「フェイスラインが以前よりぼやけてきた」
「口元のもたつきが気になる」
「切開するフェイスリフトまでは考えていないけれど、たるみを改善したい」
糸リフト(スレッドリフト)は、細かな突起(コグ)のついた糸を皮膚の下に通し、下がった頬の組織を引き上げる治療です。頬の下垂による口元のもたつきや、フェイスラインのたるみの改善を目的として行います。
当院では、こめかみ付近の小さな挿入口から頬の皮下へ糸を通し、たるみの位置や左右差に合わせて、引き上げる方向や糸の配置を調整します。
ただし、皮膚の余りが多いたるみや、頬のくぼみを伴う場合には、糸リフトだけでは十分な改善が得られないことがあります。診察でたるみの原因と程度を確認し、期待できる変化と限界、ダウンタイムやリスクをご説明したうえで、一人ひとりに合った治療方法をご提案します。
目次
Toggle糸リフトで改善が期待できること
糸リフトでは、下がった頬の組織を引き上げることで、次のような変化が期待できます。
- ぼやけたフェイスラインを整える
- 口元のもたつきを軽減する
- マリオネットライン(口角からあごに向かう線)周囲のたるみを目立ちにくくする
- 頬の下垂に伴うほうれい線を目立ちにくくする
ただし、ほうれい線やマリオネットラインが完全に消えるわけではありません。深く刻まれたしわや、ボリューム不足が関係している場合には、糸リフトだけでは十分な改善が得られないことがあります。
期待できる変化は、たるみの程度や皮膚・皮下組織の状態によって異なります。診察では、気になる部分を確認し、糸リフトで改善が見込める範囲をご説明します。
糸リフトだけでは改善が難しい場合
糸リフトは、下がった頬の組織を引き上げる治療です。余った皮膚を取り除いたり、くぼんだ部分のボリュームを補ったりすることはできません。そのため、次のような場合には、糸リフトだけでは十分な改善が得られないことがあります。
- 皮膚の余りが多く、たるみが強い場合
糸で引き上げても余った皮膚は残るため、改善には限界があります。大きな変化を希望する場合には、切開を伴うフェイスリフトを検討します。 - 首のたるみが主な悩みの場合
頬を引き上げる糸リフトだけでは、首のたるみまで十分に改善することは難しく、首の状態に応じた治療の検討が必要です。 - 頬やこめかみのくぼみが目立つ場合
ボリューム不足によるくぼみは、引き上げるだけでは補えません。ヒアルロン酸注入など、ボリュームを補う治療が選択肢になります。
当院では、たるみの強さだけでなく、皮膚の余りやボリューム不足の有無も確認します。糸リフトでは希望する変化が見込めない場合には、その理由と、ほかに検討できる治療をご説明します。
糸リフトが適しているかは、年齢よりもたるみの状態で判断します
頬やフェイスラインのたるみが気になり、切開を伴う手術以外の方法を希望する方にとって、糸リフトは選択肢の一つです。ただし、切開を避けたいという希望だけで、糸リフトが適しているとは限りません。
診察では、皮膚の余り、頬の組織が下がっている位置、皮膚の厚みや脂肪の量、骨格、左右差を確認します。そのうえで、糸で引き上げることで、希望する変化が見込めるかを判断します。
同じ年齢でも、たるみの原因や程度は異なります。「何歳だから受ける」という考え方ではなく、現在の顔の状態と希望する仕上がりに合わせて、治療方法を選ぶことが大切です。
当院が糸リフトで大切にしていること
当院では、日本形成外科専門医である院長が、診察から施術、治療後の経過確認まで担当します。
糸リフトの施術では、糸の本数だけでなく、どの位置に通し、どの方向へ、どの程度引き上げるかを重視しています。顔の形や皮膚の厚み、脂肪の量、左右のたるみ方を確認し、一人ひとりに合わせて糸の配置を決めます。
左右に同じ本数を入れるとは限りません。例えば、合計10本を使用する場合でも、たるみの左右差に応じて、右4本・左6本に配分することがあります。本数をそろえることよりも、顔全体のバランスを考えて配置することが大切だからです。
また、大きな変化を求めて強く引き上げすぎると、皮膚のひきつれや凹凸、不自然な左右差につながることがあります。診察では、ご希望と糸リフトで見込める変化をすり合わせ、無理のない引き上げ方を検討します。
使用する糸と本数について
