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眼瞼下垂と重症筋無力症の関係 ―手術の前に知っておきたい大切なこと―
重症筋無力症との関連にも注意が必要です
「まぶたが下がってきた」「目を開けているのがつらい」――
このような症状から、眼瞼下垂(がんけんかすい)を疑われる方は多くいらっしゃいます。
しかし、眼瞼下垂にはいくつかの原因があり、その原因によって治療法や注意点は大きく異なります。
なかでも見逃してはならないのが、重症筋無力症(Myasthenia Gravis)という病気が背景にあるケースです。
重症筋無力症とは?
重症筋無力症(MG)は、神経と筋肉のつなぎ目(神経筋接合部)で異常な抗体がつくられ、筋肉が正常に動かなくなる自己免疫疾患です。
最初に表れる症状としては、まぶたの下がり(眼瞼下垂)や複視(二重に見える)など、目の不調が多く報告されています。
重症筋無力症と眼瞼下垂の見分け
MGによる眼瞼下垂は、次のような特徴があります:
- 当然眼瞼下垂が起きる:通常、眼瞼下垂は徐々に起きてきますが、MGの場合は突然起きてきます。(例:〇月〇日にい瞼が下がって上がらなくなった)
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日内変動:朝は軽くても、夕方になると悪化する
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左右非対称:片方から始まり、やがて両目に広がることも
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複視を伴うことがある(ものが二重に見える)
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全身の筋力低下が後から現れる場合がある
-
入浴すると瞼が下がる
これらの症状は、加齢などによる「腱膜性眼瞼下垂」と混同されやすいため、正確な鑑別診断が重要です。
診断に必要な検査
外来ですぐできる検査
アイスパックテスト
まぶたの下がり(眼瞼下垂)の原因を調べる簡単な検査です。
検査の方法
氷をガーゼで包み、下がっているまぶたに2〜5分間あてるだけ。
その前後で、まぶたの開き具合を比べます。
判定のポイント
まぶたが上がる → MGの可能性あり
変わらない → 他の原因の可能性が高い
特徴
痛みなし
数分で完了
外来で手軽に実施できます
このほかの検査
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テンシロンテスト(エドロホニウム試験):一時的に症状が改善するかを確認
-
抗アセチルコリン受容体抗体検査:自己抗体の有無を調べる血液検査
-
単線維筋電図(SFEMG):神経と筋肉の接合の異常を評価
-
胸部CT:胸腺腫の合併をチェック(MGに関連することがある)
通常の眼瞼下垂手術では治らない可能性も
重症筋無力症が原因の眼瞼下垂に対して、通常の手術(腱膜前転術など)を行っても、症状が改善しない、あるいは再発する可能性があります。
そのため、手術を急ぐ前に「本当に手術が適している状態かどうか」を見極めることが欠かせません。
当院では神経内科や眼科と連携して対応しています
当院では、眼瞼下垂の手術をご希望されるすべての患者様に、見た目だけでなく、機能的な側面も重視して診療しています。
以下のようなステップを大切にしています:
-
眼科受診(ドライアイ、角膜、視力などの状態確認)
-
神経内科の紹介(必要に応じて、抗体検査、テンシロンテスト、筋電図、胸部CTなど)
-
重症筋無力症を除外してからの手術判断
おひとりで悩まず、まずはご相談ください
「年齢のせいだと思っていた」
「見た目だけが気になっていた」
という方でも、実は背後に病気が隠れていることがあります。
眼瞼下垂の正確な原因を突き止めることは、患者様の安全と満足のために最も大切なステップです。
疑問や不安がある方は、お気軽にご相談ください。
当院では、神経内科・眼科との連携体制を整え、適切な診断と治療方針をご提案いたします。
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