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気になるお悩みや最新治療について、ぜひ参考になさってください。
「アイプチをやめたい」と思う瞬間
朝、鏡の前に立ってまずするのがアイプチ。
片目がうまくいかなくて、時間だけが過ぎていく。
「一度アイプチを始めると、やめられない」
外来で学生さんと話していると、よく出てくる言葉です。
・すっぴんだと別人に見える気がする
・アイプチをしないと、人前に出るのが不安
・写真を撮るときは、いつも二重を気にしている
アイプチ自体は悪いものではありません。
お試し二重として、自分の似合うラインを探すにはとても役に立ちます。
ただ、何年も続けていると、まぶたの皮膚や気持ちの負担が少しずつ蓄積していきます。
その「やめどき」と「次の選択肢」としての埋没法について説明します。
アイプチ・アイテープを長く続けることで起こりやすいこと
アイプチ・アイテープを続けている学生さんのまぶたを診ていると、共通する変化があります。
・まぶたのかぶれ(赤み・かゆみ・ヒリヒリ感)
・皮膚がゴワゴワして、細かいシワが増えて見える
・色素沈着によるくすみやシミのような色むら
・皮膚が厚ぼったくなり、うっすら線が何本もついている
毎日、同じ場所に接着剤やテープを貼り、
うまくいかなければ何度もやり直し、
オフのときに強くこすって落とす。
この繰り返しは、どうしてもまぶたの皮膚に負担をかけます。
「昔よりアイプチが決まりにくくなった」と感じている方の中には、
まぶたの皮膚が厚くなったり、ハリがなくなってきた場合もあります。
アイプチそのものが悪いわけではありません。
短期間の道具として使う分には良いアイテムです。
問題は、「やめられないまま何年も続いてしまう」ことです。
アイプチで「すぐ二重ができる人」と「なかなかできない人」
外来で、アイプチを使っている学生さんには必ずこう聞きます。
「アイプチ、すぐ二重できますか?
それとも、なかなかラインがつかなくて苦労しますか?」
実は、ここには埋没法との相性のヒントが隠れています。
・アイプチで簡単にいつも同じ二重が作れる
→ もともとまぶたが薄めで、二重のクセがつきやすいタイプ
・頑張ってもなかなかラインがつかない
→ まぶたが厚い、脂肪が多い、蒙古ひだが強い などのタイプ
経験上、
アイプチですぐ同じ二重が作れる方は、埋没法でも比較的きれいにラインが出やすいことが多いです。
逆に、
「毎日アイプチをしても、夜にはすぐ戻ってしまう」
「どんなアイプチを使っても、理想のラインができにくい」
という方は、埋没法でも希望どおりのくっきり平行二重にするのが難しい場合があります。
もちろん、これはあくまで目安であり、診察してみないと断定はできません。
ただ、
「アイプチで全然うまくいっていないのに、手術なら必ず理想どおりになる」
というわけではない、という点は知っておいてほしいところです。
「二重にしたい気持ち」が一時的か、ずっと続いているか
もう一つ大事なのは、気持ちの継続期間です。
・最近 SNS を見て急に二重にしたくなった
・友だちが二重手術をして、焦りを感じている
こういった「一時的な波」のような気持ちは、しばらくすると落ち着くこともあります。
一方で、
・中学生のころから何年も二重へのあこがれが続いている
・アイプチ生活がすでに数年続いている
・写真を見るたびに「やっぱり二重にしたい」と思う
という場合は、「ずっと続いている気持ち」です。
医師としては、
・その場の勢いだけで決めてしまう場合よりも
・何年も悩みながら、自分なりにアイプチやメイクで工夫してきたケースの方
が、埋没法の検討をされても良いかと思います。
埋没法に向く学生さん/いったん見送った方がいい学生さん
学生さんの外来で感じる、「埋没法に向くタイプ」と「少し立ち止まってほしいタイプ」を、あくまで一つの目安として挙げてみます。
埋没法に向きやすい学生さん
・二重にしたい気持ちが何年も続いている
