ブログBlog
気になるお悩みや最新治療について、ぜひ参考になさってください。
粉瘤手術は日帰りできる?時間・痛み・流れ――形成外科が術後ケアまでていねいに解説
「粉瘤の手術って入院が必要?」「どのくらい痛い?」「仕事はいつから再開できる?」――受診前の不安は尽きません。
当院の粉瘤手術は日帰り・局所麻酔で行います。所要時間は目安30分、大きいものでも45分前後です。
麻酔の針が少し痛む以外、手術中の痛みは基本ありません。
この記事では、来院から術後フォローまでの具体的な流れ、痛みの実際、傷跡を小さく保つコツ、注意点を形成外科の視点でわかりやすくまとめます。
多くの粉瘤は日帰り・局所麻酔で十分
粉瘤は袋(嚢胞)を丸ごと摘出すれば根治が期待できます。全身麻酔や入院が必要なことは稀で、ほとんどは局所麻酔で安全に手術を行っています。
・標準的な大きさ:30分前後です。
・大きい/癒着が強い:〜45分程度です。
・麻酔:最初の注射がチクッとしますが、術中は痛みを感じないようコントロールします。
適応と例外:炎症が強いときは二段階で
赤く腫れて強く痛む、膿がたまっている――こうした炎症期は、まず切開排膿で圧と痛みを下げ、その後に袋ごと摘出します(二段階治療)。無理に一度で取り切ろうとすると袋が破れ、取り残しや再発、傷跡が大きくなるリスクが上がるためです。
予約から術後までのスケジュール
1)予約
2)診察(視触診・触診)→適応判断と説明
3)手術前検査(既往や内服薬の確認、必要に応じ採血など)
4)手術(局所麻酔・日帰り)
5)術翌日の創部確認
6)抜糸:術後7〜10日(部位・張力で変動)
7)1か月後に傷跡の確認(以降も必要に応じてフォロー)
