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老人性イボをレーザーで取るメリット・デメリット|形成外科専門医が解説
老人性イボが増えてきて気になっていませんか?
鏡を見るたびに顔や首の茶色い盛り上がりが増えている。
「シミだと思っていたら盛り上がってきた」
「年齢とともに数が増えてきた」
「首にたくさんできて気になる」
「化粧でも隠れなくなった」
このような相談は形成外科外来で非常に多くあります。
老人性イボは医学的には脂漏性角化症と呼ばれる良性腫瘍です。年齢とともに増えることが多く、顔や首、胸などによくみられます。
健康上の問題になることは少ないものの、見た目が気になるため治療を希望される方は少なくありません。
その治療法として広く行われているのが炭酸ガスレーザー治療です。
しかし患者さんからは、
「レーザーなら簡単に取れるのでしょうか」
「傷跡は残りませんか」
「手術とどちらが良いのでしょうか」
と疑問を持つ方も多いと思います。
今回は老人性イボに対する炭酸ガスレーザー治療のメリットとデメリットについて、形成外科専門医の立場から解説します。
老人性イボの治療方法
老人性イボの治療にはさまざまな方法があります。
液体窒素による凍結療法、電気焼灼、手術による切除などがありますが、顔や首に多数存在する老人性イボに対してよく行われるのが炭酸ガスレーザーです。
炭酸ガスレーザーは組織中の水分に反応し、病変を蒸散させて除去する治療です。
皮膚表面の病変を効率よく取り除くことができるため、多くの医療機関で採用されています。
炭酸ガスレーザーのメリット
多数の老人性イボを短時間で治療できる
炭酸ガスレーザー最大のメリットは、一度に多くの病変を治療できることです。
手術の場合、一つひとつ切除して縫合する必要があります。
数個であれば問題ありませんが、顔や首に数十個ある場合は現実的ではありません。
一方、炭酸ガスレーザーであれば多数の病変を短時間で処置できます。
当院でも一度に数十個、多い場合には100個近い老人性イボを治療することがあります。
これは手術では難しい炭酸ガスレーザーならではの大きなメリットです。
傷跡が比較的目立ちにくい
老人性イボは皮膚表面に存在する病変です。
そのため適切な深さでレーザー照射を行えば縫合の必要がありません。
特に顔では治療後の傷跡が目立ちにくく、自然な仕上がりが期待できます。
出血が少ない
炭酸ガスレーザーには止血作用があります。
切除手術と比較すると出血は少なく、治療後の管理も比較的容易です。
高齢の方でも受けやすい治療といえるでしょう。
レーザー治療は簡単そうに見えて実は難しい
患者さんの中には、
「レーザーで削るだけだから簡単な治療でしょう」と思われる方もいます。
しかし実際にはそれほど単純な治療ではありません。
私は形成外科医として四十年以上診療を続けてきましたが、老人性イボは一つとして同じものはありません。
薄いものもあれば厚く盛り上がったものもあります。
柔らかいものもあれば硬いものもあります。
浅く削れば取り残しになります。
逆に深く削りすぎれば色素沈着や傷跡の原因になります。どこまで削るのか。
どの深さで止めるのか。
その判断は教科書だけでは身につきません。
実際の治療では病変ごとに状態を見ながら、一つひとつ削る深さを調整しています。
炭酸ガスレーザーは機械を持っているだけで結果が出る治療ではありません。
術者の経験によって仕上がりに差が出る治療だと考えています。
治療後のケアが結果を左右する
患者さんが意外と知らないのが術後ケアの重要性です。
実はレーザー照射そのものだけでなく、その後の管理も治療結果に大きく影響します。
照射直後は擦り傷のような状態になります。
この時期に適切な保護を行わないと、
- 色素沈着
- 赤みの長期化
- 治癒の遅れ
などが起こることがあります。
レーザー治療は照射して終わりではありません。
治療後の傷跡ケアまで含めて治療なのです。
当院では治療後のケア方法についても詳しく説明しています。
炭酸ガスレーザーのデメリット
色素沈着が起こることがある
日本人では治療後に色素沈着が起こることがあります。
多くは時間とともに改善しますが、数か月続く場合もあります。
紫外線対策や術後管理が重要になります。
再発することがある
老人性イボは加齢変化の一つです。
現在ある病変を除去しても、新しい病変が将来出てくることがあります。
また、ごく一部では取り残しにより再発することもあります。
病理検査ができない場合がある
典型的な老人性イボであれば診察だけで診断できることがほとんどです。
しかし、まれに皮膚癌が老人性イボに似た見た目をしていることがあります。
そのため診断に迷う場合には注意が必要です。
炭酸ガスレーザー治療では病変全体が蒸散してしまうため、治療後に病理検査を行うことはできません。
しかし治療前に病変の一部を採取し、病理検査を行うことは可能です。
当院でも診断に迷う場合には、まず一部を採取して病理検査を行い、その結果を確認したうえで残りの病変を炭酸ガスレーザーで治療することがあります。
大切なのはレーザーができるかどうかではなく、治療前に正確な診断を行うことです。
老人性イボのレーザー治療は保険適用になる?
見た目の改善を目的として老人性イボを除去する場合、多くは自費診療となります。
ただし病変の状態や治療内容によっては保険診療が適用される場合もあります。
保険適用の可否は病変ごとに判断が必要です。
詳しくは診察時にご相談ください。
手術とレーザーはどちらが良いのか
どちらが優れているというわけではありません。
病変の数、大きさ、部位、診断によって適した治療法は異なります。
数が多い老人性イボであれば炭酸ガスレーザーが有利です。
一方で悪性腫瘍が疑われる場合や大きな病変では切除手術が適していることがあります。
大切なのは自己判断ではなく、診察を受けたうえで適切な治療法を選択することです。
このような方はご相談ください
- 顔の老人性イボが増えてきた
- 首のイボがたくさんあって気になる
- シミだと思っていたものが盛り上がってきた
- 一度にまとめて取りたい
- 傷跡をできるだけ目立たせたくない
- 手術とレーザーのどちらがよいか相談したい
老人性イボは良性腫瘍ですが、数が増えると見た目の悩みにつながります。
また、中には老人性イボと思っていたら別の病変だったというケースもあります。
気になる病変がある場合は早めの受診をおすすめします。
まとめ
老人性イボ(脂漏性角化症)は良性腫瘍ですが、顔や首に増えてくると見た目の悩みにつながります。
炭酸ガスレーザーは、多数の老人性イボをまとめて治療しやすい有効な方法です。ただし、病変の深さを見極める経験や、治療後の適切なケアが仕上がりに影響します。
診療をしていると、「もっと早く取ればよかった」と話される患者さんも少なくありません。
老人性イボは年齢とともに増える傾向があります。気になり始めた時が相談のタイミングです。
老人性イボでお悩みの方は、まずは形成外科専門医にご相談ください。診察のうえで適切な治療方法をご提案いたします。
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