当院では、基本的に体内で吸収されるタイプの糸を使用しています。糸にはコグと呼ばれる細かな突起があり、皮下組織に引っかかることで、下がった頬の組織を支えて引き上げます。
使用本数は、両側で合計10本を基本としています。左右のたるみ方や引き上げたい範囲に合わせて、本数の配分や糸を通す位置・方向を調整します。
診察時には、使用する糸の種類、本数、費用についてご説明します。
糸リフトは痛い?施術中・施術後の痛みについて
糸リフトは、局所麻酔を行ってから糸を挿入します。麻酔の注射には痛みがありますが、麻酔を効かせて、糸を通す際の痛みを抑えます。
施術中は、押される感じや引っ張られる感じがすることがあります。痛みがある場合は我慢せずにお伝えください。痛みの程度を確認しながら施術を進めます。
施術後は、糸を入れた部分の痛みや、押したときの痛み、つっぱり感が数日間みられることがあります。程度や続く期間には個人差があります。
痛みが強くなる、赤みや腫れが増すなど、気になる変化がある場合は、当院へご連絡ください。
糸リフトのダウンタイム|腫れ・内出血・ひきつれについて
糸リフトの施術後には、腫れや内出血、糸を入れた部分の痛み、つっぱり感などが出ることがあります。頬を切開する手術ではありませんが、施術直後から普段どおりの見た目や感覚に戻るとは限りません。
主にみられる症状は、次のとおりです。
- 腫れ・内出血
- 痛み・押したときの痛み
- つっぱり感・口を大きく開けにくい感じ
- 皮膚の凹凸・ひきつれ
腫れや内出血が落ち着くまでには、数日から1週間程度かかることがあります。程度によっては、それ以上続く場合もあります。つっぱり感や皮膚の凹凸は、腫れが引いたあとも残り、なじむまでに時間がかかることがあります。
仕事や人と会う予定は、腫れや内出血が出る可能性を考えて調整してください。結婚式や撮影など大切な予定がある場合は、予約時に日程をお伝えください。
痛みや腫れが強くなる、赤みや熱感が出る、凹凸やひきつれが改善しない場合は、自己判断で強く揉まず、当院へご相談ください。
糸リフトのリスク・合併症
糸リフトでは、一時的な腫れや内出血に加え、次のような症状や合併症が起こる可能性があります。
・痛みや、押したときの痛みが続く
・皮膚に凹凸やえくぼ状のへこみができる
・ひきつれや左右差が生じる
・皮膚の上から糸が触れる、違和感が残る
・糸の挿入口に赤みが出る
・感染が起こる
・糸が皮膚から露出する
・しびれや感覚の変化が生じる
症状の程度や原因によっては、経過観察だけでなく、処置や糸の抜去が必要になることがあります。気になる症状が続く場合や、痛み・腫れ・赤みが強くなる場合は、当院へご連絡ください。
また、引き上がり方や効果の実感には個人差があり、希望する変化が得られない場合もあります。治療前には、期待できる効果と限界に加え、こうしたリスクや、症状が生じた場合の対応についてもご説明します。
糸リフトの効果はどのくらい続く?
糸リフトの引き上げ効果は永久ではなく、持続期間も一律ではありません。使用する糸の種類や、たるみの程度、皮膚・皮下組織の状態によって異なります。
当院では、時間の経過とともに体内で吸収される糸を使用しています。ただし、糸が吸収されるまで、施術直後と同じ引き上げ効果が続くわけではありません。「糸が体内に残っている期間」と「効果を実感できる期間」は分けて考える必要があります。
治療後も加齢による変化は続き、引き上げ効果は徐々に弱まります。再治療は一定の間隔で繰り返すことを前提とせず、その時点のたるみとご希望を確認して判断します。状態によっては、糸の追加ではなく、ほかの治療をご提案することもあります。
糸リフトとヒアルロン酸注入の違い
糸リフトは、下がった頬の組織を引き上げる治療です。ヒアルロン酸注入は、加齢などで減少したボリュームを補う治療です。どちらが適しているかは、気になる部分と、その原因によって異なります。
口元のもたつきやフェイスラインのたるみなど、頬の組織が下がることで生じた変化には、糸リフトを検討します。一方、頬やこめかみのくぼみが目立つ場合には、ヒアルロン酸注入が選択肢になります。
ほうれい線も、頬の下垂やボリューム不足など、複数の要因が関係します。そのため、「ほうれい線には糸リフト」「くぼみにはヒアルロン酸」と一律に決めることはできません。
両方の治療を組み合わせる場合もありますが、併用が必ず必要なわけではありません。診察で原因を確認し、それぞれの治療で期待できる変化と限界をご説明します。
