ブログBlog
気になるお悩みや最新治療について、ぜひ参考になさってください。
他院で受けた二重埋没法のやり直し|取れかけ・左右差・ライン変更で迷ったときの考え方
他院埋没の相談は、結論を急がない
「数年前に他院で二重埋没法を受けました。最近、ラインが薄くなってきた気がします」「左右差が気になって仕方ありません」「幅を変えたいのですが、戻せますか?」——こうした声は、いま非常によく耳にします。
埋没法は、糸でまぶたの内側と外側の組織をつなぎ、折り込みの癖をつくることでラインを形成する手術です。切開をしないため一見シンプルに思えますが、糸のテンション、留める層、糸の走行、結び目の位置、まぶたの厚みや皮膚の強さなど、細かな設計の積み重ねで成り立っています。
だからこそ「やり直し」の相談は、その日に手術を決めるためのものではありません。まずは、今のまぶたの状態を確認して、できることと難しいことを整理するための相談です。ここを飛ばして勢いで決めてしまうと、気持ちもお金も無駄に消耗しやすくなります。
「取れかけ」「薄くなってきた」と感じるときの正体
「まぶたの変化」と「糸のゆるみ」は、ほぼ同時に起きていて、実際はこの2つが混ざっていることがほとんどです。
患者さんの多くは「糸が外れた=二重が取れた」と直線的に考えていますが、実際はそう単純ではありません。ラインが変化する背景には、ほぼ必ず次の2つが重なっています。
まぶた側の変化
-
体重の増減で脂肪量が変わった
-
アイメイクやアイプチで皮膚をこする癖があった
-
目を開ける筋肉の力が年齢とともに少し変わった
-
アレルギーやむくみの影響で夕方のラインが変わる
糸側の変化
-
糸のテンションが年月で少しゆるんできた
-
部分的に糸がかけた層から伸びてきた
-
1点だけ外れているが、残りで維持している
-
ループの長さが層の変化で変わった
つまり「糸が外れた」のではなく、「まぶたが変わったから糸が効きにくく見えている」「部分的に糸がゆるんでいるが他の層で維持している」などの複合的な状態がほとんどです。
そのため、埋没法のやり直しを急ぐ前に、今のまぶたの状態と、糸のかけ方がどんな影響を出しているのかを分けて理解する工程が必要です。このステップを飛ばすと、十分に整理しないまま「今日やり直しを受ける」「このクリニックでやる」と勢いで決めてしまい、後悔を繰り返す可能性があります。
左右差はどこまでが普通?
「ミリの左右差」より先に「左右差の原因」を見るのが正しい順番です
左右差の相談は、埋没のやり直しで最も多いテーマのひとつです。
ただし、読者が誤解しやすいのはここです。
埋没法での左右差は「糸のせい」だけではなく「骨格と癖と筋力」のせいでもあります。
たとえば、手術が完璧に行われたとしても、もともと眉の高さが左右で違う、目を開く癖が片側だけ額の筋肉に依存している、視線の利き目が偏っているなどの要素で、左右差は術後に目立って見える時期があります。
ですが左右差の多くは、術後1〜3か月で腫れやむくみが引き、まぶたの動きの癖(眉や額に力が入る癖)も落ち着くことで、自然になじんできます。
一方で、見た目の差が小さくても、糸の位置や掛け方など手術の方法そのものに左右差がある場合は、修正の対象になることがあります。
そのため、左右差は「何ミリ違うか」を測るより先に、なぜ差が出ているのかという原因を確認することが大切です。これが後悔を減らすための正しい順番です。
抜糸(元に戻す処置)のリスク
「戻せる」は「戻せる場合もある」に過ぎません
「糸で留めているだけだから、取ればすぐ元に戻せるんですよね?」と聞かれることがありますが、これは不正確です。
埋没法では原則として抜糸を行わないクリニックもあります。ですが仮に抜糸を選ぶ場合でも、「戻せる」のは状態と時期の条件を満たす場合だけです。
抜糸が難しくなる理由
-
時間とともに癒着が強くなる
-
糸の走行が深い層だと探しにくい
-
糸の交点が中央にある交差式は強いが位置把握が必要
-
糸の周囲の瘢痕組織がラインを維持している場合もある
-
糸を抜いても「うっすら癖」が残る場合もある
ですので「戻せる」は正確には「戻せる場合もある」に過ぎません。
また、「切らない手術」でも痛み・つっぱり感・しこり・ごろごろ感などが出ることがあります。これらも「糸の止め方」に加え「まぶたの反応」で起こる複合的な経過です。
ラインを変えたいときの現実
幅を変える方向でできることと、できないことがあります
埋没のやり直しで希望される方向は、大きく2つに分かれます。
幅を広くする方向
-
まぶたが厚く脂肪が多い場合は持続が弱くなる
-
眠たそうな印象になる可能性
-
食い込みが強くなり不自然に見える可能性
-
年齢変化で維持しにくくなる可能性
幅を狭くする方向
-
もともとの糸を抜く必要がある場合もある
-
以前のラインがうっすら残る可能性
-
皮膚のたるみの影響
-
再診料や追加費用の扱い確認が必要
つまり、「広くするのも」「狭くするのも」それぞれ限界と難しさがあります。これを「願望」ではなく「現実」から把握しておくことが、後悔しない選択につながります。
他院での手術歴は覚えている範囲でOK
確認したいポイント
-
何年前に受けたか
-
何点留めだったか
-
そのとき説明されたリスク
-
術後の経過(腫れ・内出血・痛み)
-
保証の扱い
カルテがなくても、まぶたの状態から推測できる部分もあります。覚えている範囲で構いません。
後悔を防ぐのは「手術の前の余白」です
私は長年の経験から、学生さんにも成人の方にもこうお伝えしています。
埋没法は「手術の巧拙だけで成功・失敗が分かれる手術」ではありません。
「雰囲気が良かった」「安かった」「今日すぐできると言われた」――こうした勢いのある情報に流されないことが大切です。
見積もりを落ち着いて確認する時間、家で考える時間、別の医師に相談する時間。こうした「一度持ち帰る余白」を確保したほうが、結果として後悔は減ります。
特に学生さんは、SNSの情報に気持ちが揺れたり、友人との比較で自信を失いやすい時期です。さらに未成年の場合は、保護者の同意や相談のしづらさもあります。
そこに総額費用の現実も重なり、「まぶたの条件」より先に、気持ちの整理で悩んでいる方が多いと感じます。
だからこそ、まずは「情報を集めて整理する」ことから始めてください。
埋没法で後悔しないための準備は、手術のテクニックよりも、この情報整理で決まることが多いのです。
まとめ(共通リンク)
関連記事|二重埋没法をもっと理解したい方へ
-
埋没法で失敗しないために ― 二重手術前に知っておく7つのポイントとクリニック選びのコツ
手術前に知っておきたい基本的なポイントや、クリニック選びの注意点について -
二重手術は受診当日には受けない|見積もりは何度でも確認を。複数院受診を当たり前に
当日手術の誘導で迷いやすいポイント、セカンドオピニオンの重要性について




