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気になるお悩みや最新治療について、ぜひ参考になさってください。
逆さまつげで「どこにかかればいいか」迷う方は少なくありません
目がゴロゴロする、まつげが当たる感じがする、涙や充血が続く。
こうした症状があると、「逆さまつげかな?」とインターネットで調べる方が増えています。
そのときによく出てくるのが「眼科」と「形成外科」という二つの診療科です。
「まずは眼科?」「手術を受けるなら形成外科?」と迷われる方も多く、「結局どこに電話すればいいのか分からない」という声を外来でもよくお聞きします。
このページでは、逆さまつげに対して眼科と形成外科がそれぞれどのような役割を持っているのか、また、新潟市で受診する場合の流れについて分かりやすくご紹介します。
眼科で診てもらうとよいケース
まずは「目そのもの」の状態をチェックしたいとき
逆さまつげは、まつげが眼球に触れることで角膜(黒目)や結膜に傷や炎症を起こす病気です。
すでに強い痛みやまぶしさがある場合、まず大切なのは「角膜がどのくらい傷ついているか」「視力に影響が出ていないか」を確認することです。
次のような場合は、まず眼科での診察を受けていただくと安心です。
- 急に強い痛みやしみる感じが出てきた
- 片目だけ極端に充血している
- 視界がかすむ、にじんで見える
- 白目や黒目にキズのようなものがあると言われたことがある
眼科では、細隙灯(スリットランプ)という専用の顕微鏡で角膜や結膜を詳しく観察し、必要に応じて点眼薬や眼軟膏で炎症を抑える治療を行います。
コンタクトレンズや他の目の病気との関係を見てほしいとき
コンタクトレンズをお使いの方や、白内障・緑内障・ドライアイなど、もともと目の持病がある方では、逆さまつげだけが原因ではない症状が混ざっていることもあります。
そのような場合も、まずは眼科でトータルに目の状態を診てもらい、「逆さまつげがどの程度、症状に関わっているのか」を整理してもらうことが大切です。
形成外科で診てもらうとよいケース
まぶたの土台から治す「手術」が必要なとき
逆さまつげには、まつげを抜いたり、点眼薬で炎症を抑えたりする対症療法もありますが、根本的には「まぶたの向き」そのものを正しい位置に戻す必要がある場合が多くあります。
まぶたの皮膚・筋肉・靭帯といった「土台」のゆるみや形の変化が原因となっているときは、形成外科での治療をなります。
形成外科では、まぶたの解剖構造を理解したうえで、皮膚の切開や筋肉・靭帯の調整を行い、まぶたの位置やまつげの向きを整える手術を行います。
次のような場合は、形成外科への相談してください。
- 下まぶた全体が内側にめくれて、まつげが並んで眼球に当たっている
- まつげを抜いてもすぐ生えてきて、症状がくり返される
- 高齢になってから症状が徐々に強くなってきた(老人性眼瞼内反)
- けがや手術のあとから、まつげの生え方が変わった
見た目や左右差も含めて相談したいとき
形成外科では、まぶたの「機能」を改善することを大前提としつつ、「左右差をできるだけ少なくする」「傷あとを目立ちにくくする」といった見た目のバランスにも配慮して手術を行います。
「目の痛みを何とかしたいけれど、見た目が大きく変わるのは不安」という方も、まぶたの形や希望を含めて相談していただくことができます。
眼科と形成外科の役割分担のイメージ
眼科の役割
- 角膜や結膜の状態(傷、炎症)のチェック
- 視力検査やドライアイの評価
- 点眼薬や眼軟膏による炎症のコントロール
- 白内障や緑内障など、ほかの目の病気の管理
つまり、目そのものの健康状態を守り、逆さまつげによってどの程度ダメージが出ているか、全体像を把握するのが眼科の大きな役割です。
形成外科の役割
- まぶた(眼瞼)の形や向きの評価
- 逆さまつげの種類(睫毛内反、眼瞼内反、睫毛乱生など)の診断
- まぶたの皮膚・筋肉・靭帯を調整する手術
- 傷あとや左右差など、見た目も含めたバランスの調整
まぶたの「構造そのもの」を整えて、まつげが眼球に当たらない状態に戻すのが形成外科の役割です。
新潟で逆さまつげに悩んでいる方へ(
1. 形成外科でまぶたの診察を行います
やまもと形成外科クリニックでは、まず形成外科専門医が、まぶたとまつげの向き、皮膚や筋肉の状態を診察します。そのうえで、
- 経過観察でよい軽症例なのか
- まつげの抜去など対症療法が向いているのか
- 手術による根本的な治療が必要な状態なのか
といった点を整理して、ご本人に分かりやすくご説明します。
2. 提携眼科で目の表面や視力をチェックします
手術が必要と判断された場合や、角膜へのダメージが心配される場合には、当院の提携眼科に紹介し、
- 視力の変化
- 角膜の傷やびらんの有無
- ドライアイや涙の状態
- オキュラーサーフェス(眼表面)の評価
など、目そのものの状態を詳しく調べていただきます。
眼科と情報を共有しながら、手術のタイミングや方法を決めていきます。
3. 日帰り手術と術後フォロー
局所麻酔で対応できる大人の方や高齢者の方については、当院で日帰り手術を行っています。手術後も、必要に応じて眼科と連携しながら、傷の治り具合や角膜の状態を確認していきます。
乳幼児など、全身麻酔が必要な場合には、新潟大学形成外科や新潟市民病院形成外科など、全身麻酔・入院体制の整った病院をご紹介しています。
受診の目安とまとめ
逆さまつげで「眼科か形成外科か迷う」という方に向けて、最後に簡単にまとめます。
- 痛みや強い充血、視力低下が心配なときは、まず眼科で角膜の状態をチェック
- まぶたごと内側に入っている、まつげを抜いても再発する、といった場合は形成外科に相談
- 最終的には、眼科と形成外科が役割を分担しながら治療を進めていくのが理想的
新潟市にあるやまもと形成外科クリニックでは、逆さまつげに対して眼科とも連携しながら、患者さん一人ひとりに合った治療方法をご提案しています。
「自分はまずどこにかかればいいのだろう」と迷っている方は、受診前に悩みすぎてしまうよりも、一度ご相談いただければと思います。現在の状態を一緒に確認し、眼科や連携病院も含めて、最適な受診先や治療の流れをご説明いたします。




