外科治療である以上 合併所や後遺症が避けては通れません。
また、手術の目的が患者さんの主観に対する場合は 心的問題も起こります。
美容外科治療で起こるトラブルについてお話ししたいとおもいます。
患者さんの希望した通りの結果が得られない事に対する不満
具体的には次の4つの場合があります。
1)客観的に見て不自然な仕上がりになっている場合
明らかに治療側のミスです。
二重の幅が異なる 隆鼻術で鼻が曲がっている 豊胸術で左右の大きさが異なる などなど
術前の計画に誤りがあったか 手術手技の不手際で原因です。
症状に応じて直ぐに再手術を行う場合もありますが、半年ほど待つ必要な場合もあります。
2)医師の技術的な問題や審美的な問題
1)と重なりますが、手術には経験に培われた技術が絶対に必要です。また、主観的要素の強い手術では患者さんの希望を元に 術者の美的センス 審美的センスが問われます。
経験の少ない外科医は手術書通りに手術は行うことはできますが、料理と同じさじで加減も必要です。
このさじ加減の善し悪しで、患者さんの満足度が決まります。
美容外科医は、日頃から美術に興味をもち、かつ新しい技術やセンスも磨いていかなければなりません。
3)患者自身が結果に納得していない場合
コーチングの世界では 「自分の気持ちは相手に伝わらない」 とよく言われています。
患者さんの希望をどの程度理解できるか?これが、患者さんが結果に満足してもらえる「カギ」となります。
それには、患者さんの言葉を最後まで聞き、それを確認し、そしてその必要性に共感しなければなりません。口で言うのは簡単ですが、実際にはかなり難しいことです。
クリニックの中には 1回の簡単な診察で、診察直後に手術を行うとことがありますが、これで患者さんの満足が得られるのでしょうか?
私の場合ですが、数回の診察にも関わらず、手術を断った患者さんのおられます。これは患者さんの希望と手術で出来る結果にかなりのギャップがあったからです。
手術を断る事も、時には患者さんに取って大切は事だと考えています。
4)心気的な訴え
患者さんの中には、手術を受ける事で、現在の状況が改善できると思われる方もおられます。例えば
仕事が見つからないのは一重まぶたのせいで、二重にすれば仕事が見つかる
恋人に嫌われたのは鼻が低いためで、鼻を高くすると恋人が戻ってくる
などなど 現状を改善出来ると考えて、手術を希望され訳です。
しかし、手術を受けたとしても、当然、現状が良くなることはあります。
中には 二重の手術を受けたけど現状が良くならなかったので、目ではなく鼻を高くすれば良くなると考え、手術を受けられる方もおられます。その結果は またほかの部位の手術を!!
このような患者さんに対しては、最初に充分な診察と観察を行い、手術を受けても改善しないことを理解してもらいますが、精神的疾患が疑われる場合は、心療内科の受診を薦める事もあります。
美容外科医は手術ばかり行っているのではありません。患者さんの精神状態も観察しています。
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