糸リフトとフェイスリフトの違い
糸リフトとフェイスリフトは、組織を引き上げる方法と、余った皮膚を取り除けるかどうかが異なります。
糸リフトは、皮膚の下に糸を通し、下がった頬の組織を引き上げる治療です。糸を入れるための小さな挿入口はできますが、頬を切開して皮膚を取り除く手術ではありません。そのため、皮膚の余りが多い場合には、引き上げだけで得られる変化に限界があります。
フェイスリフトは、皮膚を切開し、皮下の組織を引き上げるとともに、余った皮膚を取り除く手術です。たるみが強い場合や、皮膚の余りが目立つ場合に検討します。切開を伴うため、傷跡や術後の回復期間も考慮する必要があります。
切開する手術を希望しない場合でも、糸リフトでフェイスリフトと同じ変化が得られるとは限りません。診察では、たるみの程度と希望する仕上がりを確認し、それぞれの方法で改善が見込める範囲、傷跡、ダウンタイム、リスクをご説明したうえで、治療方法を検討します。
糸リフトの施術の流れ
1.診察
気になる部位と、どのような変化を希望しているかを伺います。たるみの程度、皮膚の余りや厚み、脂肪のつき方、骨格、左右差を確認し、糸リフトで希望する変化が見込めるかを判断します。
期待できる効果と限界、ダウンタイム、リスク、費用をご説明したうえで、治療方法を決めます。
2.デザイン
鏡で一緒に顔を確認しながら、引き上げたい部分と方向を確認します。そのうえで、糸の挿入口、皮下を通す位置、使用本数を決めます。左右のたるみ方に応じて、本数の配分や配置を調整します。
3.局所麻酔
糸の挿入口と、糸を通す部分に局所麻酔を行います。麻酔の効き具合を確認してから、糸の挿入を始めます。
4.糸の挿入
こめかみ付近の小さな挿入口から、先端が丸い専用の針(鈍針)を用いて、頬や口角方向の皮下へ糸を通します。デザインに沿って組織を引き上げ、左右のバランスや皮膚のひきつれを確認しながら調整します。
施術時間は30分程度が目安です。
片側4本から5本 合計8本から10本を使います。
使用する糸には、中央を境に反対向きの細かな突起(コグ)がついています。こめかみ付近から頬や口角方向の皮下へ糸を通し、コグが頬側とこめかみ側の組織に引っかかることで、引き上げた組織を支えます。糸を通す位置や引き上げる程度は、たるみの状態に合わせて調整します。
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吸収性の糸は、先端が丸い専用の針(鈍針)にセットされています。鈍針を用いて、周囲の血管や組織への損傷をできるだけ抑えながら糸を挿入します。ただし、出血や内出血を完全に防げるわけではありません。

糸の中心は両方向に逆向きに方向のギザギの切れ目が入っている糸
5.施術後
施術部位の腫れや出血、皮膚の状態を確認します。ご帰宅後の過ごし方や痛みへの対処、気になる症状が出た場合の連絡方法をご説明し、ご帰宅いただきます。
糸リフト後の過ごし方・注意点
施術当日は、飲酒、激しい運動、長時間の入浴を控えてください。洗顔・洗髪・シャワーは翌日から可能です。顔を洗う際は、施術部位を強くこすらないようにしてください。
メイクも翌日から可能ですが、糸の挿入口や腫れ・内出血のある部分への刺激を避け、施術時にお伝えする方法に従ってください。
施術後は、顔を強くこする、強いマッサージを受ける、無理に大きく口を開けるなど、施術部位に力が加わる行為を避けてください。控える期間や再開の目安は、施術後の状態に応じてご説明します。
歯科治療などで長時間口を大きく開ける予定がある場合は、糸リフトを受ける前にご相談ください。
糸リフトを検討している方へ
口元のもたつきやフェイスラインのたるみが気になっていても、どの治療が自分に合うかを判断するのは難しいものです。糸リフトを受けると決めてから来院する必要はありません。
当院では、たるみの原因や程度、希望する仕上がりを確認し、糸リフトで改善が見込める範囲をご説明します。十分な変化が期待できない場合には、その理由と、ほかに検討できる治療もお伝えします。
切開する手術は避けたい方も、治療方法で迷っている方も、まずは気になる部分とご希望をお聞かせください。ダウンタイムやリスク、費用も含め、治療を選ぶために必要な情報をご説明します。






