乳頭が乳輪の中に引っ込んで出てこない陥没乳頭

陥没乳頭とは

へこんでいる乳首、真ん中がくぼんでいる乳首、平坦な乳首のことを陥没乳頭「かんぼつにゅうとう」といいます。
原因は先天的な発育障害による乳管の萎縮や短縮などですが、繰り返す乳腺炎や乳管炎などによる事もあります。また、乳房が大きい人に起こりやすいとも言われます。

発生頻度は2~10%と高く、乳房の発達に伴って明らかになってきます。
陥没乳頭の程度は、乳頭の隆起はあるものの中心部が窪んでいるだけで、指で軽く刺激すると出てくるごく軽度のものから、乳頭発育不全を伴う重症のものまで様々です。また、片側だけのときもあれば、両側の場合もあります。

中度や重度の場合は授乳ができず、へこんでいる部分に汚れがたまり雑菌が繁殖しやすい不衛生な状態になります。そのため乳腺炎になるリスクが非常に高くなります。
乳腺炎は放置しておくと乳腺の正常な部分まで破壊され、激しい痛みや発熱を伴い日常生活にも大きな支障をきたします。

治療を受けられる方とは

陥没乳頭の治療を受けられる方は、これまで乳頭が陥没しているために周囲が汚れやすく、時々嫌な匂いがしたり、乳頭周囲炎を繰り返していた方や、一度出産した時に授乳で苦労したり、乳腺炎にかかった経験のある方などです。
しかし、最近は、整容的改善のために治療を希望される方が多くなってきています。これは女性が乳房や乳頭の形態に敏感になってきた事と、形成外科や美容外科に関する情報が普及してきた事などによるものですが、女性の結婚年齢の上昇に伴い、形態的コンプレックスが助長されるためでもあります。

当院の陥没乳頭治療の特徴

形成外科専門医が診察・治療・ケアまで一貫して行います。
極細の針を用いた痛みの少ない局所麻酔を行っています。
手術後の傷あとを目立ちにくくするために、細い糸を使用し、細かく丁寧な縫合を行います。
未婚の女性、これから妊娠・出産を考えている方は健康保険の適応となります。
手術時間は片側約30分で入院の必要はありません。

陥没乳頭の分類

Grade 1
陥没乳頭を簡単に徒手的に整復できるが、いずれまたもとに戻ります。

Grade 2
何とかピンセットなどで引き上げると整復できるが、離すと陥没します。

Grade 3
手術によらなければ乳頭は出てきません。

Grade 2 ・Grade 3 は治療の必要があります。

治療の流れ

予約

お電話でご予約ください。
保険診療ですが予約制で行っています。これにより待ち時間が少なく、他の患者さんとお逢いすることはあまりありません。

診察

患部を診察後、陥没乳頭のGradeを判断して、具体的な治療方法・治療後の通院回数や手術後のケアについて詳しく説明いたします。少しでもご不明な点がございましたらご遠慮なくご質問ください。

Grade 1の場合は1日数回吸入器を使用して乳頭を引きだす保存的治療で改善されます。
保存的治療で改善しない症例やGrade 2・3の場合は手術となります。

手術の場合の検査:血圧測定・感染症検査を行います。その後、手術日を決めていただきます。また、治療前の注意事項についての説明も行います。

手術方法

  • デザイン:切開する部位に印をつけます。
  • 局所麻酔:極細の針を使用するなど、痛みの軽減を目指した局所麻酔を行います。
  • 手術は短縮した乳管を伸ばしてやり、乳頭が出てくるようにします。
    この時重要な事は、将来、妊娠・授乳希望の患者さんの場合は乳管を温存しなければならない事です。しかし、非常に重症で乳管そのものが萎縮していると、手術により乳頭が出てきても授乳できない場合もあります。

●安静:手術後は30分程度、安静にしていただきます。

麻酔の効果がなくなると多少痛みを感じる場合がありますので、ご心配の方には 手術直後に痛み止めを服用していただきます。

●帰宅:安静後は、基本的に入院することなくそのままお帰りいただけます。

手術後のケア

  • 手術当日はシャワーや入浴はお控えください。
  • 翌日に受診していただき、患部をチェックします。
  • 翌日よりシャワー可能です。
  • 10日後に抜糸を行います。

