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逆さまつげは自然に治る?手術が必要な人・様子を見てよい人の違いを形成外科専門医が解説
「逆さまつげは、そのうち自然に治りますか?」
これは診察でよく受ける質問の一つです。
子どもの逆さまつげは成長とともに自然に改善することがあります。一方、大人になってから生じた逆さまつげは、加齢などによるまぶたの変化が原因となることが多く、自然に改善することはほとんど期待できません。
ただし、、「自然に治る可能性がある」ことと、「そのまま様子を見てよい」ことは別です。
症状が軽くても、まつげが角膜を傷つけていることがあります。逆さまつげで本当に重要なのは、「自然に治るか」ではなく、「角膜に障害が起きていないか」を確認することです。
子どもの逆さまつげは自然に改善することがあります
逆さまつげは「睫毛内反(しょうもうないはん)」と呼ばれる状態で、子どもにも大人にもみられます。
乳幼児では、鼻が低く、下まぶたの皮膚に厚みがあるため、皮膚によってまつげが内側へ押されやすくなります。そのため、赤ちゃんに逆さまつげがみられることは珍しくありません。
成長とともに顔つきが変わり、鼻が高くなってまぶたの形も変化すると、まつげが角膜に当たりにくくなり、自然に改善することがあります。
このため、小さなお子さんでは、症状や角膜の状態を確認しながら経過を見ることも少なくありません。
「自然に治る」と「放置してよい」は違います
自然に改善する可能性があるからといって、そのまま様子を見てよいとは限りません。
乳幼児では、まつげが細く柔らかいため症状が目立たないことがあります。しかし、成長するとまつげは太く硬くなり、角膜への刺激も強くなります。
次のような症状がみられる場合は注意が必要です。
・涙が多い
・目やにが増える
・充血を繰り返す
・目をこすることが多い
・まぶしそうにする
さらに注意したいのは、症状があまり強くなくても角膜に傷ができていることがある点です。
実際の診療では、「少しゴロゴロする程度です」と話される方でも、診察すると角膜に細かな傷を認めることは決して珍しくありません。
症状の強さだけでは、角膜への影響を判断できません。まつげが角膜に当たっている場合は、眼科で角膜に傷がついていないかを確認する必要があります。
当院では、手術を検討する患者さんに、術前と術後の眼科受診をお願いしています。
正面だけでは判断できません
正面を向いた状態では、まつげが角膜に触れていないように見えることがあります。しかし、それだけで問題がないとは判断できません。
スマートフォンや本を見るとき、勉強や食事をするときなど、日常生活では下を向く機会が多くあります。
下を向くと下まぶたの位置や皮膚の動きが変わり、正面では当たっていなかったまつげが角膜に触れることがあります。
実際の診療でも、正面ではまつげが当たっていなくても、下を向いてもらうと角膜に接触する患者さんは少なくありません。
そのため、逆さまつげは、正面を向いた状態だけで判断することはできません。
大人の逆さまつげは自然に治ることはほとんどありません
大人の逆さまつげには、睫毛内反や眼瞼内反、まつげの生える向きの異常など、さまざまな原因があります。
特に高齢になると、まぶたを支える組織のゆるみや眼輪筋の変化などによって、まぶた全体が内側へ向くことがあります。このような状態は、時間がたっても自然に改善することはほとんど期待できず、徐々に悪化する場合もあります。
診察では、「何年も自分でまつげを抜いてきました」と話される方も少なくありません。
まつげを抜くと一時的に症状は軽くなりますが、原因が治るわけではありません。しばらくすると再びまつげが生え、同じ症状を繰り返します。
まつげを抜き続けるだけでは、根本的な解決にはなりません。
手術を考えた方がよいのはどのような場合でしょうか
すべての患者さんに手術が必要なわけではありません。
ただし、次のような場合には手術を検討します。
・眼科で角膜に傷があると指摘された
・涙や目やに、充血が続いている
・何度もまつげを抜いている
・目の異物感や痛みが続いている
・日常生活に支障がある
一方、症状が軽く、眼科で角膜に異常がないことが確認されている場合は、経過をみることもあります。
手術が必要かどうかは、年齢だけで決まるものではありません。症状の程度や、まつげの当たり方、眼科で確認した角膜の状態を踏まえて判断します。
形成外科専門医としてお伝えしたいこと
逆さまつげは、すぐに治療が必要な病気ではないと思われがちです。そのため、「もう少し様子を見よう」と考える方も少なくありません。
しかし、まつげが角膜に触れている状態が続けば、目への刺激も繰り返されます。痛みや異物感が軽いからといって、問題がないとは限りません。
実際には、自覚症状が軽くても、眼科で角膜の傷を指摘されることがあります。
形成外科の診察では、まつげがどのように当たっているか、まぶたの形や動きに原因がないかを確認し、手術が必要な状態かどうかを判断します。角膜の状態については、眼科での診察が必要です。
逆さまつげは、すべての患者さんに手術が必要なわけではありません。一方で、自己判断で様子を見続けた結果、症状や角膜への影響が続いていることもあります。
涙や目やに、充血、異物感が続く場合や、何度もまつげを抜いている場合は、一度眼科または形成外科で相談することをおすすめします。
逆さまつげの日帰り手術について
当院では、逆さまつげに対して、健康保険が適用される日帰り手術を行っています。
診察では、まつげの向きやまぶたの形、症状などを確認し、手術が必要な状態かどうかを判断します。角膜に傷がついていないかについては眼科での確認が必要なため、当院では手術の前後に眼科を受診していただいています。
診察を受けたからといって、必ず手術になるわけではありません。「手術が必要かどうかを知りたい」という段階でもご相談いただけます。逆さまつげによる涙や目やに、充血、異物感などでお困りの方は、ご相談ください。
逆さまつげの治療・日帰り手術
逆さまつげでお困りの方へ。原因や症状、治療方法から健康保険による日帰り手術まで、形成外科専門医が分かりやすくご紹介しています。





