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ワキガと多汗症は違う?
においと汗の関係を医師が解説
脇の汗やにおいが気になって受診される患者さんの中には、
自分はワキガなのか、それとも単なる汗っかきなのか分からない
という方が少なくありません。
実際、ワキガと多汗症は混同されやすく、インターネット上でも同じように扱われていることがあります。
しかし、この2つは似ているようで原因が異なります。
また、治療の考え方も少し違います。
今回は、ワキガと多汗症の違い、そして汗とにおいの関係について分かりやすく説明します。
ワキガとは何か
ワキガは、医学的には腋臭症と呼ばれます。
脇の下にあるアポクリン汗腺という汗腺から出る汗が、皮膚の細菌によって分解されることで独特のにおいが発生します。
実際には、汗そのものが強いにおいを出しているわけではありません。。
アポクリン汗腺から出る汗には脂質やタンパク質が含まれており、それが皮膚表面の細菌と反応してにおいになります。
つまり、ワキガは単なる汗の量の問題ではなく、汗の性質と体質が関係しています。
多汗症とは何か
多汗症は汗の量が多い状態です。
緊張したときだけではなく、日常生活でも大量の汗が出ることで困る病気です。
脇だけでなく、
・手のひら
・足の裏
・顔
などに症状が出ることもあります。
多汗症で問題になるのは、主に汗の量です。
服が濡れる
汗ジミが気になる
手汗で書類やスマートフォンが扱いにくい
こうした悩みが中心になります。
ワキガと多汗症は別の病気
ワキガと多汗症は、よく似ているようで別の病気です。
ワキガ→ においの問題
多汗症→ 汗の量の問題
この違いがあります。
ただし、実際には両方を合併している方も少なくありません。
汗の量が多いと、細菌が繁殖しやすくなり、結果としてにおいも強く感じやすくなります。
そのため、
汗が多い=ワキガ
と思われがちですが、必ずしもそうではありません。
汗が多くても、ワキガ特有のにおいがほとんどない方もいます。
逆に、汗の量はそれほど多くなくても、においが強い方もいます。
においは汗だけでは決まらない
患者さんの中には、
汗をかくからにおう
と思っている方も多いのですが、実際にはそれほど単純ではありません。
においには、
・アポクリン汗腺の量
・皮膚の細菌
・生活習慣
・体質
など、さまざまな要素が関係しています。
また、本人は強く気にしていても、医学的には軽度というケースも少なくありません。
逆に、自分では気づいていなくても、周囲が気づいている場合もあります。
においの問題は非常に主観的で、診察では実際の状態を客観的に確認することが重要になります。
耳垢との関係
ワキガの特徴としてよく知られているのが、耳垢との関係です。
湿った耳垢の方は、アポクリン汗腺が発達している傾向があり、ワキガ体質であることが比較的多いと言われています。
ただし、湿った耳垢だから必ずワキガというわけではありません。
逆に、耳垢だけで診断できるものでもありません。
あくまで体質を考える一つの参考です。
治療の考え方も違う
ワキガと多汗症では、治療の考え方も異なります。
多汗症では、
・制汗剤
・外用薬
・ボトックス注射
などで汗を減らす治療が中心になります。
一方、ワキガでは、
・においの程度
・生活への影響
・本人の悩み
などを考慮しながら、必要に応じて手術を検討します。
ただし、においの感じ方には個人差が大きく、軽症例では手術をおすすめしないこともあります。
手術だけが正解ではない
最近はネットの情報も多く、においが気になるなら手術 と思われがちです。
しかし、実際には軽度のケースも多く、日常的なケアで十分対応できる方も少なくありません。
制汗剤や衣類の工夫だけで改善する場合もあります。
そのため、診察では、
本当に手術が必要なのか
どの程度困っているのか
を丁寧に確認する必要があります。
まとめ
ワキガと多汗症は似ているようで異なる病気です。
ワキガはにおいの問題、多汗症は汗の量の問題ですが、実際には両方が関係していることも少なくありません。
また、においの感じ方には個人差があり、本人の悩みの大きさもさまざまです。
気になる場合は、一人で悩まず、まずは状態を確認することが大切です。
診察を受けることで、
ワキガなのか
多汗症なのか
どの程度の治療が必要なのか
が整理しやすくなります。
必要な方に適切な治療を行うことが、もっとも重要だと考えています。
腋臭症(ワキガ)の保険診療・皮弁法について
保険診療の考え方や手術方法について、分かりやすく解説しています。





