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リストカット跡のレーザー治療で後悔しないために知っておきたいこと
リストカット跡を目立ちにくくしたいと考えたとき、多くの方が最初に調べるのがレーザー治療です。
「レーザーできれいになりますか」
「何回くらい治療すれば目立たなくなりますか」
診察でもよく受ける質問です。
リストカット跡のレーザー治療では、フラクショナル炭酸ガスレーザーが広く用いられています。ただし、この治療は傷跡を完全に消すものではありません。傷跡の状態に応じて、回数を重ねながら少しずつ目立ちにくくしていく治療です。
フラクショナル炭酸ガスレーザーとは
フラクショナル炭酸ガスレーザーは、皮膚に微細な穴を多数開けることで皮膚の再生を促し、傷跡の凹凸や質感を改善していく治療です。
一度で劇的に変化するものではありません。
間をかけて皮膚が再生する力を利用し、少しずつ改善を積み重ねていく治療です。
レーザーが向いている傷跡
レーザー治療が適しているのは、
- 浅い線状の傷跡
- ためらい傷のような細い傷跡
- 広い範囲に多数ある傷跡
です。
このような傷跡では、回数を重ねることで徐々に目立ちにくくなることがあります。
一方で、
- 深くえぐれた傷跡
- 幅の広い瘢痕
- 盛り上がった傷跡
に対しては、レーザーだけでは十分な改善が期待できないことがあります。
傷跡の状態によっては、手術や他の治療法を組み合わせた方が適している場合もあります。
手術が向かない傷跡もあります
「傷跡なら切ってしまえばいい」と考える方もいます。
しかし、浅く細いリストカット跡では、手術や削皮術によってかえって目立つ傷跡になることがあります。
そのようなケースでは、無理に切除するよりも、フラクショナル炭酸ガスレーザーで少しずつ目立ちにくくしていく方が自然な仕上がりになることがあります。
治療は強い方法を選べばよいわけではありません。
傷跡に合った方法を選ぶことが重要です。
痛みはあります
フラクショナル炭酸ガスレーザーは痛みを伴います。
照射中は冷却を行いますが、それだけでは痛みが強い場合には局所麻酔を併用します。
痛みを我慢しながら受ける治療ではありません。
治療回数は患者さんによって異なります
レーザー治療は一回で終わることはほとんどありません。
皮膚の再生を待つため、通常は約三か月ごとに治療を行います。
「何回で終わりますか」と聞かれることがありますが、決まった回数はありません。
二回で満足される方もいれば、さらに改善を希望される方もいます。
治療を終える時期は、傷跡だけではなく患者さん自身の満足度によって決まります。
レーザーを過信してはいけません
インターネットでは、レーザーで傷跡が消えるような印象を受けることがあります。
しかし実際には、そのような治療ではありません。
フラクショナル炭酸ガスレーザーは欧米で発展した治療法です。
欧米人は日本人より瘢痕や炎症後色素沈着が目立ちにくい傾向があります。
そのため、日本人では照射方法や治療間隔、治療後のスキンケアまで含めて慎重な治療計画が必要になります。
レーザー機器が優れていても、それだけで良い結果が得られるわけではありません。
治療後のケアも治療の一部です
レーザー照射後には赤みや軽い腫れ、かさぶたができます。
この時期に無理にかさぶたを取ったり、紫外線対策を怠ったりすると、色素沈着が長引くことがあります。
レーザー治療は照射して終わりではありません。
治療後のケアまで含めて、一つの治療です。
治療の本当の目的
リストカット跡の治療は、傷跡を完全に消すことだけが目的ではありません。
もちろん、人目を気にせず半袖を着られるようになることも大切です。
しかし、それ以上に大切なのは、傷跡を見るたびに思い出してしまう過去から、少しずつ距離を置けるようになることではないでしょうか。
実際に治療を受けた患者さんから、
「半袖を着られるようになった」
「腕を隠さなくなった」
傷跡を見るたびにつらくなることが減った」
という言葉をいただくことがあります。
形成外科医として私が目指しているのは、傷跡だけを治療することではありません。
患者さんが少しでも前向きな気持ちで生活できるよう、その一歩を支えることです。
まとめ
リストカット跡に対するフラクショナル炭酸ガスレーザーは、浅い線状瘢痕や「ためらい傷」に対して有効な治療法です。
一方で、深い傷跡や幅の広い瘢痕では、レーザーだけでは十分な改善が得られないことがあります。
大切なのは、「レーザーを受けること」ではなく、自分の傷跡に本当に適した治療を選ぶことです。
傷跡の状態を正しく診断し、治療の限界も理解したうえで治療を始めることが、後悔しないための第一歩だと私は考えています。
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リストカット レーザー治療 手術
詳しい治療方法については、当院ホームページの「リストカット(自傷瘢痕)・根性焼き」の診療ページをご覧ください。





