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ワキガになる原因とは?遺伝・汗・生活習慣との関係と治療法を解説
「毎日お風呂に入っているのに、わきのにおいが気になる」
「家族にワキガの人がいるので、自分もワキガなのではないか」
「汗をかくとにおいが強くなるけれど、これはワキガなのだろうか」
このような悩みを持つ方は少なくありません。
ワキガは、汗の量が多いことや、体を清潔にしていないことが原因で起こる病気ではありません。主にアポクリン汗腺から分泌される成分が、皮膚の細菌によって分解されることで、特有のにおいが発生します。ただし、汗の量や皮膚の清潔状態によって、においの強さが変わることはあります。
また、ワキガには遺伝的な体質が関係しており、思春期からにおいが目立ち始めることもあります。
この記事では、ワキガの原因や遺伝との関係、セルフチェックの方法、治療が必要になる場合について、形成外科専門医の立場から解説します。
ワキガの原因はアポクリン汗腺にある
わきには、主にエクリン汗腺とアポクリン汗腺という2種類の汗腺があります。
エクリン汗腺は全身に分布し、体温を調節するために汗を分泌します。汗の大部分は水分で、それ自体には強いにおいがありません。
一方、アポクリン汗腺は、わきの下や外陰部などに分布しています。分泌物には脂質やタンパク質などの成分が含まれており、皮膚表面の細菌によって分解されることで、ワキガ特有のにおいが発生します。
アポクリン汗腺の大きさや数、分泌量には個人差があります。ワキガの方では、アポクリン汗腺が発達している傾向があります。
つまり、ワキガの主な原因は汗の量ではなく、アポクリン汗腺からの分泌物と皮膚の細菌の働きにあります。
ワキガは遺伝する?
ワキガには遺伝的な要因が関係しています。
特に、ABCC11という遺伝子は、耳垢の性状やワキガの体質と深く関係していることが知られています。ABCC11遺伝子の型の違いによって、耳垢が湿っているか乾燥しているかが異なり、ワキガのなりやすさにも違いがあります。
両親のどちらかがワキガの場合、子どもにも同じ体質が受け継がれる可能性があります。ただし、親がワキガだからといって、子どもも必ずワキガになるわけではありません。
また、同じ家族でも、アポクリン汗腺の発達や分泌量などによって、においの程度には個人差があります。
家族にワキガの方がいることは判断材料の一つですが、家族歴だけでワキガと診断することはできません。
ワキガはなぜ思春期からにおいが強くなる?
ワキガのにおいは、思春期頃から目立ち始めることが多くあります。
これは、アポクリン汗腺が性ホルモンの影響を受けて発達し、分泌が活発になるためです。
小学生の頃には気にならなかったにおいが、中学生や高校生になってから強くなることもあります。
また、思春期は部活動や運動などで汗をかく機会が増えるため、衣類の蒸れによってにおいを感じやすくなることもあります。
ただし、成長期ににおいが気になり始めたからといって、すぐに手術が必要になるわけではありません。
本人がどの程度困っているのか、診察でワキガ特有のにおいが確認できるかを踏まえ、治療の必要性を判断することが大切です。
汗が多いとワキガになる?
汗が多いことと、ワキガであることは同じではありません。
ワキガは主にアポクリン汗腺が関係する「におい」の問題です。一方、多汗症は主にエクリン汗腺から必要以上に汗が出る「汗の量」の問題です。
そのため、汗が多くてもワキガではない方もいれば、汗の量がそれほど多くなくてもワキガの方もいます。両方を併発している場合もあります。
治療方法も異なり、ワキガではアポクリン汗腺を取り除く手術が選択肢になりますが、多汗症では外用薬やボツリヌス毒素注射などが用いられます。
「においを改善したい」のか「汗の量を減らしたい」のかによって、適した治療は異なります。
食生活や生活習慣がワキガの原因になる?
肉や脂っこい食事でワキガになる?
食事内容によって体臭が一時的に変化することはあります。
しかし、肉類や脂質の多い食事を取ることが、ワキガそのものの直接的な原因になるわけではありません。
また、特定の食品を控えるだけでワキガが治るという十分な医学的根拠もありません。においが気になるからといって、肉類や脂質を極端に制限する必要はありません。
ストレスや緊張でにおいが強くなる?
緊張したときやストレスを感じたときには、エクリン汗腺からの発汗だけでなく、アポクリン汗腺からの分泌も活発になることがあります。
そのため、わきのにおいが強くなる場合があります。
ただし、ストレスそのものがアポクリン汗腺の数を増やし、ワキガの体質を作るわけではありません。
不潔にしているとワキガになる?
