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老人性イボ(脂漏性角化症)は癌になる?放置しても大丈夫?
「このイボ、癌ではないでしょうか?」
老人性イボの診察でよく受ける質問です。
顔や首にできた茶色い盛り上がりを見ると、
「皮膚がんではないか」
「放置して大丈夫なのか」
「早く取った方がいいのか」
と心配になる方は少なくありません。
老人性イボ(脂漏性角化症)そのものが癌になることはないと考えられています。
しかし、それだけで安心してしまうのは少し危険です。
なぜなら、患者さんが老人性イボだと思っている病変の中に、皮膚がんが隠れていることがあるからです。
老人性イボとはどのような病気?
老人性イボは医学的には脂漏性角化症と呼ばれる良性腫瘍です。
顔、首、こめかみ、頭皮、胸、背中などによくみられます。
最初はシミのように見えることが多く、徐々に盛り上がり、イボのような形になります。
40代頃から目立ち始め、高齢になるほど数が増える傾向があります。
老化や紫外線の影響が関係していると考えられており、多くの方にみられる皮膚の変化です。
老人性イボは癌になるのでしょうか?
患者さんが一番気になるのはここでしょう。
老人性イボ(は良性腫瘍です。
現在のところ、老人性イボ(が癌に変化することはないと考えられています。
そのため、老人性イボ(と正しく診断された場合には、慌てて治療を受けなければならない病気ではありません。
命に関わる病気ではありませんし、放置したからといって転移することもありません。
しかし、ここで安心して記事を閉じてしまうのは早すぎます。
本当に怖いのは自己判断です
診察をしていると、
「昔からある老人性イボです」
「ただの加齢だと思います」
おっしゃる患者さんがおられます。
しかし実際には、老人性イボに似た皮膚腫瘍は少なくありません。
患者さん自身では区別がつかないことも多いのです。
『老人性イボだから大丈夫』と思い込むことが一番危険です。
- 悪性黒色腫(メラノーマ)
- 基底細胞がん
- 日光角化症
などの皮膚がんが隠れていることがあります。
見た目だけで判断することはできません。
放置してはいけないサイン
すべての茶色い盛り上がりが危険というわけではありません。
しかし、次のような変化がある場合は注意が必要です。
- 数か月で急速に大きくなった
- 出血する
- かさぶたを繰り返す
- 色がまだらになった
- 黒色が濃くなった
- 形がいびつになった
- 周囲が赤くなった
このような場合には、一度専門医の診察を受けることをおすすめします。
市販薬で様子を見るのはおすすめできません
老人性イボが気になり始めると、
「まずは市販薬で様子を見よう」
と考える方もいます。
しかし、もしその病変が老人性イボではなく皮膚がんだった場合はどうでしょうか。
市販薬を塗りながら数か月、数年と様子を見ている間に病変が進行する可能性もあります。
もちろん大部分は良性です。
しかし問題は、
「本当に良性かどうか分からない」
ということです。
だからこそ最初の診断が重要になります。
診断には専門的な診察が必要です
老人性イボの診断では、ダーモスコープという拡大鏡を使用して病変を詳しく観察します。
表面の構造や色の分布を観察することで、多くの場合は良性か悪性かを判断することができます。
それでも診断が難しい場合には病理検査を行います。
皮膚腫瘍の診療では、
「取ること」よりも、
「何なのかを診断すること」の方が重要な場合があります。
放置してもよいのでしょうか?
老人性イボ(と診断された場合には、必ずしも治療しなければならないわけではありません。
良性腫瘍ですから経過観察という選択肢もあります。
しかし実際には、
- 年々大きくなる
- 数が増える
- 黒くなる
ことが少なくありません。
そして患者さんの多くは、
「もっと早く取ればよかった」
と言われます。
小さいうちは気にならなくても、顔中に増えてから受診される方も少なくありません。
治療するなら早い方が有利なこともあります
老人性イボは良性です。
しかし小さい病変の方が治療範囲も少なく済みます。
特に顔面では、病変が小さいうちの方が治療後の赤みや色素沈着も少なく済むことがあります。
また、複数の病変がある場合には炭酸ガスレーザーでまとめて治療できることもあります。
まとめ
老人性イボ(脂漏性角化症)は良性腫瘍であり、癌になることはないと考えられています。
しかし患者さん自身が老人性イボだと思っていても、実際には皮膚がんや別の皮膚腫瘍であることがあります。
本当に注意が必要なのは、脂漏性角化症が癌になることではなく、癌が脂漏性角化症に似た見た目をしている場合です。
「昔からあるから大丈夫」
「年齢のせいだから仕方ない」
と思い込まず、気になる病変がある場合は一度専門医の診察を受けることをおすすめします。
老人性イボ(は良性ですが、顔や首では黒く盛り上がることで実年齢より老けた印象を与えることがあります。
診断の結果、老人性イボ(であれば過度に心配する必要はありません。必要に応じて炭酸ガスレーザーなどの治療を検討し、見た目の改善を図ることも可能です。
まずは正しい診断を受けること。それが安心への第一歩です。
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