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気になるお悩みや最新治療について、ぜひ参考になさってください。
取ったのに戻った?ほくろ除去後に再発する理由と、再照射は半年後が安心な理由
「できれば今日、取ってほしい」「取ったのに戻った気がする」
ほくろ除去の相談で、実はこの2つが最も多いご希望です。
治療を先延ばしにしたくない気持ちも、治療後に鏡を見て不安になる気持ちも、どちらも自然な反応です。ですが、戻ったように見える理由には複数のパターンがあり、対策もタイミングも違います。 ここを知らないまま焦って処置をすると、かえって赤みや盛り上がりが強く出て「長引く跡」につながりやすくなります。
この記事では、再発が起こる仕組み、顔で再発が比較的多い理由、再照射のベストな時期、そして再発と見間違えやすい治癒途中の変化(炎症性色素沈着など)への考え方 を、形成外科の視点で丁寧に整理します。
再発は「体より顔で起こりやすい」のはなぜ?
ほくろの治療は「見える場所ほど慎重に削る」必要があります
ほくろは医学的には良性腫瘍(色素性母斑)で、多くは形成外科の得意分野です。レーザーでの除去も手術での切除も選択肢になりますが、部位によって皮膚の張力・摩擦・血流・解剖学的な繊細さが異なるため、同じ治療でも治癒の反応が違って見えます。
顔のほくろの多くはミーシャー型(ドーム型・垂直方向に深く成長)で、皮膚の深い方向へ成長する性質があるため、完全除去を優先して深く広く照射すると、レーザー後の陥凹(へこみ)や盛り上がりが光の角度で目立ちやすくなる という特性があります。
そこで当院では、
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1回目は正常皮膚を必要以上に傷つけない範囲で、やや控えめの深さで繊細に削る
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まずは傷の成熟(落ち着くまでの時間)を安定させる
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もし再発した場合は部分的に追加照射で対応し、跡が大きくならないようにする
という方針をとっています。
顔の再発が多いもう一つの理由:摩擦と生活の影響
顔は毎日の洗顔・クレンジング・メイク・マスク着脱などで摩擦が入りやすい ため、炎症刺激が長引きやすい部位です。炎症が長引くとメラノサイトの反応も残りやすく、再発と誤解されやすい経過になります。
再発はどれくらい多い?実際の頻度感
再発率はそれほど高くないのが現実です
「レーザーで削る=再発する」と思われがちですが、実際には再発は多くありません。特に、丁寧に削り、術後の炎症を抑えるケアを行うことで、検索で想像されるほど再発は高頻度ではありません。
ただし、若い人はメラノサイトが活性化しやすく、肌の炎症反応や治癒途中のメラニン反応が強く出やすい時期 であるため、比較的この世代で「再発かも」と感じるケースが多くなります。
一方で、
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体(背中・四肢)は顔より垂直方向のメラニン反応が出にくい
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頭皮や眉毛部は毛根を残しながら削れるため再発が少ない
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眼瞼(まぶた)は皮膚が薄く治癒反応が読みやすく仕上がりも落ち着きやすい
といった部位ごとの特徴もあります。
再発と見間違えやすい「炎症性色素沈着(PIH)」の落とし穴
PIHは再発ではなく「炎症の名残」です
レーザー後に茶色っぽく見える変化の多くは、炎症後色素沈着(PIH) という治癒過程の反応で、紫外線が主因の「シミ」とも、ほくろの「再発」とも性質が違います。
ここで焦って
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赤みを抑える追加レーザーを重ねる
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トレチノインや強い美白外用を自己判断で使う
など積極的なケアをすると、その刺激で炎症がさらに持続し、赤みも色素沈着も長引くことがあります。
つまり:PIHに再レーザーしても結果は同じ
PIHを「再発」と思って受診される患者さんもいますが、この状態で再レーザーをしても、赤みやメラニン反応が再び同じように出るだけ になりやすいので、当院ではまず経過を待ち、保湿と紫外線対策で傷跡が落ち着くまで待つのが安全です とお伝えしています。
では本当の再発はいつ診断できる?再照射のベストなタイミング
再発の定義:削った部位の中心に点状に戻るもの
当院でいう再発は、1回目に削った部分(レーザー照射の中心)から点状に母斑細胞が再び現れるもの を指します。
再照射は半年を過ぎてからがベスト
当院では、再照射は「6か月を過ぎてから」を基本の目安 としています。理由は、
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6か月でほくろ細胞の再発判定が安定してできる
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6か月で炎症と赤みの成熟も進む
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6か月を過ぎた顔のほくろは摩擦や血流の炎症影響が安定して評価できる
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6か月を過ぎた再照射は最初よりさらに再発が少なくなる
という臨床の実感と文献の整合があるためです。
つまり、半年を過ぎた2回目のレーザーでは、十分に細胞の再発が確認できているため、さらに再発することが非常に少なくなります。
当院の再照射ルール
1年以内なら再診料のみで再レーザーできます
当クリニックでは、レーザー照射後1年以内に再発した場合は、再診料(550円 税込)で追加照射を行っています。
(※悪性所見が疑われた場合はこの限りではなく、検査や切除を優先します)
再発したら気にせず再レーザーを受けてほしい
再発は「失敗」ではありません。ほくろの性質と部位の影響で起こり得る正常経過の延長線 です。
当院では、1回目は傷跡が大きくなりすぎない深さで丁寧に治療し、もし再発しても追加照射で無理なく整えられるように方針を立てています。その方が、結果として傷跡が目立ちにくくなります。
ですから、再発した場合は気にせず再レーザーで受けてください。 迷って不安を抱え続けるよりも、相談して追加照射する方が、結果も見た目も満足度が上がります。
なぜ当院は説明に2倍の時間を使うのか
ほくろ除去より、傷跡説明に時間をかけています
当院では、ほくろ除去の説明より、傷跡の説明に2倍の時間をかけています。
理由は、
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治療後に慌てないよう、経過の見通しを先にお伝えしています。
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日本人では摩擦・炎症・メラニン反応が目立ちやすい傾向 があります。
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赤みの経過と生活の予定を考え、治療(再照射)のタイミングを決めると後悔が少なくなります。
という考え方があるからです。
日本人は「傷跡が目立ちやすい人種」
形成外科の分野では、東アジア系の皮膚は瘢痕(はんこん)やPIHなどが目立ちやすい傾向がある ことが知られています。
だからこそ当院では、刺激を長引かせない外用、こすらない生活の工夫、保湿、紫外線対策、成熟後のクリームケア までを、治療の前にしっかり共有しています。
まとめ:半年後の肌で、やっと「本当の再発」と「成熟途中の反応」を区別できる
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ほくろ除去は顔でも体でも当日治療できます
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しかし顔は体より再発が比較的起こることがあります
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1回目は、削りすぎを避けて丁寧に照射
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再発したら1年以内は再診料のみで再レーザー対応
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PIHは再発ではなく経過を待つ方が安全
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2回目の照射は半年を過ぎてからがベスト




