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ワキガはなぜ起こる?アポクリン汗腺とにおいの仕組み
ワキガについて調べていると、「アポクリン汗腺」という言葉を目にすることがあります。
しかし、アポクリン汗腺とは何なのか、なぜそれがワキガの原因になるのか、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。
ワキガは、清潔にしていないから起こるものではありません。また、汗をたくさんかく人が必ずワキガになるわけでもありません。
ワキガには体質的な要因があり、アポクリン汗腺の発達や分泌物が大きく関係しています。
今回は、アポクリン汗腺とはどのような汗腺なのか、なぜ人の体にあるのか、そしてワキガのにおいがどのようにして生じるのかを解説します。
目次
Toggleワキガは病気ではなく体質によるもの
ワキガは正式には腋臭症(えきしゅうしょう)と呼ばれます。
特徴的なにおいがあるため悩みの原因になることがありますが、不潔だから起こるわけではありません。
ワキガのにおいには、アポクリン汗腺の発達や分泌物の量など、体質的な要因が関係しています。
毎日入浴して清潔にしていても、ワキガのにおいが生じることがあります。逆に、汗をたくさんかく方でも、必ずしもワキガ特有のにおいが強いとは限りません。
人には2種類の汗腺がある
人の体には、主に「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」という2種類の汗腺があります。
エクリン汗腺
エクリン汗腺は、ほぼ全身に分布しています。
主に体温調節のために働く汗腺で、運動をしたときや暑い日に出る汗の多くはエクリン汗腺から分泌されます。
エクリン汗腺から出る汗の大部分は水分で、分泌された直後には強いにおいはありません。
アポクリン汗腺
一方、アポクリン汗腺は、
・ワキ
・外耳道
・乳輪周囲
・陰部
など、限られた場所に分布しています。ワキガのにおいに深く関係しているのがアポクリン汗腺です。
アポクリン汗腺から出る分泌物には、水分のほかに脂質やたんぱく質など、さまざまな成分が含まれています。
これらの分泌物が皮膚表面の細菌によって分解されることで、ワキガ特有のにおいが生じます。

アポクリン汗腺はなぜあるの?
ワキガの原因になると聞くと、「そもそもアポクリン汗腺はなぜ人間の体にあるのだろう」と疑問に思う方もいるでしょう。
エクリン汗腺が主に体温調節を担っているのに対して、アポクリン汗腺の役割については、現在もすべてが明らかになっているわけではありません。
アポクリン汗腺は限られた部位に分布し、思春期になると発達して働きが活発になります。アポクリン汗腺の分泌物は、においによる情報伝達に関係してきた可能性も考えられていますが、その役割は明確には分かっていません。
そのため、「アポクリン汗腺はフェロモンを出すためにある」と断定することはできません。
アポクリン汗腺が存在すること自体は異常ではありません。アポクリン汗腺の数や大きさ、分泌量などには個人差があり、それがワキガのにおいにも関係しています。
アポクリン汗腺の汗は最初から臭いわけではない
アポクリン汗腺から出たばかりの分泌物には、強いにおいはありません。
分泌物が皮膚の表面に出ると、皮膚にいる常在菌によって分解されます。この過程で、ワキガ特有のにおいにつながる物質が生じます。
アポクリン汗腺から分泌
↓
皮膚の細菌が分解
↓
においが発生
つまり、ワキガのにおいは、アポクリン汗腺から出た分泌物そのものが強くにおうのではなく、皮膚の細菌によって分解されることで生じるものです。
なぜ人によってにおいの強さが違うのか
ワキガのにおいの程度には個人差があります。
その理由として、
・アポクリン汗腺の数や大きさ
・分泌物の量や成分
・皮膚の細菌環境
・発汗量
など、複数の要因が関係しています。
そのため、同じように汗をかいても、ワキガ特有のにおいが強く出る方もいれば、ほとんど気にならない方もいます。
単純に「汗の量が多い=ワキガが強い」というわけではありません。
ワキガは遺伝と関係がある
ワキガになりやすい体質には、遺伝が関係しています。
実際の診察でも、父親や母親がワキガだった、家族に同じ悩みを持つ人がいる、という話を聞くことは少なくありません。
ただし、親がワキガだからといって、子どもも必ずワキガになるわけではなく、においの程度にも個人差があります。
家族にワキガの方がいるというだけで判断せず、実際のにおいの程度を確認することが大切です。
思春期に気になり始める理由
ワキガのにおいは、思春期以降に目立ってくることが多くなります。
これは、思春期になるとアポクリン汗腺が発達し、その働きが活発になるためです。
そのため、思春期になってから本人や家族がにおいに気づくことがあります。
ただし、思春期に汗のにおいが気になるからといって、すべてがワキガとは限りません。
清潔にしていてもワキガは起こる
患者さんから、「毎日お風呂に入っているのにワキガになるのですか」と聞かれることがあります。
清潔にすることは、においを抑えるうえで大切です。しかし、入浴や洗浄によってアポクリン汗腺そのものがなくなるわけではありません。
入浴によって汗や皮膚表面の細菌などが洗い流され、一時的ににおいが軽くなっても、再びアポクリン汗腺から分泌物が出ると、においが生じることがあります。
そのため、「よく洗えばワキガが治る」「におうのは不潔だから」と考えるのは適切ではありません。
ワキガ治療ではにおいを減らす方法を考える
ワキガの治療には、においの程度や本人の困り方に応じて、制汗剤や手術などの方法があります。
制汗剤などを使用して、汗やにおいを抑える方法もあります。
一方、手術ではワキの皮膚の裏側にあるアポクリン汗腺をできるだけ取り除くことで、においの軽減を目指します。
ただし、すべての方に手術が必要なわけではありません。
本人が強く悩んでいても、診察するとワキガ特有のにおいがそれほど強くないこともあります。
まず現在のにおいの程度を確認し、そのうえで治療を希望するのか、どのような方法が適しているのかを考えることが大切です。
まとめ
ワキガのにおいには、ワキに存在するアポクリン汗腺が深く関係しています。
アポクリン汗腺から出た分泌物が皮膚の細菌によって分解されることで、ワキガ特有のにおいが生じます。
アポクリン汗腺は正常な体の構造ですが、その数や大きさ、分泌量などには個人差があります。
そのため、ワキガは不潔だから起こるものでも、汗をたくさんかくから起こるものでもありません。
また、アポクリン汗腺の役割については完全に解明されているわけではなく、「ワキガの原因になる不要な汗腺」と単純に考えるものでもありません。
ワキのにおいが気になる場合は、自分だけでワキガと判断せず、気になる場合は形成外科で相談してみてください。
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ワキのにおいが気になる方へ
「自分はワキガなのだろうか」「治療が必要な程度なのだろうか」と悩んでいる方は、まず診察で現在の状態を確認することをおすすめします。
当院では、最初から手術を前提にするのではなく、実際のにおいの程度や皮膚の状態を確認したうえで、治療の必要性や方法についてご説明しています。





