ブログBlog
気になるお悩みや最新治療について、ぜひ参考になさってください。
粉瘤はなぜ再発する?袋を残さないことが重要な理由
「以前、粉瘤の手術を受けたのですが、また同じ場所にできました。」
このような相談で受診される患者さんは少なくありません。
「粉瘤は再発しやすい病気なのでしょうか。」
そう質問されることがありますが、実際には少し違います。
粉瘤そのものが再発しやすい病気なのではありません。
再発する最大の理由は、粉瘤の袋(嚢胞壁)が残っていることです。
粉瘤は、皮膚の下にできた袋の中へ角質や皮脂が少しずつたまって大きくなる病気です。袋が完全に取り除かれなければ、再び内容物がたまり、同じ場所に粉瘤ができます。
つまり、再発を防ぐために最も重要なのは、中身を出すことではなく、袋を残さず摘出することなのです。
粉瘤は「袋」を取らなければ治りません
患者さんの中には、
「膿を出したから治った」
「中身を全部絞ったから大丈夫」
と思われる方もいます。
粉瘤の原因は、中にたまった内容物ではありません。
その内容物を作り続ける袋こそが原因です。
袋が残れば、時間の経過とともに再び角質がたまり、元の大きさへ戻ってしまいます。
だからこそ、粉瘤治療の目的は「中身を出すこと」ではなく、「袋ごと摘出すること」なのです。
なぜ袋が残るのでしょうか
粉瘤の手術は、一見すると簡単な手術に思われるかもしれません。
しかし、実際にはそれほど単純ではありません。
袋は非常に薄く、炎症を起こすと周囲の組織と強く癒着します。
途中で破れれば、どこまでが袋で、どこからが正常組織なのか分かりにくくなることもあります。
そのため、炎症が強い場合は、まず切開排膿で炎症を落ち着かせ、その後に改めて摘出術を行うことが少なくありません。
無理に摘出すると袋の一部が残り、再発の原因になる可能性があるからです。
傷の小ささだけで治療法を選ぶべきではありません
粉瘤の手術には、くりぬき法という方法があります。
小さな穴を開け、内容物を取り出し、その穴から袋を引き出す術式です。
傷が小さく、適応を選べば有効な治療法です。
しかし、すべての粉瘤に適しているわけではありません。
袋が大きい場合や、炎症を繰り返して癒着が強い場合には、袋が途中で破れたり、一部が残ったりすることがあります。
袋が残れば、再発する可能性は高くなります。
もちろん、くりぬき法そのものが悪い治療法というわけではありません。
しかし、傷を小さくすることと、再発させないことは必ずしも同じではありません。
傷跡を小さくすることを優先した結果、袋が残って再発すれば、再び手術が必要になります。
粉瘤手術で最も重要なのは、傷を数ミリ小さくすることではなく、袋を確実に摘出し、再発を防ぐことです。
一度で終わる治療が患者さんの負担を減らします
再発すると、患者さんは再び通院し、診察を受け、手術の日程を決めなければなりません。
感染していれば、まず切開排膿を行い、炎症が治まるのを待ってから摘出術を受けることになります。
身体的な負担だけではありません。
何度も通院し、仕事や学校を休まなければならないこともあります。
最初の手術で袋を確実に摘出できれば、多くの場合、その治療で終了します。
形成外科では、傷跡をできるだけ目立たなく仕上げることはもちろん大切ですが、それと同じくらい再発させないことを重視します。
傷が小さくても再発すれば、患者さんはもう一度手術を受けなければなりません。
それでは、本当に患者さんの負担を減らしたことにはならないでしょう。
まとめ
粉瘤が再発する最大の原因は、袋が残っていることです。
中身だけを取り除いても、袋が残れば再び内容物がたまり、同じ場所に粉瘤ができます。
粉瘤の治療で最も重要なのは、中身を出すことでも、傷を小さくすることでもありません。
袋を確実に摘出し、再発を防ぐことです。
「以前手術を受けたのにまた同じ場所にできた」「何度も腫れを繰り返している」という場合は、袋が残っている可能性があります。
繰り返す粉瘤でお悩みの方は、一度形成外科専門医にご相談ください。
関連ブログ
1)粉瘤が潰れて膿が出た!自分で絞ってしまった時の対処法を形成外科専門医が解説
粉瘤が潰れて膿が出ても、治ったわけではありません。自分で絞る前に知っておきたい正しい対処法を、形成外科専門医が解説しています。
2)粉瘤が赤く腫れて痛い時の対処法|当日切開排膿→根治手術まで
炎症を起こした粉瘤では、すぐに摘出できないことがあります。切開排膿から根治手術までの流れを紹介します。
3)粉瘤手術は日帰りできる?時間・痛み・流れ――形成外科が術後ケアまでていねいに解説
再発を防ぐためには、袋を確実に摘出することが大切です。日帰り手術の流れや術後の注意点を詳しく解説します。
▶ 粉瘤(アテローム)摘出手術について詳しくはこちら(公式サイトへ)
当院で行っている粉瘤手術の具体的な流れや費用(保険診療)、リスクについては、ホームページの「粉瘤(アテローム)摘出手術」ページにて詳しくご確認いただけます。形成外科専門医が、再発予防と仕上がりの美しさを両立した治療をご提案します。
▶ ご相談・ご予約はこちらから
「そのしこり、粉瘤(アテローム)かもしれません」 当院では形成外科専門医がしこりの性質を正しく診断し、再発リスクを最小限に抑えつつ、傷跡をきれいに治すための最適な術式をご提案します。
「以前、他院で処置したけれど再発してしまった」というご相談も多くいただいております。無理な勧誘はございませんので、まずは気軽にご相談ください。





