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ワキガと多汗症の違い|汗を減らすとにおいも改善する?
「わきの汗が多いので、ワキガだと思います」
診察で、このような相談を受けることがあります。しかし、汗が多いこととワキガであることは、必ずしも同じではありません。
ワキガは主に「におい」が問題となる病気で、多汗症は「汗の量」が問題となる病気です。両方を併発している患者さんもいますが、原因も治療方法も異なります。
この違いを理解しないまま治療を受けると、汗は減ってもにおいが十分に改善しなかったり、ワキガの手術を受けても汗の量が気になったりすることがあります。
大切なのは、においを改善したいのか、汗の量を減らしたいのかを明確にすることです。
ワキガと多汗症では原因となる汗腺が違います
わきには、主にアポクリン汗腺とエクリン汗腺という2種類の汗腺があります。
ワキガは、アポクリン汗腺から分泌される成分が皮膚の細菌によって分解され、特徴的なにおいが生じる病気です。一方、多汗症は主にエクリン汗腺からの発汗が過剰になる病気です。わきだけでなく、手のひらや足の裏、顔などにも起こります。
ワキガでも汗をかきますし、多汗症でも汗によるにおいが気になることがあります。しかし、汗の量が多いからといって、ワキガとは限りません。また、ワキガの患者さんの中には、汗の量はそれほど多くないのに、においが強い方もいます。
汗を止めればワキガのにおいもなくなる?
多汗症の治療で汗の量が減ると、わきの蒸れが改善し、においが軽くなることがあります。しかし、汗を減らすことと、ワキガの原因となるアポクリン汗腺を取り除くことは別です。
例えば、ボツリヌス毒素注射は、主にエクリン汗腺からの発汗を抑える治療です。重度の原発性腋窩多汗症では、一定の条件を満たすと保険が適用されます。ただし、汗が減っても、ワキガ特有のにおいが十分に改善しないことがあります。
ワキガのにおいを改善したい患者さんに、汗を抑える治療だけを行っても、期待した結果が得られるとは限りません。
ワキガと多汗症を併発している患者さんもいます
実際の診療では、ワキガと多汗症の両方が問題になっている患者さんもいます。においだけでなく、汗染みが目立つために何度も着替えたり、服の色を選んだりしている方もいます。
このような場合には、においと汗の量を別々に評価する必要があります。ワキガの手術では、においの原因となるアポクリン汗腺をできるだけ取り除きます。手術によって汗の量が減ることもありますが、多汗症まで必ず改善するわけではありません。
両方の症状がある場合には、それぞれの症状に応じた治療を検討することが大切です。
ワキガの手術は効果が期待できますが、負担もあります
ワキガのにおいを根本的に改善する方法の一つが、アポクリン汗腺を取り除く手術です。
当院では、皮弁法によるワキガ手術を行っています。皮膚を切開し、その裏側にあるアポクリン汗腺をできるだけ取り除く方法です。十分に除去できれば、においの大幅な改善が期待できます。
しかし、手術には出血や血腫、皮膚壊死、傷跡などの合併症のリスクがあります。また、術後にはわきの安静や一定期間の運動制限が必要です。
においが気になるからといって、すべての患者さんに手術をすすめるわけではありません。においの程度や患者さんの希望、手術による負担を考慮して治療方法を決めることが重要です。
ワキガ手術の方法や合併症については、ワキガ治療の総合ガイドで詳しく説明しています。
耳垢が湿っているだけでワキガとは診断できません
ワキガには遺伝的な要因が関係しており、家族にワキガの方がいる場合や、耳垢が湿っている場合には、ワキガの可能性が高くなります。しかし、耳垢が湿っているからといって、必ずワキガとは限りません。また、衣類の黄ばみだけでワキガと判断することもできません。
診察では、実際のにおいの程度や汗の量、日常生活への影響などを確認します。自分では強いにおいがあると思っていても、診察では明らかなワキガのにおいを確認できない場合もあります。そのような場合に、無理に手術を行うべきではありません。
ワキガと多汗症は、治療の目的を分けて考えることが大切です
ワキガの治療では、においをどこまで改善したいのかが重要です。一方、多汗症では、汗の量を減らして日常生活への支障を軽くすることが治療の目的になります。
市販のデオドラント製品や制汗剤で症状が軽くなる場合もありますが、効果には限界があります。ワキガのにおいが強い場合には手術を、多汗症が問題であれば外用薬やボツリヌス毒素注射などを検討します。
大切なのは、においと汗のどちらが問題なのかを見極め、症状に合った治療を選ぶことです。
新潟市でワキガ・多汗症にお悩みの方へ
やまもと形成外科クリニックでは、形成外科専門医がワキガの診察を行い、においの程度や汗の量を確認したうえで、治療方法をご説明しています。
ワキガの手術には、症状や適応によって健康保険が適用される場合があります。ただし、すべての患者さんに手術が必要なわけではありません。
「自分はワキガなのか、多汗症なのかわからない」「汗もにおいも気になる」「手術を受けるべきか迷っている」という方も、お気軽にご相談ください。
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