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ほくろ除去後はいつ落ち着く?赤み・色素沈着・盛り上がりを長引かせない傷跡ケア
「跡は消えますか?」が一番多い質問です
ほくろ除去の相談で、患者さんが一番気にされるのは「跡は消えますか?」ということです。ここで大切なのは、言い切りすぎないことです。
残念ながら、傷跡は基本的にゼロにはなりません。ただし、レーザー治療の場合は、時間と適切なケアで「かなり目立ちにくい傷痕=落ち着く」になることが多いのも事実です。
一方で、場所や体質によっては、赤みが長引いたり、色素沈着が濃く出たり、まれに盛り上がる傷(肥厚性瘢痕)になったりすることがあります。だからこそ当院では、ほくろを取る説明以上に、傷跡の説明に時間をかけています。
この記事では、「いつ消える?」ではなく「いつ落ち着く?」という視点で、落ち着くまでの目安、起こりやすい経過、そして傷跡を目立ちにくくする具体策を整理します。
落ち着くまでの目安は「約半年」を基本に考える
まず知っておきたい「傷の成熟」という考え方
レーザーでほくろを除去すると、皮膚は「傷を治す期間」に入ります。治療直後の赤みや凹み、色素沈着は、その過程で起こる自然な反応であることが多いです。
一般に、傷跡は時間とともに赤みが薄れ、硬さがやわらぎ、色がなじんでいきます。この変化(成熟)には一定の時間がかかり、6〜12か月ほど続くことがあるとされています。
当院での説明では、まず「落ち着くまで約半年」を基本の目安としてお伝えし、その後は部位や肌質、ほくろの深さによって個人差があることを必ず付け加えています。
「落ち着く」とは何が落ち着くのか
患者さんが不安に感じるのは、主に次の3つです。
赤み(ピンク色が残る)
色素沈着(茶色っぽくなる)
盛り上がり(赤く硬く、少し隆起する)
この3つは混ざって見えることがあり、同じ「跡」に見えても対策が異なります。
赤みは「刺激」と「血流」で長引きやすい
赤みが残るのは異常ではありません
レーザー後の赤みは、皮膚が修復しているサインとして一定期間は起こり得ます。赤みは数週間〜数か月の単位で続くこともあり、治療の深さや皮膚反応によって差が出ます。
赤みを長引かせないコツ
赤みを長引かせる最大の要因は、摩擦と過度な刺激です。洗顔やクレンジングでこする、無意識に触る、マスクや衣服でこすれる。これらは赤みを長引かせやすくなります。
また、長湯やサウナ、飲酒直後など「血流が急に増える状況」で赤みが強く見えることがあります。完全に禁止ではありませんが、「大事な予定がある日は控える」など、現実的な調整が有効です。
色素沈着は「炎症の名残」として起こることがある
色素沈着は紫外線のシミと別物です
レーザー後に茶色っぽく見えるのは、炎症後色素沈着(PIH)という反応であることがあります。これは、炎症刺激をきっかけにメラニンが増える現象で、紫外線が主因のいわゆる「シミ」とは性質が違います。
日本人(東アジア系)は色素沈着が目立ちやすい傾向
肌質(メラニン反応の出やすさ)によって、色素沈着が起こりやすい人がいます。特に色素沈着は、肌の色が濃いタイプほど目立ちやすく、持続しやすいことが知られています。
ここで重要なのは、色素沈着を「焦って治療しない」ことです。刺激の強い追加治療や、自己判断の外用で炎症が増えると、かえって長引くことがあります。基本は、刺激を減らし、紫外線を避け、時間を味方にする方針が安全です。
盛り上がり(肥厚性瘢痕)は「場所」と「張力」がカギ
盛り上がりやすい場所がある
傷が赤く硬く盛り上がるタイプを肥厚性瘢痕と呼びます。これは「体質」だけでなく、皮膚の張力が強い場所(動く、引っ張られる、こすれる)で起こりやすい傾向があります。
特に、胸元・肩・背中・あご周り・首などは、盛り上がる瘢痕が問題になりやすい部位として知られています。
だから「取る前に、傷の説明が長い」方が安全です
ほくろを取る手技よりも、実は「取った後の経過」が満足度を左右します。部位によっては、最初から盛り上がりのリスクを説明し、ケア前提で治療計画を立てた方が結果が安定します。
当院で説明に時間をかけるのは、「不安を減らすため」だけではありません。後から困らないように、治療とケアの進め方を先にしっかり共有するためです。
当院の基本ケア:2週間は傷の薬、その後は傷跡ケアへ
最初の2週間:傷を乾燥させず、刺激から守る
レーザー後は、傷が落ち着くまでの初期に刺激が加わると、赤みや色素沈着が長引きやすくなります。そのため当院では、治療後の傷の薬(軟膏)を2週間使用していただきます。
目的は「炎症を起こさせないためです。
2週間後から:傷跡クリームで“成熟”を助ける
2週間を過ぎたら、傷の状態に応じて傷跡用クリームを使い、少しでも傷跡が目立ちにくい方向へ導くケアに移行します。
傷跡は時間で落ち着く部分が大きい一方、ケアの有無で差がつくこともあります。特に盛り上がりやすい部位は、「落ち着くまでの期間を一緒に走る」意識が重要です。
受診の目安:経過の範囲か、トラブルかを分ける
多くは正常経過の範囲で落ち着きますが、次の場合は早めに相談してください。
赤みが増えて広がる、強い痛みが続く
かゆみが強く、掻いてしまう
盛り上がりが強くなり、硬さが増してくる
早めにご相談いただくと、赤みの長引きや傷の盛り上がりを小さく抑えられることがあります。
まとめ:傷跡は消すより、「目立ちにくく落ち着かせる」
傷跡は基本的にゼロにはなりません。ただしレーザー治療では、時間と適切なケアでかなり目立ちにくくなることが多いのも事実です。
目安は約半年。赤み・色素沈着・盛り上がりにはそれぞれ理由があり、対策も違います。
日本人では色素沈着や盛り上がりが目立ちやすいケースもあるため、取る前から「傷跡の説明」と「ケアの設計」を丁寧に行うことが、最終的な満足度を高めます。