手術当日の流れ:受付から帰宅まで
・受付/最終説明:同意書の確認。緊張が強い方には深呼吸のタイミングを合わせます。
・マーキングと麻酔:皮膚のしわ(皮膚割線)に沿って切開線をデザインし、細い針で局所麻酔をします。
・摘出:嚢胞壁を破らないように全周を丁寧に剥離し、袋ごと摘出し、必要に応じて止血確認します。
・縫合:真皮内縫合(なか縫い)→表層は細い糸で縫合して、段差や寄れを最小化します。
・病理検査へ提出:当院は全例病理で確定診断します。
・ガーゼ固定と説明:創部の扱い、痛み止めの飲み方、入浴のタイミングなどをご説明。
・ご帰宅:歩いてお帰りいただけます(顔や体幹の小病変では運転を避けると安心)。
痛みについての本当のところ
・術中:麻酔が効けば痛みは感じません。万が一の違和感はすぐ追加麻酔を行います。
・術後:ズキズキする痛みは当日〜翌日がピーク。鎮痛薬を処方しますので、服用されてされえください。
・腫れと内出血:部位によっては一時的に出ますが、数日〜1週間で改善します。
【形成外科の工夫:傷跡を小さく美しく】
・皮膚割線に沿った切開で目立ちにくく。
・嚢胞壁を破らない全周剥離で再発を予防。
・真皮内縫合+細糸で表層の段差と縫合痕を最小化。
・術後はテーピング指導、必要に応じシリコンジェルや紫外線対策をご案内。
当院の特徴は、摘出だけで終わらせず、術後の傷跡の経過とケアを丁寧に説明することです。
同じ「取る」でも、説明とケアで仕上がりは変わります。
【術翌日〜抜糸〜1か月:過ごし方の目安】
・シャワー:当日〜翌日から短時間で可(創をこすらず優しく洗い流す)。長湯・サウナは1週間程度お控えください。
・ガーゼ交換:1日1〜2回。濡れたら早めに交換し清潔にしてください。
・仕事・運動:デスクワークは翌日〜、軽運動は抜糸後、汗をかくスポーツは創の安定を見て段階的に行てください。
・飲酒:数日控えると腫れが出にくいです。
・抜糸(7〜10日):糸を外してテープ固定します。
・1か月後:瘢痕の赤み・硬さをチェックし、必要に応じテーピングや傷跡クリームをお勧めします。
【合併症とリスクも率直に】
ゼロにはできませんが、説明と対応で最小化します。
・出血/血腫:圧迫・安静で軽快することが多いです。
・感染:赤み・痛み・滲出が増える場合は早めに受診されてください。
・再発:嚢胞壁の取り残しで起こり得ます。全周確認と丁寧な剥離で再発を抑えます。
・しびれ/色素沈着/瘢痕肥厚:部位特性と体質により異なりますので、ケアでお教えします。
・病理で別疾患:稀に粉瘤以外が見つかることがあり、結果に応じて適切にご案内します。
よくある質問Q&A
Q. 当日、車の運転はできますか?
A. 局所麻酔が切れるまでは違和感が残ります。可能なら運転は控えるのがおすすめ。
Q. お風呂はいつから可能ですか?
A. 翌日からシャワー可。長風呂・サウナは1週間程度控えましょう。
Q. 仕事はいつ復帰できますか?
A. デスクワークは翌日〜。重い物を持つ仕事や汗をかく作業は抜糸後に段階的に行てください。
Q. 顔の粉瘤の手術後化粧はいつからできますか?
A. 創部を避けた軽いメイクは翌日以降。テープは清潔を優先、イベント前は個別にご相談ください。
Q. 糖尿病や抗凝固薬内服中でも可能ですか?
A. 事前にコントロールと内服の調整を確認し、安全域を確保して実施します。主治医と連携する場合があります。
費用と保険
多くの粉瘤手術(切開排膿/摘出/病理)は保険適用です。サイズ・部位・通院回数で前後するため、診察時に個別見積りをお出しします。病理検査は診断の確定と安心のため当院では全例提出しています。
当院が大切にしていること
私は形成外科医として、「取って終わり」ではなく、
・術前に仕上がりの見通しを共有すること
・術後に具体的なケア手順をお渡しすること
・1か月後に傷跡を一緒に評価し、必要なフォローを提案すること
を徹底しています。これが、当院が他院と少し違うと自負している点です。
受診の目安
・しこりが徐々に大きくなっている
・赤み・痛み・においが出てきた、繰り返す
・顔や首など目立つ場所で傷跡が心配
・過去に再発を繰り返している
こうした場合は、早めにご相談ください。炎症がない落ち着いた時期の計画的な摘出が、痛み・腫れ・傷跡・再発のすべてにおいて有利です。
まとめ
粉瘤手術は、当院では日帰り・局所麻酔で可能です。**30分前後(大きい場合は〜45分)**が目安で、術中の痛みは基本なし。術翌日に創部確認、7〜10日で抜糸、1か月後に傷跡チェックという流れで、仕上がりまで伴走します。形成外科としての丁寧なデザインと縫合、そして術後ケアの徹底が、再発を抑えつつ傷跡を最小限にする近道です。先延ばしにせず、一緒に最適なタイミングと方法を考えていきましょう。
関連記事
1. 粉瘤(アテローム)の「くりぬき法」を形成外科で行わない理由|再発予防と仕上がりを重視した治療
日帰りだからこそ、再発させない確実な術式を。当院が仕上がりにこだわる理由を解説。
2. 粉瘤の「くりぬき法」と標準摘出はどちらが良い?再発リスクと傷跡を形成外科が解説
手術前に知っておきたい「傷跡の残り方」。術式によるメリットとデメリットを比較。
3. 粉瘤(アテローム)のよくある質問Q&A|形成外科と皮膚科どちらで治療すべき?
「手術はどこで受けても同じ?」そんな疑問に回答。専門医による治療の重要性を紹介。
粉瘤治療のご案内
「そのしこり、粉瘤(アテローム)かもしれません」 当院では形成外科専門医がしこりの性質を正しく診断し、再発リスクを最小限に抑えつつ、傷跡をきれいに治すための最適な術式をご提案します。
「以前、他院で処置したけれど再発してしまった」というご相談も多くいただいております。無理な勧誘はございませんので、まずは気軽にご相談ください。
▶ ご相談・ご予約はこちらから
あわせて読みたい決定版ガイド
再発のリスクや傷跡の仕上がりに不安を感じていませんか? 数多くの症例に向き合ってきた形成外科専門医が、くりぬき法と標準摘出の違いから、術後の経過、痛み対策までを徹底解説。新潟で後悔しないための粉瘤治療のすべてを、こちらの記事に凝縮しました。
【粉瘤(ふんりゅう)治療ガイド】再発させない、きれいに治すための専門記事まとめ
クリニックからのお知らせ
当院で行っている粉瘤手術の具体的な流れや費用(保険診療)、リスクについては、ホームページの「粉瘤(アテローム)摘出手術」ページにて詳しくご確認いただけます。形成外科専門医が、再発予防と仕上がりの美しさを両立した治療をご提案します。
▶ 粉瘤(アテローム)摘出手術について詳しくはこちら(公式サイトへ)





