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眼瞼下垂のダウンタイムはどれくらい?腫れ・内出血が落ち着くまでの目安
1. 受診前の不安は「ダウンタイム」がいちばん大きい
眼瞼下垂の受診を迷っている患者さんに共通しているのは、「手術が怖い」よりも「術後しばらくの生活がどうなるのかが分からない」という不安です。
特にネット検索で情報を集めていると、手術の方法や術後の変化よりも、ダウンタイムの長さや腫れ、内出血、つっぱり感などの記載が先に目に入ります。
症状があっても受診に進めない理由の多くは、まぶたの手術後の「つらい期間がどれくらい続くのか」「仕事や外出、家事にいつ戻れるのか」「生活ができなくなるほど腫れるのか」という心配が整理されていないからです。
私は形成外科医として30年以上まぶたの手術を行ってきましたが、同時に患者さん側の視点で感じる不安にも何度も向き合ってきました。
まぶたの手術は、目の中の手術よりも腫れが出やすいという特徴があります。そのため、術後の変化はどうしても「見た目」より「生活のしんどさ」として実感されやすいのです。だからこそ、手術を検討する前に「生活復帰までの見通し」を知るだけで、受診に進める安心感が生まれます。
2. まぶたはなぜ腫れやすいのか
まぶたの皮膚はとても薄く、血管やリンパの流れも豊富です。さらに目を閉じたり開いたりする動きが多く、重力や筋肉の影響も受けやすいため、少しの刺激でも腫れやすい構造になっています。
目の周りは、常に動きと外的刺激にさらされています。コンタクトレンズの装着や、無意識に目をこする習慣、あご上げや首の後屈で視界を補っていた負担なども、まぶたの組織を日々刺激しています。そのため、挙筋の働きが落ちている人ほど、術後の組織反応として腫れが出やすくなります。
さらに局所麻酔での手術では、血流が保たれたまま手術を行うため、術直後は腫れやむくみが強く感じられやすいという特徴があります。でもこれは異常な反応ではありません。まぶたの組織が治癒のプロセスに入った証拠でもあります。
3. ダウンタイムの本当の主役は「生活のしんどさ」
眼瞼下垂の術後に患者さんがつらさとして実感するのは、腫れや内出血、つっぱり感などの見た目変化そのものではなく、「人前に出るのがしんどい」「メイクがうまくいかない」「まぶたが開きすぎて違和感がある」「涙が出やすくなる」「夕方のまぶたの疲れがまだ残っている気がする」「外出や仕事に戻れるのかが不安」といった生活の不便さです。つまり「見た目」ではなく「生活」が不安の中心にあります。
術後の変化は、誰もが検索の前に抱く疑問です。でも、その変化がどれくらいの期間続くのか、いつ落ち着くのか、どう隠せるのか、どう生活に戻せるのかという見通しを伝えないと、患者さんは次の一歩に進めません。
4. 腫れや不便さはどれくらい続くのか
術直後〜3日目
腫れがもっとも強く感じられる期間です。まぶたがむくんで目が開きにくい、鏡で見ると左右差がいつもより強く見える、涙が出やすい、まぶたが引きつれる感じがある、家事や外出を無理にするとしんどい、といった声が出やすい時期です。冷やしすぎると逆にむくみが出ることもあるので、適度な冷却と休息が大切です。
4日目〜1週間
腫れはまだありますが、ピークを越えています。内出血は黄色や紫から淡くなり、涙や違和感は「少しずつ落ち着いていく時期」として受け止められやすくなります。多くの患者さんがこの頃に「外出できそうです」「仕事に戻れました」と話しますが、実感としてはまだ違和感がある期間です。ここで大切なのは「無理に普段どおりに戻そうとしなくて大丈夫です」です。回復は進んでいますが、見た目や気分より生活のペースを優先してください。
2週間目〜1ヶ月
人前での違和感はかなり落ち着きます。腫れやつっぱり感は「少しあるけど日常で困らない」レベルに収まることが多いです。ただし、完全に違和感が消えるわけではありません。。患者さん自身が「まぶたが軽くなってきました」「あごを上げなくても見えます」「額に力を入れなくても目が開きます」と実感として話す時期です。
6週間〜3ヶ月
ほぼ落ち着く期間です。見た目の変化は「いつの間にか消えていた」と感じられる時期です。でも、ここまでの回復の道のりは人それぞれ違います。多くの患者さんはここで「もっと早く受診しておけばよかった」「術後の見通しが分かっていたから安心できた」と話します。
5. 生活復帰までの見通しを知るだけで安心が生まれる理由
まぶたは腫れやすく、術後しばらく違和感やつっぱり、内出血、涙、見た目の左右差が気になる期間があります。でもそれは「治癒が進んでいる証拠」であり、生活復帰の見通しが分かっていれば怖さは減ります。
回復のプロセスには共通の流れがあります。
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まぶたの位置が安定していく
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筋肉の働きの負担が減る
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視界が明るく感じられる
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顔の角度を変えて見え方を補う必要が減る
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額に力を入れて目を開こうとしていた負担が減る
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肩こりや頭痛、夕方の疲れが軽くなる
これらは「目的」ではなく「結果としてついてくる生活の変化」です。でも、この生活の変化こそが、患者さんの満足度が高い理由です。
6. 受診に進めない理由が「手術の怖さ」ではなく「見通しの不在」である現実
日本では、まぶたの手術を積極的に行っていない眼科クリニックが多く、手術をすすめない方針で診療している先生も多くいます。それは診療の目的や役割が違うからです。紹介状をもらえないから手術できない、ではなく、治療の必要性を評価するポイントが違うから、説明が噛み合わないように見えることがある、というだけです。
患者さんは「自分の生活がつらいから治療を受けたい」のです。
家族は「写真写りや顔の角度で気づいたから相談してほしい」のです。
形成外科は「生活に戻るまでの目安と、なぜその手術方法になるのかを分かりやすく説明します。」のです。
この3つの違いが分かるだけで、迷いがかなり減ります。
7. 受診=手術ではない、という安心感が患者さんを動かす
受診は「診察から始める場」です。診察だけで治療が必要でないこともありますし、必要なこともあります。紹介状がなくても、症状メモや写真を持参して相談だけでも大丈夫です。
迷っている人ほど「まず診察だけでも受けてほしい」。
8. まとめ
眼瞼下垂の手術は、術後しばらく腫れや違和感、生活のしんどさを実感しやすい手術です。でも回復は確実に進み、やがて安定し、いつの間にか生活の負担が減っていきます。大切なのは「術後の見通しが分かる説明」を先に行うことです。どんなきっかけで受診しても構いません。診察だけでも構いません。迷いが続くときは、まずは相談だけでも大丈夫です。
まずは診察で、今の状態を一緒に整理しましょう。
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