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老人性イボは自然に取れる?市販薬で治る?形成外科専門医が解説
老人性イボは、医学的には脂漏性角化症と呼ばれる良性腫瘍です。顔、首、こめかみ、頭皮、胸、背中などによくみられます。
最初は小さなシミのように見えることが多く、「最近シミが濃くなってきた」と思っていたら、少しずつ盛り上がり、イボのような形になってきます。
40代以降になると目立ち始めることが多く、年齢とともに数が増える傾向があります。老化や紫外線の影響が関係していると考えられており、誰にでも起こりうる皮膚の変化です。
「ただのシミ」と思って放置していても、自然に平らになるわけではありません。黒く盛り上がってくると、実年齢より老けて見える原因になることもあります。
病気?
老人性イボは、医学的には脂漏性角化症と呼ばれる良性腫瘍です。顔、首、こめかみ、頭皮、胸、背中などによくみられます。
最初は小さなシミのように見えることが多く、「最近シミが濃くなってきた」と思っていたら、少しずつ盛り上がり、イボのような形になってきます。
40代以降になると目立ち始めることが多く、年齢とともに数が増える傾向があります。老化や紫外線の影響が関係していると考えられており、誰にでも起こりうる皮膚の変化です。
「ただのシミ」と思って放置していても、自然に平らになるわけではありません。黒く盛り上がってくると、実年齢より老けて見える原因になることもあります。
自然に取れることはありません
患者さんの中には、「かさぶたみたいにポロッと取れませんか?」と聞かれる方がおられます。
しかし老人性イボは、かさぶたではありません。皮膚の細胞が増殖してできた良性腫瘍です。
そのため、自然に消えたり、小さくなったり、平らになったりすることは基本的にありません。
もちろん、衣類やタオルで擦れて表面の一部が剥がれることはあります。しかし、それで根本的に治るわけではありません。多くの場合は病変が残ります。
むしろ放置している間に、少しずつ大きくなったり、色が濃くなったり、数が増えたりすることがあります。
診察では、「10年前は一つだったのに、気づいたら顔中に増えていた」と相談される方も少なくありません。
市販薬で治るのでしょうか
インターネットを見ると、
イボ取りクリーム
イボ取りジェル
漢方薬
サプリメント
などが数多く販売されています。
広告を見ると、
「塗るだけで改善」
「簡単に取れる」
と書かれていることもあります。
しかし脂漏性角化症に対して、確実な効果が証明されている市販薬はありません。実際に、
「半年間塗り続けました」
「1年以上続けました」
という患者さんもおられます。
しかし診察すると病変はほとんど変わっていないか、むしろ大きくなっていることが少なくありません。
市販薬に期待して何年も様子を見るより、早めに診察を受けた方が結果的に時間も費用も無駄にならないことが多いのです。
ここで一番まぎらわしいのは、「イボ」という言葉です。
患者さんは「イボ」と聞くと、どれも同じものだと思いがちです。しかし実際には、イボにはいくつもの種類があります。
一般的なイボの中には、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因でできる尋常性疣贅があります。市販のイボ取り薬の多くは、このようなウイルス性イボを対象にしたものです。
一方、老人性イボ(脂漏性角化症)はウイルス感染ではありません。老化や紫外線などの影響で皮膚の細胞が増えてできる良性腫瘍です。
同じ「イボ」という名前がついていても、ウイルス性イボと脂漏性角化症では治療法が違います。そこを混同して、市販のイボ取り薬を塗り続けても、期待した効果は得られません。
自分で削るのは危険です
最近ではインターネットや動画サイトで、
- ハサミで切る
- 爪切りで削る
- ヤスリで削る
- 市販機器で焼く
といった方法が紹介されていることがあります。
しかし、患者さんが老人性イボだと思っていても、
- 悪性黒色腫(メラノーマ)
- 基底細胞がん
- 日光角化症
などの皮膚腫瘍であることがあります。
もし皮膚がんだった場合、自分で傷つけることは危険です。
また、出血・感染・傷あと・色素沈着
の原因にもなります。
脂漏性角化症そのものは良性腫瘍です。
そのため、脂漏性角化症と診断されれば過度に心配する必要はありません。
しかし問題は、患者さん自身が「これは老人性イボだろう」と思い込んでしまうことです。
実際には、脂漏性角化症に似て見える病変の中に、悪性黒色腫、基底細胞がん、日光角化症などが隠れていることがあります。特に、急に大きくなった、出血する、色がまだら、形がいびつ、といった変化がある場合は注意が必要です。
見た目だけで「老人性イボだから大丈夫」と決めつけるのは危険です。市販薬を塗ったり、自分で削ったりする前に、まず本当に脂漏性角化症なのかを確認する必要があります。
診察では、ダーモスコープという拡大鏡を用いて病変を詳しく観察します。診断がはっきりしない場合や悪性が疑われる場合には、病理検査を検討します。
老人性イボを取るかどうかの前に、まず正しく診断することが重要です。
そこを飛ばして自己判断で対応することが、一番危険です。
ではどうやって治療するのか
脂漏性角化症の治療には、液体窒素、手術、炭酸ガスレーザーなどがあります。
どの治療が適しているかは病変の大きさや部位、診断によって異なります。
その中でも、顔や首など目立つ部位の脂漏性角化症では、炭酸ガスレーザーが有力な治療選択肢になります。
脂漏性角化症は皮膚の比較的浅い部分に存在するため、炭酸ガスレーザーを用いることで病変を除去しやすいという特徴があります。
また、出血が少なく、短時間で治療できることも利点です。
特に顔に複数存在する場合は、手術で一つずつ切除するよりも治療の負担が少なく、傷あとも目立ちにくいため、炭酸ガスレーザーが適していることが少なくありません。
まとめ
老人性イボ(脂漏性角化症)は、自然には消えません。市販薬やサプリメントで確実に治すこともできません。
「そのうち消えるだろう」と思って数年放置しても、多くの場合は消えません。むしろ少しずつ大きくなったり、数が増えたりして、顔や首で目立つようになります。
脂漏性角化症は良性腫瘍ですので、慌てる必要はありません。しかし、黒く盛り上がって見えるため、顔にあると実年齢より老けて見られることがあります。
気になるなら、市販薬を探し続けるより、まず専門医の診察を受ける方が現実的です。小さいうちの方が治療範囲も少なく、見た目への影響も少なく済むことが多いからです。
当院では、脂漏性角化症に対して炭酸ガスレーザー治療を行っています。自然に消えるのを待つのではなく、気になる段階で一度ご相談ください。まず本当に老人性イボなのかを確認することが、適切な治療への第一歩です。
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