術後の問題点

手術後の腫れ:手術後の腫れは、1週間程続く場合が多いです。
血腫:出血が溜まり血腫を生じると除去が必要な場合があります。
皮膚の中を縫合した糸の露出:抜糸を行います。
感染:抗生剤による治療を行います。

治療費

診療名  
保険診療  
片側 24,000円程
血液検査費 3,000円程
保険外診療(自由診療)  
片側 120,000円(税抜)
両側 200,000円(税抜)
血液検査費 15,000円(税抜)
初診料 2,500円(税抜)
消毒料(1回) 1,200円(税抜)
再診料(診察のみ) 500円(税抜)

陥没乳頭は40歳未満で今後授乳の予定がある方は、健康保険が適用となります。
それ以降の年齢の方は保険適応にはなりません。

保険外診療の場合は、治療費に麻酔料・お薬代は含まれています。

 

よくある質問

Q陥没乳頭ですが、そのままにしておいても大丈夫でしょうか?
A

陥没乳頭は、若い女性に多い疾患で、そのままでは授乳が困難となります。また、陥没している部分に汚れがたまり雑菌が繁殖すると、乳腺炎になることが多くなります。出産までの治療をオススメします。

Q陥没乳頭の原因はなんでしょうか?
A

乳腺というお乳をつくる器官と乳管というお乳が通る管に発育不全が起き、乳管が乳頭を引き込んでしまうために起こります。

Q陥没している乳頭を吸引して、外に出す吸引器でも陥没乳頭は治りますか?
A

マッサージして出てくる軽度の陥没乳頭の場合は 吸引器を使うことである程度の効果が期待できます。しかし、乳頭が出たとしても、しばらくして元の状態に戻ってしまう場合は、手術の適応となります。

Q普段はへこんでいる乳頭ですが、刺激を与えると出てきます。それでも治療は必要でしょうか?
A

軽度の陥没乳頭です。授乳が可能なこともありますが、乳腺炎になる可能性がありますので、治療を受けられたほうがいいでしょう。

Q陥没乳頭手術は健康保険の適用となりますか?
A

陥没乳頭は40歳未満で今後授乳の予定がある方は健康保険が適用となります。それ以降の年齢の方は保険適応にはなりません。

Q健康保険で陥没乳頭の手術をうけるときの本人負担分はどの程度ですか?
A

3割負担分の場合は片側で初診料・術前検査・麻酔料・処方料・手術料等で25000円程です。

Q手術には入院が必要ですか?
A

外来日帰り手術で行います。

Q手術を希望する場合、初診時にすぐ手術が受けられますか?
A

初診時の手術は行っておりません。診察して手術の適応がある場合は、術前検査を行い、手術日を決めます。

Q手術時間はどのくらいのかかかりますか?
A

手術時間は片側30分程度です。

Q手術中や手術後に痛みがありますか?
A

陥没乳頭の手術は局所麻酔で行われますで、手術中に痛みを感じることはありません。また、手術直後に痛み止めを服用していただきますので、痛みはわずかです。

Q傷跡は残りますか?
A

乳頭部は傷あとがわかりにくい部分ですので、傷あとで悩まれた方はおられません。

Q陥没乳頭の手術を受けても、授乳はできますか?
A

陥没乳頭は乳頭の形成不全が原因ですので、手術後形状は良くなっても、授乳がしにくい場合があります。また、手術により授乳の可能性は確実に高まりますが、すべての患者さんの授乳できるようになるかは保証は出来ません。

Q手術後、どのくらいしたら普通の生活ができるようになりますか?
A

手術後すぐに帰宅でき、翌日から患部を濡らさなければシャワーが可能です。
激しい運動はしばらく控えていただきますが、普通の生活に支障はありません。

Q再発することはありませんか?
A

軽度の場合は元に戻ることはありません。しかし、重度の陥没乳頭は、元に戻ることがあります。そのため当クリニックでは術後より再発予防のプロテクターの装着をお願いしています。

Q陥没乳頭の手術後、ブラジャーはできますか?
A

できます。特に乳頭を術後早期につぶさないようにプロテクターにて保護することが大切となります。

Q陥没乳頭の治療は何科で受けるのがいいですか?
A

陥没乳頭の患者さんは婦人科や乳腺外科を受診されがちですが、実際の治療は形成外科が行なっています。