狭い範囲の刺青


気楽にtattoo shopで入れられた刺青が多いようです。

レーザー照射の適応色の場合は、まずレーザー治療をお薦めします。しかし、現実には少しでも早く刺青と「お別れしたい」方ばかりですので、手術となります。

 

最近、開催されました「日本形成外科学会」の発表でも、レーザー治療の適応の患者さんでも、ほとんどの方が1回で、しかも早く受けられる治療を希望されているとのことでした。

さらに、傷跡はあまり気にならないという報告もありました。

私のクリニックを受診される患者さんも同じ傾向があります。

 

 

具体的には、1回で切除縫縮しておしまいです。

時間も多少大きいものでも2時間ほどですので、何回も治療を受けなければならないレーザー治療よりも利点が大きいことになります。

ただし傷跡消えませんが。

 

 

問題は刺青治療を行っている医師が、すべて手術ができるわけではないことです。

刺青の手術はかなりの経験が無ければできませんし、刺青が大きくなればなるほど、形成外科的手技が必要となります。

「切って縫うだけ」と表現しますが、実際はそれほど簡単ではありません。

 

そこで、多くの医師は多少適応が無くてもレーザー治療を薦めることになります。

これは、レーザー照射は色に合わせて出力を検討する必要はありますが、手術ほどの経験がいらないからです。

その結果、中途半端は治療で中断してしますケースも多くみられます。

レーザー治療では十分な結果が得られない場合には、手術治療に変更できる医師に治療を依頼するのが重要かと思います。

 

(患者さんの例 1)
左肩に黒1色のバラの花の刺青を入れた20歳代の女性が受診されました。黒1色ですので、当然レーザー治療の適応ですが、時間・費用を考えると多少傷跡が目立ってもかまわいとのことで、手術を希望されました。

1時間の1回の切除縫縮で終わりました。

 

(患者さんの例 2)
25歳の男性が、右上腕の多色彫りの刺青の治療を希望されて受診されました。

他のクリニックで10回ほどレーザー治療を受けられ黒・青・赤の部分はかなり薄くなっていましたが、それ以外の色はあまり変化がないために中断したとのことでした。

また、治療費も当初より多くかかりこれ以上のレーザー治療はできないとのことで、手術を希望されました。

刺青は比較的大きかったのですが、多少無理をしましたが、レーザー照射部分も含めて(色は薄くなっていたのですが、彫った形が残っていましたので)、1回の切除縫縮で終わりました。最初から手術適応の刺青でした。

 

 

レーザー治療が肌にダメージを与えない一番の方法ですが、すべての色に効果があるわけではありません。

 

お金と時間、そして後悔の気持ちを待たないためにも、担当医師と十分に相談して治療方法を決めてください

 

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