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医師が医療レーザー脱毛を受けて感じた「効果」と「問題点」―リアルな体験談
私自身も長年「髭剃りのストレス」に悩まされていました。
朝のわずか5分でも、毎日続けば1年で30時間、10年で300時間。
カミソリ負けや青髭の悩みもあり、清潔感を保つのに苦労していました
そんな理由から、私は地域で最初に医療レーザー脱毛機器をアメリカから輸入しました。
そして、自らレーザー髭脱毛を受けることにしました。
特に男性の髭脱毛は、女性の全身脱毛とは違い、痛み・時間・費用の面でハードルが高い治療です。
患者さんから「どのくらい痛いですか?」「本当に減りますか?」と聞かれたとき、
私は自分で体験してことを伝えることで患者さんに正確なことが説明できます。
1回目〜数回目で感じた変化
初回照射後は、想像していたよりも痛みが強かったのですが、痛みは一瞬で終わり、照射後の赤みもすぐに引きました。
2〜3回目になると、毛の伸びが明らかに遅くなり、剃る回数が減りました。
これだけでも朝の時間がラクになり、「もう少し続けてみよう」と思えました。
一方で、部分的に残る毛が気になりました。
特に口角やあご下など、皮膚がわずかに凹凸している部分はレーザーが均一に当たりにくく、どうしてもムラが出やすいと感じました。
実際に照射してわかった“脱毛の現実”
自分自身で受けてみて、教科書ではわからない発見がいくつもありました。
まず、照射の強さと脱毛の速さは比例しないということで、出力を上げたからといって、早く減るわけではありません。
むしろ高出力すぎると、皮膚へのダメージが強く、休止期の毛に熱が伝わらないため、結果的に効率が下がることもあります。
また、髭は均一に減っていくわけではありません。
感覚的には、外側から薄くなっていく方が多く、私のクリニックでも約8割の患者さんが「フェイスライン→頬→あご下→口周り」の順で減っていきます。
さらに興味深いのは、どんな方にも必ず“特異的に減りにくい部分”が存在することです。
例えば、右の口角だけ残る、あご中央の毛だけしぶとい――など。
これらは照射漏れではなく、その人の毛周期や毛根の深さの違いによるものです。
実際、私自身でも「ここは打ち漏れか?」と思って同じ部分を繰り返し照射しましたが、なかなか減りませんでした。
つまり、「減りにくい=照射不足」ではなく、生理的な個人差なのです。
こうしたことは、実際に自分で受けてみた医師でなければ実感できない部分かもしれません。
患者さんから「ここだけ残っているのはなぜですか?」と聞かれたとき、
私自身の経験をもとに、「時間をかければ必ず薄くなる場所です」と具体的に説明できるようになりました。
体験して分かった“問題点”
白髪には効果がない
脱毛レーザーは黒いメラニン色素に反応するため、白髪や薄い茶色の毛には反応しません。
私自身も白髪が混じっており、その部分だけは最後まで残りました。
つまり、早めに始めるほど効果が高いというのは、身をもって実感しました。
ムラが出ると気になる
照射漏れではなくても、見た目には「ここだけ濃い」という印象が残ります。
これはほとんどの患者さんが経験することですが、
最終的には毛が細くなることで自然に馴染み、見た目のムラは消えていきます。
照射後の赤み・ヒリヒリ感
照射直後は、ヒリヒリとした熱感と軽い赤みが出ます。
特に乾燥肌の方は反応が強く出る傾向があります。
そのため、照射後に冷却し、炎症を抑えるクリームをと塗布するようにしています。
それでも続ける価値はある
自分で受けてみて思うのは、髭脱毛は「面倒を減らす」ための医療だということです。
完全にツルツルを目指す必要はありません。
朝の髭剃りが不要になり、肌がなめらかに整う――それだけでも生活が変わります。
私の場合、数回の施術で髭剃りの回数は週2回程度に減り、肌荒れやカミソリ負けはほとんどなくなりました。
また、患者さんからも、
「肌がきれいになって若く見える」
「マスクを外した時に印象が変わった」
といった声を多くいただきます。
髭が薄くなることで清潔感と自信が生まれ、人と接するときの印象が格段に良くなります。
それは外見の変化以上に、心の変化が大きいと感じます。
まとめ:受けて初めて分かる“リアルな効果”
髭脱毛は、単に毛をなくす治療ではありません。
肌の健康を取り戻し、日々のストレスを減らし、自分に自信を持つための治療です。
そして、私自身が体験して医師として初めてわかったことがあります。
・照射の強さと効果は比例しない
・毛は均一に減らない
・誰にでも減りにくい部位がある
これらは、実際に照射を受けたからこそ分かったことです。
その経験を通して、私は患者さん一人ひとりに、より的確なアドバイスと安心を提供できるようになりました。
髭脱毛は「やってみないと分からない世界」ですが、
一歩踏み出せば、肌も気持ちも確実に軽くなる――
それが、私のリアルな体験から得た結論です。