生じたら、すぐにピアスを取り除いてください。

4.放置しておくと悪化し、シコリやケロイドになることがあります。

5.ピアスホールの穴開けは医療行為ですので、医療機関で受けられてください。

⒍トラブルになった場合、適切な治療ができる専門医をお探しください。


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眼瞼下垂治療
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保険が適応できるものはできるだけ保険で治療を行います((形成外科・皮膚科)。
保険であっても、美容(見た目)を配慮した治療を行います。
形成外科医としてケガ、傷あと、まぶたのトラブル(眼瞼下垂・逆さまつ毛)、皮膚腫瘍の治療は専門的治療を行っています。
また、子供の外見的な形態異常、ケガ、傷あとの治療には特に力を入れています。
当院の診療には保険診療と自由診療がございます。美容治療はすべて自由診療となっております。

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