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脂漏性角化症は皮膚科?形成外科?どこを受診するべき?
「顔に茶色いイボのようなものができてきた」
「シミだと思っていたら盛り上がってきた」
「年齢とともに増えてきた」。
このような症状で受診される方は少なくありません。診察すると、多くは脂漏性角化症、いわゆる「老人性イボ」です。
その際によく聞かれるのが、「皮膚科と形成外科、どちらを受診したらいいですか?」という質問です。インターネットで調べても、皮膚科、美容皮膚科、形成外科、美容外科などさまざまな情報が出てきます。そのため、どこへ行けばよいのかわからず、そのまま何年も放置している方も少なくありません。
しかし実際には、受診先によって診断や治療方法が大きく異なることがあります。
今回は形成外科専門医の立場から、脂漏性角化症はどこを受診するべきなのかを解説します。
まず本当に脂漏性角化症なのかが重要
患者さんの多くは、「老人性イボだから大丈夫ですよね」と言われます。しかし、実際にはそうとは限りません。脂漏性角化症によく似た病気には、悪性黒色腫、基底細胞がん、日光角化症、色素性母斑、後天性真皮メラノサイトーシスなどがあります。
特に黒くなった病変は、見た目だけで診断することは危険です。患者さんが「老人性イボだと思う」と言って受診された病変が、実際には別の病気だったということもあります。
重要なのは、「取ること」ではなく、「正しく診断すること」です。
皮膚科を受診した方がよいケース
皮膚科は皮膚疾患全般を診る専門科です。そのため、何かわからないできものがある、かゆみがある、赤みがある、急に増えてきた、がんが心配という場合は、皮膚科受診は良い選択です。
特に、短期間で急に増えた、出血する、形がいびつ、色がまだらという場合は、まず診断を優先するべきです。
ただし、皮膚科は診断の専門家ですが、必ずしも美容面を重視した治療を行うとは限りません。病気を治すことが第一の目的だからです。
形成外科を受診した方がよいケース
形成外科は、「病気を治す」だけでなく、「傷あとをできるだけ目立たなくする」ことを重視します。
脂漏性角化症で受診される患者さんの多くは、痛いから、かゆいからではありません。
「見た目が気になる」からです。
顔にたくさんある、老けて見える、ファンデーションでも隠れない、写真で目立つ。
このような理由で来院されます。
その場合、診断だけでは解決しません。実際に除去して見た目を改善する必要があります。
形成外科では診断だけでなく、除去後の傷あとまで考えた治療を行います。
老人性イボ治療で意外と多い誤解
患者さんの中には、「液体窒素で焼けば簡単に取れる」と思われている方もいます。確かに液体窒素治療は保険診療で行われることがあります。しかし顔面では注意が必要です。
液体窒素治療では、色素沈着、色抜け、再発が起こることがあります。また大きな脂漏性角化症では複数回の治療が必要になることもあります。結果として、何度も通院した、思ったほどきれいにならなかったというケースも少なくありません。
顔の脂漏性角化症には炭酸ガスレーザーという選択肢
脂漏性角化症は皮膚の比較的浅い部分に存在する病変です。そのため炭酸ガスレーザーとの相性がよい病気です。炭
酸ガスレーザーでは、病変部分を浅く削ることができるため、出血がほとんどない、短時間で終わる、多数を一度に治療できる、傷あとが目立ちにくいという利点があります。
特に顔に多数ある方では、手術よりも炭酸ガスレーザーの方が適している場合が多いと考えています。
手術で一つずつ切除すると、どうしても傷あとや治療回数の問題が出てきます。
顔に複数ある脂漏性角化症では、治療方法の選択が見た目の仕上がりに関わります。
結局どこを受診すればよいのか
診断だけを希望するのであれば皮膚科。
診断と治療の両方を希望するのであれば形成外科。
特に、顔にある、数が多い、傷あとが心配、レーザー治療を希望している。このような場合は形成外科への相談をおすすめします。
もちろん、すべての脂漏性角化症がレーザー治療の対象になるわけではありません。悪性腫瘍が疑われる場合や、診断がはっきりしない場合は、手術や病理検査が必要になることもあります。だからこそ、最初の診察が重要です。
放置しても自然には治りません
脂漏性角化症は良性腫瘍です。しかし自然に消えることもありません。多くの場合、年齢とともに少しずつ増え、少しずつ大きくなります。
患者さんの中には、「もっと早く来ればよかった」と言われる方も少なくありません。小さいうちの方が治療範囲も少なく、傷あとも目立ちにくい傾向があります。
顔の茶色い盛り上がりが気になる場合は、自己判断せず専門医へ相談することをおすすめします。
脂漏性角化症と思っていた病変が別の病気であることもありますし、適切な治療によって見た目の印象が大きく改善することも少なくありません。
まずは正確な診断を受けることが大切です。
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