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逆さまつげを抜いても治らない?抜毛を続けるリスクを形成外科専門医が解説
「何年も自分でまつげを抜いています。」
「眼科で何度も抜いてもらっていますが、また生えてきます。」
逆さまつげの診察では、このようなお話をよく伺います。
まつげを抜くと、角膜に当たっていたまつげがなくなるため、異物感や刺激感は一時的に軽くなります。そのため、眼科で抜毛を受けている方や、ご自身で毛抜きを使って抜いている方は少なくありません。
しかし、「抜けば治る」と考えて何年も抜毛を続けている方は、一度治療方法を見直した方がよいことがあります。
睫毛内反や眼瞼内反では、原因はまつげそのものではなく、まぶたの向きや形、まぶたを支える組織にあります。そのため、まつげを抜いても原因そのものは改善しません。
眼科での抜毛には大切な役割があります
眼科で行われる抜毛は、適切な治療法の一つだということです。
数本のまつげだけが角膜に当たっている場合や、すぐに手術が必要ではない場合には、抜毛によって角膜への刺激を軽減しながら経過をみることがあります。
このような処置には十分な意味があります。
ただし、抜毛で改善するのは、その時点で角膜に当たっているまつげです。
まぶたの向きや、まぶたを支える組織が変わるわけではないため、まつげが再び生えてくると、同じように角膜へ当たることがあります。
自分で抜き続けることはおすすめできません
ご自身で毛抜きを使って、まつげを抜き続けることはおすすめできません。
診察では、
「10年以上、自分で抜いています」
「週に一度は鏡を見ながら抜いています」
という方も珍しくありません。
しかし、自分で角膜に当たっているまつげだけを正確に抜くことは意外に難しく、正常なまつげまで抜いてしまうことがあります。また、毛抜きが清潔でなかったり、無理に抜こうとしたりすると、まぶたの皮膚を傷つけ、炎症を起こす可能性もあります。
自己処理を繰り返しても、逆さまつげの原因は改善しません。それだけでなく、正常なまつげやまぶたを傷つけるおそれもあります。
抜毛だけでよい場合もあります
もちろん、すべての逆さまつげで手術が必要になるわけではありません。
睫毛乱生のように、一部のまつげだけが角膜に当たっている場合には、眼科で抜毛を行いながら経過をみることがあります。
また、子どもの睫毛内反では、成長に伴って自然に改善することもあります。
大切なのは、「抜毛を続けること」そのものではなく、その治療が現在のまぶたの状態や角膜への影響に合っているかどうかです。
手術を検討した方がよいケース
一方、次のような場合には、抜毛だけでは症状を十分に改善できないことがあります。
・何度抜いても症状を繰り返す
・長期間にわたって抜毛を続けている
・涙や目やに、異物感、充血が続いている
・眼科で角膜に傷があると指摘された
・広い範囲のまつげが角膜に当たっている
このような場合には、逆さまつげの原因やまぶたの状態、角膜への影響を確認したうえで、原因に応じた治療を検討します。
形成外科専門医としてお伝えしたいこと
逆さまつげだからといって、すぐに手術を勧めることはありません。
一方で、何年も抜毛を繰り返している方には、現在の治療が今の状態に合っているのかを、一度見直していただきたいと考えています。
逆さまつげには、抜毛で経過をみられる場合もあれば、手術を検討した方がよい場合もあります。
大切なのは、自己判断で抜き続けることではありません。眼科で角膜の状態を確認し、形成外科でまぶたやまつげの状態を診察したうえで、適した治療方法を選ぶことです。
何度も同じ症状を繰り返している方は、「また抜けばよい」と考えるだけでなく、一度、逆さまつげの原因と今後の治療方法についてご相談ください。
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