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私が「くりぬき法(パンチ除去法)」をすすめない理由
ほくろ治療を調べると、「くりぬき法(パンチ除去法)」という選択肢を目にすることがあります。
直径2〜5mm程度の器具で、ほくろを円形にくり抜いて除去する方法で、処置時間も短く、縫わずに済むということで「簡単で傷も小さそう」と思われがちです。
ですが、私はこのくりぬき法を一切行っていません。
出血、見た目の仕上がり、再発リスク、そして患者さんの満足度すべてにおいて、デメリットが大きい
1.術後の出血リスクがある
くりぬき法は縫合を伴わないため、術後にじわじわと出血することがあり、自宅で患者さん自身が対処しなければなりません。
特に顔面や手足など、動きやすい部位では出血が続いたり、ガーゼが外れて衣服が汚れたりすることもあります。
2.傷あとが目立ちやすい
「くりぬく」=「切らないから目立たない」と思われるかもしれませんが、実際にはそうではありません。
治療後に点状の陥凹(くぼみ)や赤み、色素沈着が残りやすい
自然治癒(開放創)を待つために、治癒に1~2週間、傷が完全に落ち着くまで1か月以上かかることも
摩擦や紫外線などの影響で、色素沈着が一時的に濃くなることも
一方で、きちんとデザインした切除縫合法であれば、皮膚の緊張線(皮膚割線)に沿って縫合し、時間とともに線状の傷は目立たなくなるように調整できます。
3.再発のリスクがある
ほくろの元になる母斑細胞は真皮深層にまで存在することがあり、浅く取り除くだけでは不十分な場合があります。
くりぬき法では深部まで取りきれず、再発の可能性がある
特に大きめのほくろ(6mm以上)や盛り上がった母斑では、再発のリスクが高くなります
再発した場合は、再度治療が必要となり、患者さんにとって二重の負担となります。
4.“簡単に取れる”という誤解が残る
くりぬき法は処置が短く、術後の通院も少ないため、「これで十分だった」と思わせてしまうかもしれません。
しかし、実際には「もっと整容的にきれいに取ればよかった」「傷あとが思ったより目立つ」という後悔の声も少なくありません。
私たち形成外科医は、単に取るだけでなく、
どう取るか」「どう残すか」「どう治すか」を常に考えています。
その視点から見ると、くりぬき法は“結果”に責任を持てない治療法と考えています。
満足度は“その場ではなく“数年後に決まる
ほくろ治療の本当のゴールは、「取ること」ではありません。
安全に、目立ちにくい傷跡にすることです。
そして、「やってよかった」と数年後にも思っていただける治療を提供することだと私は考えています。
私がくりぬき法をすすめないのは、その基準に達していないと判断しているからです。
私が推奨しているのは「炭酸ガスレーザー治療」です
ダーマスコープで良性と診断された場合は、診察当日に施術が可能
術後の通院は2週間後の検診のみ。ケアはご自宅で軟膏を塗るだけ
整容性に優れ、点状瘢痕や凹みが目立ちにくい
切除術に比べて通院回数や身体的負担が少ない
ただし、悪性の疑いがある場合は、一部を切除し、病理検査を行うことが基本方針です。
そのうえで、必要に応じてレーザーを追加使用することもあります。
ご相談はお気軽にどうぞ
「このほくろ、取った方がいいのかな?」「傷あとが心配で迷っている」
そんなときこそ、形成外科の専門医にご相談ください。
患者さん一人ひとりの状態と希望に合わせて、
安全で納得できる治療方法をご提案いたします。