・アイプチ生活が負担になってきている(時間・皮膚の状態)
・仕上がりに対して、ある程度現実的なイメージを持てる
(芸能人の写真そのままではなく、「自分の目に合う範囲」を考えられる)
・家族や信頼できる人とも話し合えている
・メンタルが大きく不安定ではなく、手術のメリット・デメリットを理解できる
いったん見送った方がいいかもしれない学生さん
・「友だちがやったから」「彼氏に勧められたから」など、他人主導の動機が大きい
・最近急に気になり出しただけで、まだ気持ちが揺れている
・SNS の写真を見て、「同じ顔になりたい」と強く思いすぎている
・摂食障害や気分の波など、メンタル面で不安定さが強い
・費用の負担について、家族とまったく話し合えていない
手術そのものは数十分で終わりますが、二重と付き合っていくのはその後の何年、何十年です。
「今すぐやらないと遅れる」というものではありません。
不安が強いときは、あえて“いったん保留”という選択も十分ありです。
長年アイプチを続けるなら、埋没法という選択肢
アイプチを長く続けている学生さんを診ていると、
・毎朝のメイク時間が長くて、いつもバタバタしている
・アイプチがうまくいかない日は、一日中気分が落ち込む
・すっぴんとメイク時の差が大きくて、人前で素顔を見せられない
といった悩みを抱えていることが多いです。
診察室でこうした話を聞き、まぶたの皮膚の状態を見たうえで、
私自身は
「このまま何年もアイプチを続けるくらいなら、条件が合えば、埋没法を一度きちんと検討した方がいい」
とお伝えすることがあります。
・アイプチで毎日同じラインが簡単に作れる
・まぶたが薄めで、ラインも決まりやすい
こういう方は、埋没法で現実的な二重を作りやすいタイプです。
もちろん、
「必ず手術をした方がいい」という意味ではありません。
アイプチを卒業する選択肢の一つとして、
・まぶたの皮膚をこれ以上痛めない
・毎日のメイク時間とストレスを減らす
という意味で、埋没法を考えてみる価値はある、という位置づけです。
今すぐ手術しなくてもできること
埋没法に興味はあるけれど、まだ決断まではいかない、という学生さんも多いと思います。
そういう場合に「今すぐ手術をしないでできること」を、いくつか挙げておきます。
・アイプチの使用頻度を少し減らしてみる(毎日→イベントの日中心に)
・クレンジングのときに、まぶたをこすりすぎないよう意識する
・保湿をしっかりして、まぶたの皮膚を整えておく
・メイク動画などを参考に、アイライナーやアイシャドウでの“錯覚テク”も試してみる
・一度カウンセリングだけ受けて、自分のまぶたの状態と選択肢を知っておく
診察を受けたからといって、必ず手術をしなければいけないわけではありません。
「自分の目で見て、話を聞いて、それから決める」
そのプロセス自体が、落ち着いた判断につながります。
まとめ:アイプチ卒業は「手術ありき」ではなく、自分のペースで
アイプチは、うまく使えば心強い味方です。
一方で、「やめられないまま何年も続けてしまう」と、
まぶたの皮膚にも、心にも負担がかかってきます。
・二重にしたい気持ちがずっと続いているか
・アイプチで簡単にラインが作れるタイプかどうか
・自分のまぶたに埋没法が向いているか
・今のタイミングで本当にやりたいのか
このあたりを一度整理したうえで、
埋没法を「アイプチ卒業の一つの選択肢」として考えてみてください。
やるか・やらないか、どちらが正解ということはありません。
ただ、「やるなら慌てずに準備してから」「やらないなら、それも一つの立派な選択」と言える状態でいてほしいと思います。
そのうえで、もし具体的に相談したくなったときは、
アイプチの歴史も、今の気持ちも含めて、遠慮なく話してもらえれば大丈夫です。
医師として、学生さんそれぞれに合ったペースで考えるお手伝いができればと思っています。
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