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ほくろ除去は「保険の方が安い」は本当?形成外科医が教える総コストとレーザー・手術の選び方
「保険なら安い」とは単純に言い切れません
「ほくろ除去は保険でできますか?」
「保険なら安いのでしょうか?」
初診でよくいただく質問です。
保険診療は、医学的に治療が必要と判断された場合に適用されます。
ただし、ほくろ除去ならすべて保険が使えるわけではありません。
見た目が気になるという美容目的でほくろを除去する場合は、原則として自由診療となります。
一方、診察の結果、医学的に切除や病理組織検査が必要と判断された場合には、保険診療となることがあります。
そのため、「保険と自費のどちらが安いか」を先に考えるのではなく、まずそのほくろにどの治療が適しているのかを診断することが大切です。
そのうえで、治療費だけでなく、必要な通院回数や治療後のケアまで含めて考えると、実際の負担が分かりやすくなります。
レーザーと手術は、費用だけで決めるものではありません
ほくろ除去には、大きく分けて炭酸ガスレーザーによる治療と、メスで切除して縫合する手術があります。
どちらが適しているかは、ほくろの大きさや深さ、盛り上がり、できている場所、悪性を疑う所見の有無などによって異なります。
1.レーザー治療(自由診療)の特徴と費用
炭酸ガスレーザーは、ほくろを蒸散させて除去する治療です。
診察で悪性を疑う所見がなく、レーザー治療の適応がある場合には、診察当日に治療できることがあります。
小さなほくろや隆起したほくろのほか、頭皮やまぶたの縁など、ほくろの位置や大きさ、治療後の傷跡を考えてレーザーを選択することがあります。
治療時間は、1個であれば数分程度です。複数のほくろでも、状態によっては同じ日に治療することができます。
レーザー治療では縫合や抜糸は必要ありません。治療後は傷の状態を確認するために再診を行い、必要に応じて追加の診察を行います。
当院の炭酸ガスレーザーによるほくろ除去の費用は、
- 3mmまで:6,600円(税込)
- 5mmまで:11,000円(税込)
- 初診料:2,970円(税込)
- 軟膏・テープ:550円(税込)
- 局所麻酔料:治療費に含まれます
となっています。
そのため、初診当日に1個治療した場合の総額は、3mmまでなら10,120円(税込)、5mmまでなら14,520円(税込)です。
複数のほくろを治療した場合など、必要に応じて痛み止めを処方することがありますが、その費用も治療費に含まれます。
※料金は変更になる場合があります。最新の料金はホームページでご確認ください。
2.切除手術では保険診療となることがあります
ほくろの状態によっては、レーザーではなく切除手術を選択します。
特に悪性腫瘍との鑑別が必要な場合や、病理組織検査が必要と判断した場合には、診断を優先します。
切除手術では、ほくろをメスで切除して縫合し、切除した組織を病理組織検査に提出することができます。
医学的に治療が必要と判断され、保険診療の対象となる場合には、自己負担割合に応じた費用で治療を受けることができます。
ただし、手術をすれば必ず保険が使えるというわけではありません。美容目的の切除は、原則として自由診療となります。
切除手術では、傷の確認や抜糸などのために複数回の通院が必要になることがあります。
「保険の方が安い」と言い切れない理由
治療費だけでなく、通院回数も違います
保険診療では、自己負担割合に応じて医療費の負担が軽減されます。
そのため、治療そのものの自己負担額だけを比較すると、保険診療の方が低くなる場合があります。
しかし、レーザーと切除手術では、そもそも治療内容が異なります。
切除手術では、手術だけでなく、術後の傷の確認や抜糸などのために通院が必要になることがあります。
一方、レーザー治療では抜糸は必要ありません。
仕事や学校などで通院できる日が限られている方にとっては、治療費だけでなく、何回くらい通院する必要があるのかも治療を選ぶうえで確認しておきたい点です。
ただし、通院回数が少ないからレーザーの方が優れているということではありません。
病変の状態によっては、複数回の通院が必要であっても、切除して病理組織検査を行うことの方が重要です。
レーザー治療後の「茶色」は再発とは限りません
治療後に、
「また茶色くなってきた」
「ほくろが戻ってきたのでは?」
と心配される方がいます。
しかし、治療した部分が茶色く見えるからといって、必ずしもほくろが再発したとは限りません。
レーザー治療による炎症のあとに、一時的に色素が増える炎症後色素沈着(PIH)が起こることがあります。
