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ワキガ手術のダウンタイムはどのくらい?仕事復帰の目安と注意点を医師が解説
ワキガ手術で気になるのは術後の過ごし方
ワキガ手術を考えたとき、多くの方が気にされるのが術後のダウンタイムです。手術そのものよりも、どのくらい仕事を休む必要があるのか、日常生活にどの程度支障が出るのかを不安に思う方は少なくありません。
ワキガ手術では、術後の管理がとても大切です。
傷ができるだけでなく、皮膚の下に血液がたまる血腫を防ぐ必要があるため、術後しばらくは安静が必要になります。
傷痕だけで判断できるものではなく、術後の固定や生活制限も含めてダウンタイムと考えた方が、術後の負担をイメージしやすいと思います。
ダウンタイムが必要になる理由
血腫を防ぐ必要があるため
ワキガ手術では、アポクリン汗腺を除去したあとに、皮膚の下にすき間ができやすくなります。この部分に血液がたまると血腫になり、腫れや痛みが強くなるだけでなく、傷の治りにも悪影響が出ることがあります。
そのため、術後はできるだけ皮膚の下に血液や浸出液がたまらないように管理する必要があります。この時期に無理をして動きすぎると、出血や血腫が起こりやすくなり、傷の治りに悪い影響が出ることがあります。
固定とドレーンが必要になるため
血腫を防ぐために、術後はドレーン留置やタイオーバー固定を行うことがあります。
ドレーンは、術後にたまった血液や浸出液を外に出すための管のようんあもので、一般的には術後2日目に抜去します。タイオーバー固定は、ガーゼを圧迫した状態で固定し、皮膚と下の組織を密着させるための方法で、こちらは術後5日目ごろに除去することが多いです。
この間は脇を大きく動かしにくくなり、安静が必要になります。術後の数日間は、見た目以上に不自由さを感じることがあります。
実際のダウンタイムはどのくらいか
術後1日目から2日目
この時期がもっとも安静が必要な時期です。ドレーンが入っていることもあり、腕を大きく動かすのは避けた方が安全です。出血や血腫の予防が最優先になります。
術後3日目から5日目
ドレーンは抜去されますが、タイオーバー固定はまだ残っています。そのため、引き続き脇の動きには制限があります。見た目は少し落ち着いても、まだ無理をしてよい時期ではありません。
術後5日目以降
タイオーバー固定が除去されると、少しずつ動きやすくなります。ただし、つっぱり感や違和感が続くことは珍しくありません。日常生活は徐々に戻せますが、急に普段通りに動くのではなく、少しずつ再開することが大切です。
術後1週間から2週間
軽い日常生活にはかなり戻りやすくなります。ただし、腕を大きく上げる動作、重い物を持つ動作、運動などはまだ慎重に考えた方がよい時期です。
テーピングによる負担もある
ワキガ手術のダウンタイムでは、傷の痛みだけでなく、テーピングによる不快感も意外に無視できません。ガーゼを固定するテープは、腕を動かすたびに引っ張られやすく、その刺激で皮膚が赤くなったり、かゆくなったりすることがあります。
その結果、テープかぶれ、赤み、かゆみが出ることがあります。特に脇は汗や摩擦の影響を受けやすい部位なので、動きすぎるとこうした症状が強くなりやすいです。術後は傷を守る意味でも、皮膚トラブルを防ぐ意味でも、安静を守ることが大切です。
片側ずつ手術を行うことがある理由
ワキガ手術では、ダウンタイムによる日常生活の制限を少しでも軽くするため、片側ずつ手術を行うことがあります。私のクリニックでも、手術は片側ずつ行っています。
両側を同時に手術すると、両脇に固定が入るため、腕の動きが大きく制限されます。着替え、洗髪、食事、排泄などの日常動作も不便になりやすいため、術後の負担を分散し、生活への影響を抑える目的があります。
さらに、片側ずつであれば、術後経過をみながら反対側の手術時期を調整しやすいという利点もあります。
仕事復帰の目安
デスクワークの場合
腕を大きく使わない仕事であれば、数日から1週間程度で復帰を検討できることがあります。ただし、通勤や着替えの負担もあるため、無理のないスケジュールにした方が安心です。
腕を使う仕事や力仕事の場合
介助、運搬、清掃、美容、調理など、腕をよく使う仕事では、もう少し慎重に考える必要があります。固定が外れたあとも、急な動作や反復動作で負担がかかることがあるため、1週間以上は余裕をみることが多いです。
まとめ
ワキガ手術のダウンタイムは、何日で終わると簡単に言い切れるものではありません。術後2日目ごろまではドレーン管理、5日目ごろまではタイオーバー固定が必要になることが多く、その間は特に安静が重要です。
また、テーピングによる不快感や、日常生活の不便さもダウンタイムの一部です。さらに、両側同時の手術では生活への影響が大きくなるため、片側ずつ行うことが選ばれる場合もあります。
大切なのは、傷の大きさだけでダウンタイムを判断しないことです。術後にどのような制限があるのかを事前に理解し、仕事や生活の予定を調整したうえで手術を受けることが、術後の後悔を減らすことにつながります。
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