ワキガは、清潔にしていないことが原因で発症する病気ではありません。
毎日入浴していても、アポクリン汗腺が発達している方ではワキガのにおいが生じることがあります。
一方、汗や分泌物が皮膚に長時間残ると、細菌による分解が進み、においが強くなる場合があります。
清潔を保つことは大切ですが、それだけでワキガの体質がなくなるわけではありません。
自分がワキガかどうか確認する方法
ワキガかどうかを考える際には、いくつかの特徴が参考になります。
- 耳垢が湿っている
- 衣類のわきの部分に黄色い汗じみがつきやすい
- 家族にワキガの方がいる
- 思春期頃からわきのにおいが気になり始めた
- 周囲の人からわきのにおいを指摘されたことがある
特に、耳垢が湿っていることは、ワキガの体質と関連する特徴の一つです。
ただし、これらに当てはまるからといって、必ずワキガというわけではありません。
また、自分自身のにおいは慣れによって感じにくくなる場合があります。反対に、実際には強いにおいがなくても、必要以上に気にしてしまうこともあります。
ワキガかどうかを正確に判断するためには、医療機関で診察を受けることが大切です。
ワキガの診察や治療については、こちらをご覧ください。
ワキガのにおいを抑えるためにできること
ワキガのにおいが軽い場合には、日常生活での対策によって症状が軽減することがあります。
具体的には、汗をこまめに拭き取る、衣類を清潔に保つ、通気性のよい服を選ぶ、制汗剤やデオドラント製品を使用するなどの方法があります。
わき毛を処理すると、汗や分泌物を拭き取りやすくなる場合もあります。
ただし、これらの方法は主ににおいを一時的に抑えるためのものです。アポクリン汗腺そのものを取り除くことはできないため、使用を中止すると再びにおいが気になることがあります。
日常的な対策を続けてもにおいが気になる場合は、医療機関で相談し、症状に応じた治療の必要性を判断することが大切です。
ワキガは治療できる?
ワキガの治療では、においの程度や日常生活への影響を確認し、治療方法を選びます。
においが軽い場合には、制汗剤やデオドラント製品などによる対策で十分なこともあります。一方、においが強く、日常生活に支障がある場合には、手術が選択肢になります。
皮弁法(剪除法)による手術
皮弁法は、わきの皮膚を切開し、皮膚の裏側にあるアポクリン汗腺を直接確認しながら取り除く手術です。においの原因となる汗腺を除去するため、長期的な改善が期待できます。
ただし、手術後もにおいが残る可能性があり、血腫、感染、皮膚壊死、傷あとなどの合併症のリスクがあります。
やまもと形成外科クリニックでは皮弁法による手術を行っており、診察で腋臭症と診断され、保険診療の適応基準を満たす場合には、健康保険が適用されます。
ミラドライなどの機器による治療
ミラドライは、マイクロ波の熱によって汗腺に作用する治療方法です。皮膚を切開せずに治療できますが、治療後もにおいが残ることがあり、腫れや痛み、熱傷、神経障害などのリスクもあります。
当院ではミラドライによる治療は行っていませんが、他院で治療を受けた後もにおいが残っている場合には、皮弁法による手術が可能かどうかを診察で判断しています。
ワキガの治療を受けるべきか迷っている方へ
ワキガの治療が必要かどうかは、実際のにおいの程度や日常生活への影響によって異なります。本人が強くにおいを気にしていても、診察では明らかなワキガのにおいが確認できない場合もあり、必ずしも手術が適切とは限りません。
一方、明らかなワキガのにおいがあり、日常生活に支障がある場合には、手術による改善が期待できます。治療効果と合併症のリスクを理解したうえで、手術を受けるかどうか判断することが大切です。
ワキガの原因に関するよくある質問
Q.親がワキガだと子どももワキガになりますか?
遺伝的な要因が関係していますが、親がワキガでも子どもが必ずワキガになるわけではありません。
Q.耳垢が湿っているとワキガですか?
耳垢の湿り気はワキガの体質と関連しますが、それだけで診断することはできません。
Q.汗をたくさんかくとワキガになりますか?
汗をたくさんかくことが、ワキガの直接的な原因になるわけではありません。ただし、汗によってにおいが強く感じられることはあります。
Q.ワキガは自然に治りますか?
年齢などによってにおいが弱くなることはありますが、自然に完全に治るとは限りません。
Q.ワキガは手術をすれば完全に治りますか?
皮弁法によって大幅な改善が期待できますが、完全に無臭になるとは限りません。
まとめ|ワキガの原因を知ることが治療の第一歩
ワキガの主な原因は、アポクリン汗腺から分泌された成分が皮膚の細菌によって分解されることです。
遺伝的な体質が関係しており、思春期頃からにおいが目立ち始めることがあります。一方、食事や生活習慣がワキガの直接的な原因になるわけではありません。
においが気になる場合は、まずワキガかどうかを確認し、症状に合った対策や治療を選ぶことが大切です。
新潟市でワキガの診察・治療をお考えの方へ
やまもと形成外科クリニックでは、形成外科専門医がワキガの診察を行い、においの程度や汗の量を確認したうえで、治療方法をご説明しています。
当院では、アポクリン汗腺を直接取り除く皮弁法による手術を行っており、診察で腋臭症と診断され、保険診療の適応基準を満たす場合には、健康保険が適用されます。
ただし、すべての患者さんに手術が必要なわけではありません。手術の効果だけでなく、血腫や皮膚壊死、傷あとなどの合併症についても説明し、治療の適応を慎重に判断しています。
「自分がワキガなのかわからない」「汗とにおいの両方が気になる」「ワキガの手術を受けるべきか迷っている」という方は、一度ご相談ください。
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