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受診当日に手術は受けない――見積もりは何度でも確認を。セカンドオピニオンと「複数院受診」を当たり前に
はじめに
「予約の勢いでそのまま手術してしまった」「当日しか使えないと言われた割引に焦って選んだ」――埋没法の相談で、こうした声を少なからず耳にします。結論から言えば、受診当日に手術を受けないこと、見積もり金額を何度でも確認すること、セカンドオピニオンを取り、可能であれば複数のクリニックを受診して比較することは、患者さんの権利であり安全策です。
医療側の立場から、なぜ当日施術を避けるべきか、見積もりの見方、セカンドオピニオンの受け方、複数院比較のポイントまで、丁寧にお話しします。
なぜ「当日施術」をおすすめしないのか?
初めての受診は緊張し、情報量も多くて疲れます。
そこに「今日だけの特典」「今決めたほうが腫れにくい」といった言葉が加えられると、冷静な比較が難しくなります。第二に、スケジュールの逆算が甘くなりがちだからです。面接、撮影、試験、職場の繁忙期など、ダウンタイムは生活に直結します。第三に、デザイン決め(幅や形)と、その確認の打ち合わせには時間が必要です。幅や形、どれくらいくっきり見せるか(食い込み)、目頭側のラインの出方、あなたに合う方法(瞼板法/挙筋法など)、留める数や糸の通し方――こうしたポイントが自分の顔に現実的かどうかは、いったん家で鏡を見ながら落ち着いて考える時間が必要です。医療は“その場の勢い”で決めるものではありません。診察時には急いで決めずに一度持ち帰ることが大切です。
見積もりは“総額”で何度でも確認する
見積もりは手術料だけでなく、麻酔、針や糸の使用料、術後の薬代、再診料、保証の条件と再手術時の自己負担まで含めた総額で比べてください。
最低価格で呼び込み、当日にオプションを積み上げて高額化するケースや、「高級糸」「極細針」など材料名でアップグレードを勧めるケース、保証の但し書きが小さく実際の適用が狭いケースはよくある落とし穴です。
その場では「この金額は総額か、追加費はあるか」「材料変更でいくら上がり、その理由は何か」「保証の期間・対象・再手術の自己負担」「今日だけ価格なら明日はいくらか」「見積書を持ち帰れるか」を確認しましょう。総額を出さない、急がせる、見積もりの持ち帰りや撮影を嫌がる、医学的説明が薄い—こうした点が気になったら、今日は判断を保留し、見積書を持ち帰って見直してください。
他のクリニックでも同じ条件で尋ね、納得できるまで同じ質問を繰り返して構いません。総額が明確で質問に丁寧に答える院が、信頼の入口です。
セカンドオピニオンは遠慮ではなく、標準の手順
医療は一つの正解しかない世界ではありません。医師ごとにデザイン、得意な術式、リスク許容の幅が違います。だからこそ、別の医師の見立てを聞くことは合理的です。セカンドオピニオンで確認したいのは、①希望幅の現実性(似合う範囲)、②術式の選択理由(瞼板法/挙筋法)、③点数の意味と限界、④切開を含む代替案の提示、⑤ダウンタイムと再手術の考え方、の五点です。。大切なのは、「前医の提案を否定してください」ではなく、「別の視点を添えてください」という姿勢です。持参物は、前医の見積書・問診票の控え(可能なら)・普段の顔写真(正面/斜め/笑顔)・希望イメージ(過度な加工は避ける)。これだけで議論の質が上がります。
埋没法は当日手術をしない——総額比較とセカンドオピニオンで納得して選ぶ
比較は主観だけだとブレます。あらかじめ次のような項目を簡単に書いておいて確認しながら説明を聞きましょう。
比較表の項目例
・推奨デザイン:末広/平行/平行気味
・幅:狭・中・広(できれば○mmで)
・術式と理由:瞼板/挙筋/ループ(なぜそれ?)
・留める数(点数):2・3・4か所(理由)
・ダウンタイム:当日/1週/4週の目安
・総額:施術+麻酔+材料指定+薬+再診+保証
・保証:期間・条件・再手術費
「生涯保証」をうたうクリニックもありますが、担当医は数年ごとに異動・退職で代わることがあり、クリニック自体も将来にわたり継続するとは限りません。
したがって、「生涯保証」のために追加料金を支払うことはおすすめしません。
・印象:説明の分かりやすさ/圧力の有無/質問への態度
判断軸(その場チェック)
・説明が一貫:言い方を変えても答えの筋が同じ?
・不確実性を言語化:「できる/できない/やらない」と理由を明確に言える?
・リスク説明が具体:腫れ・内出血・感染・糸露出の対応と費用まで話せる?
・押し売りなし:「今日は持ち帰ります」で態度が変わらない
・術後フォロー明確:再診の頻度・連絡手段・保証で何が無料/有料か分かる?
以上の項目の結果をもとに、手術を受けるかどうかを決めても遅くなりません。
当日“高いプラン”を勧められた時の断り方
・今日はカウンセリングだけを希望します。手術は後日に検討します。
・総額を確認したいので、見積もりの内訳をもう一度お願いします。
・差し支えなければ、私のまぶたの条件に照らした医学的メリットを、具体的にご説明いただけますか。
・家族(または上司/学校)とスケジュールを調整します。持ち帰って検討させてください。
・明日以降に同じ条件でお願いする場合の金額を教えてください。
・セカンドオピニオンを受けてから最終決定します。
穏やかで、しかし主導権はあなたの側にある表現です。練習しておくと心がぶれません。
「時間を置く」ことの医学的メリット
二重の見え方は、時間帯・メイク・むくみ(睡眠不足や塩分・生理前など)で変わります。写真だけで判断せず、鏡で正面・斜め・まばたき・笑顔まで確認し、日常の自分に馴染む幅かを見てから決めましょう。その場での即決は避けるのが安全です。
広告と言葉のマジックを見抜く
「取れにくい」「自然」「腫れにくい」――耳当たりの良い言葉は、条件がそろったときには真実です。しかし、万能ではありません。とくに「留める箇所の数=品質」や、材料名=劇的に優れているといった短絡は要注意です。。埋没法の本質は、皮膚と深部の連結をどうつなぎ合わせるか、そして丁寧な操作と術後の扱い方にあります。料金表の見た目の差は目安にすぎません。大切なのは方針と誠実な説明です。
当院の方針(他院との違い)
・当院は「点」で止めるのではなく、複数の糸をループ状に連続させる「面」でまぶたを支える方法を行っています。2本の糸同士を交差させ、ライン全体を一体化させるこ
とで、自然さと持続性の両立をねらいます。
・料金は一つ:材料指定や術後薬での上乗せなし。
・見積もりは総額で提示:術式・留める数・麻酔・薬・再診・保証まで含めて説明します。
・即日手術を急がせません:スケジュールと二重幅のデザインご自宅で見直してください。
・限界も先に話します:適応外・戻りやすさ・左右差の可能性も具体例を説明します。
・当院にはカウンセラーはおりません。院長である私が、説明・診察・手術・術後ケアまで一貫して担当します。。
・セカンドオピニオン歓迎:他院の見積書と比較し、同じ点や違う点をわかりやsく説明します。
おわりに
当院は、点数や材料名で料金が跳ね上がることはしていません。カウンセリングだけの受診、見積もりの持ち帰り、セカンドオピニオンのための来院などすべて歓迎します。あなたの顔に長く寄り添う二重を、慌てず、納得して、一緒に選びましょう。
迷われた場合は、あわせて決めずに一度考えてから受診されてください。説明は納得されるまで、何度でもいたします。