子どものケガや先天異常(見た目の)治療!正しい知識について


ある雑誌のインタビュー記事を掲載します。一般に形成外科いうと美容外科が連想されますが、子供のケガや先天異常に関しても形成外科が専門としている領域なんです。
少しでも形成外科の役割について知っていただきたいために、今回、地方の情報誌に掲載されたインタピュー記事を掲載いたします。


母親とって一番気になるのは、やはり「子ども」のこと。

18年前から保育園や母親の会に出向き、無償で子どものケガや先天性異常についての講演活動を続けている「やまもと形成外科クリニック」の山本光宏先生

「タイトル」
子どものケガや傷あと・先天異常についての考え方などについて、ドクターの立場から知っておいてほしいことなどを聞いてみました。


1.なぜ先天異常や子供のケガについて啓蒙活動をされているのですか?



そもそも「形成外科」は、赤ちゃんの先天異常の治療を行う科なんですね。世界中の形成外科医には「先天異常を抱えた子どもをなんとかしたい」という、とても強い思いがあります。

私がオーストラリアで勤務していた子ども病院(Women’s and Children’s Hospital in Adelaide ,South Australia)には、唇裂・口蓋裂・あざ、耳介や眼瞼の変形などの先天異常、けがややけどによる傷あとなどの治療に世界中から患者さんが来ていました。
子供たちを治療することでたくさんの子供たちの笑顔、親御さんの笑顔は忘れられません。
諦めていたお子さんの疾患も専門医のアドバイスと治療で、お子さんだけでなく親御さんの心配が軽減し自信につなげることができます。

オーストラリアでは患者の親御さんたちは、形成外科がどのような治療をしているかをよくご存じでしたがが、残念ながら新潟では「形成外科」が先天異常や傷あとの治療を行っていることがお母さんがたには知られていません。

私が「形成外科」の啓蒙活動を行っているのは、お母さんたちに「形成外科が子どものケガや先天異常の治療を積極的に行っている」ことを知って欲しかったからです。


2.形成外科というと、美容外科のイメージが強い印象があると思いますが

よく誤解されますが、美容外科は「形成外科」の1つの分野なのです。

では形成外科とは何か?というと、「身体表面の形態異常や欠損を治療する外科で、機能ばかりでなく見た目からくる精神的劣等感から解放し、社会生活に適応させることを目的としたもの」と定義されています。

特に子どもの場合、見た目から来るストレスは、機能障害よりも大きな悩みになることがあります。そのためにも、子どもの場合は小さな変形や傷あとに対しても積極的に治療を行うことで、悩みをやわらげ、またそれを心配する親御さんの精神的な負担も軽減されると思います。

そして、年齢により身体の変化が精神的負担となった患者に対して外科的治療でその負担を軽減させるのが 実は美容外科ということです。

3.幼稚園、学校の先生方に「知って欲しいこと」とは

まず「形成外科ではどのような治療が行われているか」ということです。

例えば、ケガによる傷あとにしても「お母さんに知識があれば、もう少しなんとかできたのに」と思うことがあります。

特に「子どもの先天異常や傷あととの付き合い方」は今、一番知って欲しいことです。

詳細はこちらを参照してください。


4.お子さんの反応はどうですか?

お子さんに先天異常があったり、顔に傷あとが残るケガをしたとき、親御さんはとても悩みますね。
「どうしたら元通りになりますか」とお母さんは必死で聞いてこられます。

親御さんとしては「自分が産んだんだから」「ケガをさせてしまった」あるいは、周囲に言われたことなどの原因はいろいろですが、みなさんかなり悩み心配されます。

しかし、本当に悩まれるのはお子さんです。しかし、そのことを親御さんはお分かりにはなられていません。

そのため、時々診察の時にお子さんと二人になりに「傷あとやアザなどを気にしているかい?」と聞くと、幼稚園以下のお子さんはほとんど「気にしていない」と言ってきます。そこでさらに、「どうする、治療したい?」と聞くと大体は「手術も治療もいや」と返事が返ってきます。それで私が「じゃあ、やめよっか」と言うとニコッと笑うんです。

親御さんの気持ちとは異なり、お子さんは意外と気にしていないことがわかります。
このことは大変重要なことです。


5.親御さんの気持ちとしては「治療は早い方がいいのでは」と思いますが、治療によって考え方が違います。

もちろん、体の機能に関わる場合は早いほうがいいです。例えば「唇裂」は生後3か月頃には手術を行います。また、「眼瞼下垂」は放っておくと視力低下の恐れがあるため、早めに手術を行います。

一方、アザなど生命や体の機能に影響がないものは、本人が「治療したい」と思うまで待つ方がいいという考えもあります。「待つのも治療」なのです。

6.待つ治療、一番は子供の気持ちが大切!