PIHとほくろの再発では対応が異なります。そのため、色が出てきたからといって自己判断で追加治療を行うのではなく、まず傷の状態を確認することが大切です。
再発を防ぐために深く削ればよいわけではありません
炭酸ガスレーザーによるほくろ除去では、「再発しないように最初から深く削った方がよいのでは」と思われるかもしれません。
しかし、必要以上に深く削ると、治療後の凹みや傷跡が目立つ原因になることがあります。
一方、ほくろの細胞が深いところまで存在している場合には、正常な皮膚への負担を抑えて治療することで、一部に再び色や盛り上がりが出てくることがあります。
そのため、再発を完全に避けることだけを目的に深く削るのではなく、傷跡とのバランスを考えて治療することが大切です。
当院では、再発した場合も傷跡の経過を確認し、原則として初回治療から半年を過ぎてから再照射しています。
1年以内に再発した場合の費用
炭酸ガスレーザー治療を行ったほくろが1年以内に再発した場合には、再診料550円(税込)のみで再照射しています。
再照射料や局所麻酔料はかかりません。
複数のほくろを治療し、そのうち何個かが再発した場合でも、再照射するほくろごとに料金が加算されるわけではありません。
ただし、再び色が出ているように見えても、炎症後色素沈着の場合があります。
再照射が必要かどうかは診察で傷の状態を確認したうえで判断します。
保険診療が適しているかは、大きさだけでは決まりません
「何mm以上なら保険になりますか?」
と聞かれることがありますが、ほくろの大きさだけで保険適用かどうかを決めることはできません。
また、大きいから悪性、小さいから良性というわけでもありません。
以前より大きくなってきた、形が左右非対称になってきた、輪郭が不規則になってきた、一つの病変の中に色の濃淡がある、出血や潰瘍などの変化がある場合には、一度診察を受けることをおすすめします。
こうした所見があるからといって必ず悪性というわけではありませんが、悪性腫瘍との鑑別が必要と判断した場合には、美容目的のレーザー治療より診断を優先します。
治療後の生活も考えて治療方法を選びます
ほくろ除去では、治療費だけでなく、治療後の生活についても確認しておくことが大切です。
レーザー治療後は傷を軟膏やテープで保護します。
顔の場合は最初のテープを1日程度、体の場合は4〜5日程度使用しています。傷の状態に応じて、その後も軟膏などによるケアを続けます。
切除手術の場合には、傷の状態や部位によって、術後の診察や抜糸が必要になります。
「仕事はいつからできるのか」
「洗顔や入浴はいつからできるのか」
「テープは何日必要なのか」
など、治療後の生活も含めて確認しておくと、治療を受ける時期を決めやすくなります。
ほくろ除去で後悔しないために大切なこと
ほくろ除去では、「保険だから安い」「自由診療だから高い」と単純に考えることはできません。
大切なのは、
- まず、そのほくろにどの治療が適しているのかを診断する
- 治療前に費用の総額と、治療後の通院やケアについて確認する
ことです。
費用だけで治療方法を決めてしまうと、診断や傷跡といった、より大切な部分を見落としてしまうことがあります。
ほくろ除去に関するよくある勘違い
「保険なら必ず安く取れる」
保険診療になるかどうかは、患者さんが保険を希望するかではなく、医学的に治療が必要かどうかによって判断されます。
「レーザーなら跡が残らない」
レーザー治療でも傷跡は残ります。
時間とともに赤みや硬さが落ち着き、少しずつ目立ちにくくなっていきますが、「跡が完全に消える」とは言い切れません。
「茶色くなったら再発」
治療後の茶色い色が、必ずしもほくろの再発とは限りません。
炎症後色素沈着の場合もあるため、再照射が必要かどうかは傷の状態を確認して判断します。
まとめ|治療費だけでなく、治療全体で考えましょう
保険診療は、医学的に治療が必要と判断された場合に患者さんの費用負担を軽くする大切な制度です。
一方、美容目的で炭酸ガスレーザーによるほくろ除去を行う場合は自由診療となります。
どちらが「得か、損か」ということではありません。
ほくろの状態によって、レーザーが適している場合もあれば、切除手術や病理組織検査を優先すべき場合もあります。
大切なのは、まず診断を受け、そのうえで治療費の総額、傷跡、必要な通院回数、治療後のケアまで確認して治療方法を選ぶことです。
「保険で取れるのか知りたい」
「レーザーと手術のどちらが自分に合っているのか分からない」
「治療にかかる費用や通院回数が心配」
という方も、まずは診察でご相談ください。
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