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気になるお悩みや最新治療について、ぜひ参考になさってください。
黄色腫はなぜ皮膚科では治療してくれないの?
まぶたに薄い黄色の平たいふくらみが出てきた。鏡で見たときに「前より広がった気がする」「気になるけど、病院に行くほどではないかも」と思いながら、まず最初に皮膚科を受診する方はとても多いです。ところが、そこで言われることが
「様子を見てもいいと思います」
「気になるなら美容外科で相談してみてください」
この2つが非常に多いうようです。
ここで多くの患者さんが戸惑います。
「え?皮膚科の病気じゃないの?」「じゃあどこで治療できるの?」
この宙ぶらりんが一番つらい。
でも、それには理由があります。
黄色腫は病名としては皮膚科の守備範囲。でも制度上ジレンマがある
黄色腫は医学的には良性の脂質沈着です。皮膚科の教科書にも掲載されている「皮膚疾患」です。だから本来、皮膚科の病気という位置づけは間違いではありません。
しかし、日本の医療制度において、皮膚科は保険診療中心です。
黄色腫は「命に関わらない・痛みがない・放っても急激に悪化しない」ため、保険診療では積極的に治療を行う枠組みには入りにくいのです。
さらに、治療の主力となるレーザー治療や、美容的な見た目を改善するアプローチは、保険診療の範囲ではカバーしづらい領域です。皮膚科医の先生が「治療できない」のではなく「制度上・立場上・対応の優先順位として積極的に治療しにくい」領域である、というのが最も正確な理解です。
だから治療の橋渡しが途中で切れてしまう
皮膚科でこう言われると…
「治療したいなら美容外科で相談してください」
ここで患者さんは初めてネットで探す段階に入ります。ただ、黄色腫は一般的な美容医療の広告の中でもあまり表に出てこないテーマなので、「どこを選べば良いのかわからない」という状態が一番多い。
そして、ここで迷っているうちに数ヶ月〜数年放置してしまい「前よりも広がった」「写真に写るとわかる」「老けて見える」ことで、精神的なストレスが強くなる。
この流れが最も多いパターンです。
黄色腫は治療できます。でも治療場所を間違えると後悔しやすい
黄色腫はレーザーで治療できる時代になっています。
病変の範囲、厚み、位置に合わせて調整しながら治療することで、切らずに改善を目指すことができます。
ただし、これはどこでも同じ結果が出せるわけではありません。
まぶたは非常に薄く、微妙な深さと範囲の調整が必要な領域です。
削りすぎれば陥没や傷跡になる。
削らな過ぎれば再発する。
医師の経験値と技術が求められる分野です。
「皮膚科で治療してくれない」という言葉の本当の意味
それは
「黄色腫は、治療そのものが形成・美容外科の専門領域に近い」
という医療側の認識なのです。
皮膚科の医師が拒否しているわけではありません。
制度と診療体系の問題です。
だから、悩んでいる患者さんが悪いわけではありません。
早めに専門クリニックへ相談するのがベスト
黄色腫は自然に消える病変ではありません。
むしろ、ゆっくり広がると治療範囲が大きくなり、治療回数も増えることがあります。
気になり始めた段階で相談し、
「レーザー治療が適応かどうか」
まずそこを確認することが、結果として負担が少ない道になります。
当院では黄色腫に対してレーザー治療を中心に対応しています。
まずは診察で、治療可能な範囲、回数の目安、費用などをお伝えした上で、患者さんと一緒に方針を決めていきます。
「皮膚科で断られた」「様子を見てと言われた」
その状態から先へ進めず、悩みが止まっている方は多いですが、それは珍しいことではありません。
その宙ぶらりんの状態から一歩前へ進める場所を、まず見つけること。
それが、黄色腫治療の第一歩になります。