親御さんが神経質になって無理矢理手術や治療を受けさせると、お子さんは「そんなに自分は変なのかな」と悩み、一生そのことにコンプレックスを持ってしまうことがあります。

それに早く治療したからといって、「異常の部位がもと通りになったり、傷あとが全くなくなる」わけではありません。忘れないでほしいことは、治療を受けるのは「親御さん」ではなく「お子さん」だということです。

重要なことは、子供さんが希望していない場合は急いで治療を受けさせるのではなく、子供さんが自分から治療を希望されるまで待つということです。

7.気になったらまずは形成外科専門医に相談しましょう。

治療するかどうかは慌てずに!
逆に診察は早いほうがいいです。アザなどは悪性の場合がありますし、何より子供さんが、自分の状態を受け入れやすい環境を作ってあげられるからです。

その際、お子さんに大事なのは嘘を言わずに、ひとつひとつきちんと答えてあげることです。今はこうだよ、この治療をやったらこうなるよ。
そして、お子さんが自分から治療したいと言い出した時が本当の治療のタイミングだと思います。

8.治療においてメンタルな部分は非常に大切です。

生命には影響なくても、「見た目」に関わる部分が大きいだけに、形成外科ではメンタルな部分をとても大切に考えています。
心と見た目は繋がっています。

外科と違って「縫合して終了」でなく、形成外科医は縫った後の傷あとを患者さんの精神状態を観察しながら診ていくのも仕事と考えています。

だから時々「赤ちゃんのときから結婚式まで、形成外科医と患者さんとのお付き合いは20年」とも言われます。

東京では救急病院には形成外科医がいるのが普通ですが、新潟はまだ形成外科医が少なく一般的には知られていません。
しかし、不安や悩みがあればいつでもご相談してください。

親御さんの悩みに少しでもお役に立てれば幸いです。
当医院でも患者様の気持ちに寄り添う治療を心がけています。

まとめ 形成外科の治療項目

形成外科が治療を行っている対象疾患です。

形成外科の治療項目
1.新鮮外傷(ケガ)(切創・擦過傷・挫創・刺創・咬傷)・新鮮熱傷(やけど)
2.顔面骨骨折および顔面軟部組織損傷
3.唇裂・口蓋裂
4.手・足の先天異常、外傷
5.陥没乳頭・へその変形
6・アザ(脂腺母斑・表皮母斑・色素性母斑・)・赤アザ(血管腫)・良性腫瘍(粉瘤・脂肪腫・石灰化上皮腫・類皮嚢腫)
7・悪性腫瘍の切除と再建(乳がん後の乳房再建)
8・瘢痕(きずあと)・瘢痕拘縮(引きつれ)・肥厚性瘢痕(盛り上がった傷あと)・ケロイド
9・褥瘡(とこずれ)・難治性潰瘍(糖尿病などに起こる脚の潰瘍)
10.美容外科
11.その他(顔面神経麻痺)


病気や外傷(ケガ)による障害を治療する場合には健康保険が適応されますが、美容上の理由で手術を受ける場合には健康保険は効きません。

子供のケガや傷あと、先天異常についてご心配な方は、一度診察に来られてはいかがでしょうか。

 


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眼瞼下垂治療
*クリニック院内
保険が適応できるものはできるだけ保険で治療を行います((形成外科・皮膚科)。
保険であっても、美容(見た目)を配慮した治療を行います。
形成外科医としてケガ、傷あと、まぶたのトラブル(眼瞼下垂・逆さまつ毛)、皮膚腫瘍の治療は専門的治療を行っています。
また、子供の外見的な形態異常、ケガ、傷あとの治療には特に力を入れています。
当院の診療には保険診療と自由診療がございます。美容治療はすべて自由診療となっております。

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