形成外科 傷・傷跡・ケロイド

傷・傷跡・ケロイド

普通、人の皮膚は傷を受けると必ず傷あとが残ります。その傷あとの程度は、傷の種類・大きさ・部位の他に傷を受けた本人の年齢・性別・体質・病気の有無などによっても異なってきます。

軽い傷は1〜2週間でふさがり、また、擦り傷の場合もかさぶたができ、それが取れた後赤味がかった新しい皮膚ができてきます。これは、その後2〜3ヶ月で白くなり、もとの皮膚のようになります。しかし、深い傷ややけどで2週間以上もかかって治った傷、またケロイドの好発部位である肩や胸などに傷を受けた場合には、炎症を有し、赤く、硬く痒みを伴います。この状態を未熟な傷あとといいます。しかし、時が経つにつれて炎症も次第におさまり、白く柔らかい傷あとに変わります。この状態を成熟した傷あとと呼び、この状態になるのに約6ヶ月かかると言われます。しかし、何らかの原因で炎症が長く続き治癒が遅くなると、傷あとの組織が皮膚の表面より盛り上がり、醜い傷あとになります。特に顔の傷あとは隠すことができないために、患者さん自身に及ぼす影響は極めて大きく、ともすれば生活態度や考え方を変えてしまう場合があります。

また、お腹の手術や帝王切開後の傷が、盛り上がった傷あとになる場合があります。これは縫合瘢痕と言われ、軽度の場合は、縫合針を刺した所だけが点状の傷あとになりますが、時にムカデの様な傷あととなる場合もあります。これらの程度は手術部位・大きさの他に、手術を受けた本人の年齢・性別・体質・病気の有無などによっても異なりますが、傷の縫合方法や縫合針・縫合糸などの縫合材料などにも大きく左右されます。あとよりも本来の手術の結果が重要ですが、実際に見えている傷あとが患者さんに及ぼす影響も大きいです。

けがによる傷あとを最小限に止めるためには、何よりも受傷直後に適切な処置を受けることです。また、けがによる傷あとや手術後の傷あとに対しては、特殊な手術手技と縫合材料を用い、積極的に傷あとを取り除く方法が行われています。これによりかなり目立ちにくくする事ができます。

傷あとは、直接生命に関わるものではありませんが、その悩みは本人以外には解らないものがあります。たかが傷や傷あとと考えず、うまく付き合っていく事が大切です。